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クラスメイトside03 定めた神父と一つの方策

一瞬で私は身構える。この城の異常なところを感じた後だから、正しい判断とは思うけど……ちょっと過剰反応かなと身構えた後に自分でも思った。

何か仕掛けてくるなら、今すでに何かをしているだろう。手を招いている時点から……大丈夫だわよね。


「行くしかない……かな」

「行く以外の選択肢はないと思いますが……」


涼香の誰に当てた物かわからない小さな問いかけに先生が代理で答える。取れる行動は一つ。

三人で慎重に手を招いている方向に進む。すると、そこにいたのは。


「やはり、あなたたちでしたか……」

「し、神父さん!?」


いたのは、たしかヒェライと名乗っていた神父。なんでこんなところにいるの……かしら。


「これは……ヒェライさん。どうしたんですか?」

「えっと……あなたたちも目的は一緒でしょうか」


先生の声かけと共に、神父はいつもとは違った表情を見せる。いつも、厳しそうな表情が、やわらかで温和な顔だ。

だが……その顔の中に緊張の様な物が走っているように見える……わね。


「静かに。ちょっと、ここだと面倒なのでこちらに来ていただけますか?」


有無を言わせぬ声音で神父は手招きする。ここで、抵抗しても無意味なので私達は何も言わずについていく。

少し歩いたところで……神父は横を向き、扉に向き合う。たしかここはソラの部屋だったわよね……


「ここがどうしたんですか?」

「ちょっと待っていてください」


涼香が神父に問いかけるものの、神父は突き放すようにそういって、ポケットから小さな鍵を取り出した。

それを、素早く扉の鍵穴にさして扉を開けた。


「え……ここは……」

「止まってないで入ってください。時間がないので」


ソラの部屋の鍵を持っている事に一番疑問があったが、そんな暇はないようね。

私達が中に入ると、神父も同じように中に入り、即座に扉を閉めて鍵をかけた。

直後、神父の張りつめていた表情が一気に解け、温和な顔に戻った。


「ふぅ……何とかばれずに来れましたね……」

「えっと……」


あまりに一気に起きた出来事に混乱してしまう。疑問もいっぱいあるわ。一度に聞き切れないぐらい。


「とりあえず、一つ確認です。あなたたちはソラ君を見に来たんですか?」

「えっと……そうです。神父さんもそうですか?」

「まぁ、同じ感じです。あと、神父さんはやめてください……こんなところで言われると背筋がむず痒くなるので。ヒェライと呼び捨てでもいいですから……」

「えっと……ヒェライさん?でいいですか?」


し……ヒェライさんも私達と同じ目的という事は確定でいいわよね……


「あなたたちはソラ君のところに行くと思っていたのですが……本当のようでしたね。彼が倒れたときにお見舞いに来た人たちですから」

「ヒェライさんは……なんでソラのところに言ったんですか?」


涼香の質問が背後から飛んでくる。確かにそれは疑問だわね……


「少し相談に乗ってもらったりしたもので……鍵も一応もらいました。何かあったら使ってほしいって」


そういって、ヒェライさんは指からぷらぷらと鍵を垂らす。

たしかに、それはソラの持っていたものとそっくりだわね。


「本来なら、私は王城に入る事はできません。でも、ソラ君が罪を犯して捕まったと聞いていても経ってもいられなくなって突撃したんですが……あなたたちが地下から逆方向に戻って来たという事は……」

「たぶん、あなたの考えている事と同じです。地下を進もうとしたら、牢番みたいな人がいまして通してくれなかったんです」


先生がヒェライさんの問いに答える。


「あとは、そこを通り抜けようとしたら結界みたいなものが貼られていたのか、思いっきり弾き飛ばされました」

「それは……怪しすぎますね」


ヒエライさんが何かを考え込むような表情になる。そして……決意を露わにした表情になる。


「分かりました。行きましょう。ソラ君の元へ」

「で、でも、あそこは通れないんですよ!」


結界を破壊して通るのだろうか。だけど、ばれてしまう可能性も高くなる。これまでの言動から宗教は国よりも立場が弱いという事のはずだ。

それで行って見つかったら……面倒な事になるわよね……


「安心してください。一つだけ方法があります。ここからの事は……口外しないように」

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