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八番目の大罪  作者: 七転び八転び
3/5

第参話

僕達はとりあえず夜を待つことにした。

何故夜かというと、


『悪魔は大抵夜型だからな』


ということだ。

夜にならないと悪魔は動き出さないそうだ。

動き出して世良の命が奪われたらどうするんだ、と僕が反論したら


『だが動き出さないとあの男から引きずり出す事すら出来ないぞ?』


だそうだ。

そして僕が何故全然喋らないのかというと…。


「んー!んーっ!!」

『こら!うるさいぞ。お前はいつになったら静かにできるんだ』


縄でグルグル巻きにされている上に口をガムテープで塞がれているのだ。

こんな状況だと「んー!」しか言えない。

何故こんな事になったのかって?

それは、


『お前を囮としてアイツに差し出すから大人しくしていろ』


と言われ、抵抗したからだ。

だが必死の抵抗も無駄だったよ。

コイツ案外力強いんだよ。

え?女の子に力で負けて恥ずかしくないのかって?

前々回の最後を見てくれ。










時間は飛んで午後11時。

校門に居た時からおよそ12時間経っている。

……言うまでもなかったか。


「おい小太刀、お前ふざけるなよ?いくら僕が温厚だからって怒る時は怒るぞ?」


昼から今までずっと縛られていたんだ。

誰だって怒るだろ?

あんな事されて怒らない奴なんてかなり特殊な奴だろ。


『サムピゲロめ…やはり動き出したか』

「話逸らすなバカ」

『こういうのは気にしたら負けだぞ?』

「お前……全部終わったら覚えてろよ…!!」


とりあえず僕達は世良のいる所に向かった。

幸い強力な悪魔の力がだだ漏れなので居場所など簡単に解る……らしい。

小太刀が感知しているので僕には全く解らない。












「世良ッ!!」


自動販売機の前に立つ世良を見つけた。

何だか目が虚ろだ。


「詩稔か……どうしたんだ?」

「どうしたってお前……お前は何してんだよ」


大体知ってるけど。


「俺…わかんねぇんだよ……全部が、欲しくて…仕方ないんだ……」


「この自動販売機の飲み物も、あの電線を流れている電気も、街灯の電気も、すれ違った人の服も、地面も、星も、月も、自分自身も……」


「全部欲しぃんだ……」


おいおい…これ結構ヤバくないか?

自我はあるようだが、放置していると本当に何をしでかすか解らない。


『やはり……おいサムピゲロ、そいつから出ろ。そして大人しく地獄に戻れ』

「俺が…?地獄に?何でだよ……」

「世良、お前は八番目の大罪(サムピゲロ)に取り憑かれてる。ソイツに地獄へ戻ってもらうだけだ。お前が行く必要はない」

「何で俺が………ぁぁあぁぁああぁあぁあ!!!!!」

「世良ッ!?」


世良が頭を抱えて発狂し出した。

何か尋常じゃない声出してるけど大丈夫なのか?

そしてご近所さんは何も文句は言わないのか?


『大丈夫だ。私が結界を張ってあるから悪魔の力を持つ者でないとここに近付けないし、音も聞こえない』

「おぉ、何て都合が良い…。ってか、やっぱお前地の文読んでるな?」

『何の事か解らない。そんなことより……来るぞ』


世良がもの凄い速さで迫ってくる。

50m走7,5秒のコイツがこんな速く走れるわけがない。


『詩稔!』

「っあああ!!」


世良が手を振りかぶる。

アイツの爪あんな長かったか?

あんな爪に切り裂かれたら一溜まりも無い気が…。


「があぁあああっ!!」


そんなこんな考えてたら世良の手が僕の目の前まで来ていた。

こんな所で僕死んじゃうのか…?

そう思っていたが、僕には掠りもせず金属音が響いただけだった。


『間に合った……ルシファーの盾だ』


僕の前にあるのは大きな盾。

その盾が世良の腕を防いでいた。


『詩稔……お前中々に使えんな。下がってろ』


無理矢理協力させといてその言い草は無いだろ。

だが僕はこんな危険な奴の相手などできないので言葉通り下がる。

え?女の子に(以下略)

前々回の最後を見てくれ。


『さて、抵抗する場合力づくで、という命令がある以上私は本気で行くぞ』


そう言って小太刀が出したのは1丁の銃だった。


「ってお前刀とか剣が武器じゃないのか?」

『ふむ、私がいつそんな事を言った?』

「いや……名前からして……」


だって苗字が断斬で名前が小太刀だぞ?

絶対刀系使うと思うじゃないか?


『それはただの偏見だ』

(……絶対コイツ地の文読んでやがる)

「がぁぁあぁあぁあっ!!!」


世良が小太刀の後ろから襲いかかる。

このままだと小太刀が…!!


「小太刀危ない!!後ろ!!」

『危ない?何の事だ?』


そう言って小太刀は銃を後ろに向けて放った。

およそ小さい銃が放ったとは思えないような極太のレーザーが世良を包んだ。


「お、おお……」

『お前に心配されるほど私は愚かではない筈だ』

「それ、やっぱ普通の銃じゃないのな」

『これか?これは悪魔殺しの銃(キラーガン)という悪魔を殺す事が目的で作られた銃だ』


……こいつルシファーに仕えてるんじゃなかったっけ?

ルシファーって悪魔だよな?

誰が作ったんだ…?


『言っておくが先程は世良とかいう奴を助けるために手を抜いた。あの程度では死なないぞ』

「そ、そうか」


悪魔を殺す事だけが目的って言う割には人間の体にもダメージがあるんだな。

そんな些細な事は気にしないってか?


「くっ…くそっ……欲しい…!その銃が!お前が!欲しぃいい!!」


その時、世良の体から黒い靄が飛び出した。

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