謎の物音を手なずけました
・・・次の日、記者に質問されて困ってる顔がでかでか載ってしまって、おばさんに笑われた。
しかも、お城の外に居た小人達に見せたらやっぱり笑われた。
くっ・・・
おっと、くやしがってないで、掃除しなきゃ。
悪魔は、小人だけじゃないと思うんだよね。
まだ他にもいるだろう。
庭は、草だらけで噴水まで行けないので、後回し。
クロちゃんの行方が気になるけど、先に、
『たーのーもー!』
“なんじゃそりゃ”
『え?日本ではよその家で気合いを入れるときは、玄関でこう言うんだよ。』
“うそつけ”
なかなか鋭い切り返し!グッジョブ!
箒を肩に担いで、初めて2階へ登る。
早速壁の絵がガタガタ言い出す。ドアも何かがぶつかるような音がする。
ドン!何かにぶつかられ、尻餅をつく。
やったなぁ?かかってこい!箒をかまえて、物音に向かって振り下ろす。
ちっちゃな鬼?がいた。ゴブリンと言うそうな。
へーこれがゴブリン・・・まじまじと観察していると、
わらわらと出てくる。
どうやら仲間意識は強いようだ。
『あのね?私、今度ここに住む事になった、桃香。よろしくね。この子放して欲しい?じゃあ、もう、悪さしない?人を怪我させたり、物を壊さなければ、見逃してあげるんだけどな。どうする?・・・守れる人は、手を挙げて!』
うん。箒の下も手を挙げたな。
箒も放してやる。
『じゃあ、守れる人は横一列に並んで。そうそう。いい子だね。いい子にはクッキー1つずつあげる。』
おっ目をキラキラさせちゃって・・・なかなかカワイイ。
一つずつ順番に小さいクッキーを手に乗せてあげる。
『うーん。私が今日は静かにって言ったら、静かにできるかなあ?いい子にはたまにはご褒美があるかもよ?』
クッキーかじりながらうなずくちびっこ達。
よし。いい子。じゃあもう一つずつあげよう。