表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大陸戦争  作者: 野谷
7/10

カール大帝

 彼こそ帝国であり、帝国こそ彼である。民や兵士達は口を揃えてこう言う。彼はバルサ帝国においてそれほどまでの重要人物なのである。カール大帝。彼はバルサ帝国の皇帝カエサルに従う身でありながらも、絶大な信頼をおかれており、皇帝の権力の半分を与えれている。実質的に彼は皇帝と同じ立場にいるのである。しかし、カールは基本的に全てカエサル皇帝の指示通りに動くし、権力を誇示したりする事はない。その為、他の大将軍達と同じような扱いとなっているのだ。カエサル皇帝は、かなりの軍事至上主義者と言えるだろう。バルサ帝国の軍事費用はかなり高く、維持費だけでもかなりのものだ。領土がやけに広い割に、意外と山なども高地が多い為、人が住みやすい環境があまり多い訳ではない。その為、領土を完全に防衛するためには、多くの兵を雇い、武器や物資を手に入れる必要があるのだ。大戦前はある程度余裕を持って賄えていたのだが、実質的に敗戦し、多額の賠償金を払わなければいけなかった上、人が住みやすく快適な領土がかなり切り取られてしまっている為、やりくりするので精一杯というのが帝国の実情だ。カエサルの1番強い思いは、バルサ帝国による大陸の完全統一である。これは、プラトン連合の国同士の調和を重んじる考えと相反していると言っていいだろう。彼の思想の原点としては、一つの大きな国で運営する事により、効率的に国を富ませる事が出来るし、過ぎたる軍事力は自国を救うだろうと考えている。それに対してカールは彼が言う事ならそうなのだろうと信じている。そもそも、カールからすれば、自分の永遠の服従をカエサルに従っているため、ただ主人が目標を果たすために戦い続けるのみだ。そんなカエサルから招集がかかってため急ぎ城へ向かい。ドアを開ける。来たかと言う皇帝の言葉の軽く会釈する。そこにはバルサ帝国の重鎮達が数多く集まっていた。基本的に皇帝の言葉とは絶対であり、他の者達に発言する権利すらない。カールを除いて。「...ペルビアで大陸会議が行われた。内容としては...」それから内通者を通して会議の全容が皇帝の口から語られた。そして、「ここからは帝国の今度の動きについて、だ。やはり我らとしては、アトランカ連邦の掌握に移りたい。あの国には我ら帝国派閥の国が何カ国か存在する。その国を領土を隣接させる事で支援したいのだ。」やはり次の目標はアトランカだ。あらかた予想はついていたが。「しかし間違いなく邪魔してくる国があるだろう。そう。ゲベーツ帝国だ。」ゲベーツ帝国...バルサと同じく帝国制を採用している国で、この大陸ではかなり珍しい。何故なら、帝国制は上手くコントロール出来なかった時にすぐ滅びるからだ。このバランス感覚を保つのは実に難しい。のだろう。自分には関係ない話ではあるが。皇帝からの話が終わり、それぞれ部屋から退出していく。自分はポツンと立ち続けていた。部屋に2人だけの空間になりしばらくすると、皇帝は笑いながらフランクに話しかけてきた。「貴様絶対話の後半聞いてないだろ。」これにカールも笑いながら答えた。「大丈夫だ!俺に全て任せておけ!」何も聞いてないくせに何を言っているんだ顔のカエサルがやれやれと言いながらさっきの話の内容を噛み砕いて説明してくれた。なるほどやっと理解出来た。つまりは、アトランカ領に隣接するには最短では中規模国家のブラン王国を制圧する必要がある。ブラン王国だけなら虫けらを踏み潰すようなものだが、問題はプラトン連合の新筆頭国となったゲベーツ帝国だろう。彼らはほぼ間違いなくブラン、あるいはアトランカ攻略時に救援を送ってくるであろう。それは一新したプラトン連合の初戦であり、ゲベーツからすればかなり重要な戦争になる。つまり、本気で勝ちに来る可能性が高いという事だ。とはいえ帝国としても負けるわけにはいかない。帝国は圧倒的な軍事力を持ち、敵にまわすべきではないと言うイメージを各国に持たせる必要がある。仮に、帝国に勢いなしと判断された時には、広大な領土を持つ事もあり各国の恰好の的になる可能性が高い。

 ゲベーツ、フラジール元帥。彼の脳内には様々な対帝国戦の想定が巡っている。既にブラン王国の防衛は出来る限り高めさせている。上手くいけば例のあの男も参戦させられるかもしれない。こちらから出す将も慎重に選ぶ必要がある。そして現在聖王国側は出し渋っているが、剣聖の出撃を要請している。彼を出させる事に成功すれば、戦争を優位に進める事が出来ると同時に、聖王国の最大戦力を知る事が出来る。サラディーナ王国に対しても、バルサ帝国への支援をさせぬようかなりの圧力をかけている。サラディーナは、自国を守るために軍を出しただけで、まだ先んじて帝国と共に、連合側と戦っていく姿勢を取っているわけではないからだ。アレはまだ、こちら側に転がり込む可能性も大いにある。そう判断したのだ。

 バルサ帝国は遂にカール大帝率いる25万の北軍、バルニック大将軍率いる25万の南軍合わせて50万の大軍で、ブラン王国に向け進軍を開始した。この動きにフラジール元帥はすぐに対応した。ブランのダモラ王5万、ゲベーツのグローム大将軍15万、クロシナの剣聖ラグナルト3万の総勢23万の北軍。各国から出陣した15万の兵を率いるフラジール元帥。ジルキーンのジルザエル聖騎士長の10万で合わせ25万の南軍。兵数ではほぼ互角。となれば、それを率いる将軍達の強さが勝敗を分けるだろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ