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プール

作者: WAIai
掲載日:2026/07/04

体育の授業でプールが始まり、皆、更衣室へ向かう。


俺は早くプールに入りたくて仕方がなかったが、彼女は少し暗そうな表情をしており、何も持っていないのだった。


「どうした?」


不思議に思って聞くと、彼女は少し躊躇した後、話し出す。


「私…その、休む」

「え? プール、楽しいのに、休むのかよ?」


俺がびっくりして言うと、彼女は髪を耳にかけ、恥ずかしそうに言う。


「スクール水着が嫌なのよ。その、私、胸が大きいでしょう?」


彼女の胸に目を向けると、彼女が恥ずかしそうに手で遮る。


彼女のスクール水着姿を想像し、俺は首を横に振る。


駄目だ、駄目だ。

胸と太腿が露わになる姿なんか。


他の男子に見せてたまるかと、俺は燃えていた。


「じゃあ、体育の先生に言いに行こうぜ」

「え? 一緒に来てくれるの?」

「任せろ。俺を頼れ」

親指を自分に向けると、彼女から黒いオーラが消えた。


「ずる休みにならないかな?」

「大丈夫だと思うぞ。ただし、プールサイドの草むしりしないといけないかもしれないけれど」

「それなら平気。水着になるくらいなら、草むしりのほうがいい」


彼女は明るく言ってきたので、俺は水着一式を持つと、一緒に体育の先生がいる部屋へ向かう。


ちょうど椅子から立ち上がる時で、俺と彼女を見て、声をかけてくる。


「どうした、2人とも?」


先生はがっしりした体格であり、眼鏡をかけていた。

話しづらい性格ではなく、子どものように負けず嫌いで、短気なのが玉にきずだった。


「先生、彼女がプールを休みたいって」


俺が半歩前に出てい言うと、先生は目を細める。


「理由があるのか? その、生理とか」

「それは…具合が悪いとかで」


嘘をつくと、彼女も口を開く。


「その、ちょっと頭が痛くて…。泳ぐのは…ちょっと無理そうなので」

「そうか。保健室には行かなくていいのか?」

「いいです。休んでいれば、治るので」


先生はじっと彼女を見つめる。

彼女は緊張から喉を鳴らした。


「頼むよ、先生。休ませてやって」


俺が両手を合わせ、頼み込むと、彼女も一生懸命、頭を下げる。


先生は息を吐くと、

「…分かった。プールは休みな」

と言ってきた。


「え。本当に?」

「ああ。ただしプールサイドの草むしりをすること。ジャージに着替えて来い」

「は、はい!!」


彼女は嬉しそうに、それこそ飛び跳ねそうな勢いで答えた。うさぎが月を見て跳ねるみたいなものかと、俺はふと笑ったのだった。


「じゃあ早く着替えに行け。授業が始まるそ」

「はい!!」


俺と彼女は同時に答えると、部屋を後にする。

それから小声で、俺は伝える。


「じゃあ、俺は着替えに行くから。お前は教室に行くんだろう?」

「うん。ジャージを取りに行かないと。ありがとうね」


彼女は照れくさそうに手を伸ばすと、髪の毛を撫でてくる。その手つきの柔らかさ。優しすぎるから、俺が守ってあげないとと、決意する。


「1人で行かせるのは不安だな」

「大丈夫。すぐに行ってくるから、あなたも着替えて。遅れたら、先生に怒られそうだし」

「そうだな。じゃあ、行ってきます」


髪を撫でてくれた手を掴み、両手で擦る。

何の意味もないが、とにかく彼女に触りたくて仕方がなかった。


彼女も嫌じゃないらしく、頰を赤くしながら、手を重ねてくる。


「じゃあ、私、行くね」

「おう。俺も水着に着替えないと。…はい」


手を上げると、彼女とハイタッチする。

それから2人は別れ、別々の部屋へ向かうのだった。




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