小説家の筒井康隆さんは日本が戦争をする未来がみえているのだろうか
筒井康隆は、日本の代表的な小説家だ。
小松左京や星新一と並ぶ「SF御三家」の一人と証される。
筒井さんは今月24日で92歳となるがまだまだ執筆意欲盛んで今もなお魅力的なアイディアや創作を楽しんでいるようだ。
数え切れないほど多くの作品を世に出してきた中で私が今の日本について描いていいるのではないかと感じる小説がある。
約60年前の初期の作品「東海道戦争」という小説だ。
東京と大阪が戦い、大阪に住む主人公が戦いに巻き込まれるという小説だ。
その戦いには明確な大義名分や深刻な理由があるわけではなく、すべてはオリンピックが終わった後の退屈を紛らわせたいマスコミの煽りと、刺激を求める大衆の欲望によって引き起こされたものだ。
だかしかし、主人公はなぜ戦争が始まったのかを知らない。知人に東京が大阪を攻撃する理由を聞くと「大阪が東京を攻撃する準備をしている」と教えられた。では、なぜ大阪は東京を攻撃するのか。尋ねると、東京が大阪を攻撃するからだという。堂々巡りだった。
とうとう戦闘機が飛び交い、自衛隊や市民兵が東海道を舞台に重装備で衝突、戦争はみるみるうちに過激化・深刻になり、人々が狂騒に流されて次々と命を落としていく中、情報社会やマスメディアの無責任さを鋭く風刺して物語は展開していく。
政府はさらに防衛力強化のために無人装備約5万2千機の導入やスタンド・オフ防衛能力(反撃能力)の強化に9兆円超を試算するなど、自衛力の抜本的な強化を進める。
「なぜ、そこまで防衛力強化をするのか」と聞くと「自衛隊の反撃能力の導入のため」と答えたという。
政府は「相手が攻撃に着手すれば、敵の基地を攻撃できる」にサインしたからだ。
ここで私は一つの疑問が生まれた。
「小説のように、相手が攻撃の準備をしていると言い張れば、国を攻撃できるのではないか」と。
来年度、日本の防衛費は10兆円の大台を超える。
筒井さんの小説にはタイムスリップを扱った作品が多い。
筒井さんは日本の未来の小説を書いているのかもしれない。




