大陸戦争
誤字あるかも
現在、大陸は大小様々な国家が入り乱れ小競り合いが起きている。しかし、先の10年大戦を経てからこの25年間、大きな戦争が行われることは一度たりともなかった。10年戦争後、各国の国人が招集され、「プラトン会議」が行われ協定が結ばれた。内容を要約すると、1に国家同士での戦争を禁ずる、2に河川や鉱山の不当な独占を禁ずる、3に国家同士で不透明な密約を禁ずる、その他にも細かい取り決めがいくつも定められた。これを破った国には他の国同士が連携し、報復を行うと言うものだ。始め、バルサ帝国やムジルナ連邦等の大国はこの協議に反対しようとしたが、10年大戦の傷はどこの国も同じく大きく、更に戦争を継続したいと考える国は存在しなかった為、反対票は無かった。これにより、プラトン連合が結成された。しかし、この25年間平和が続いていた大陸に激震が走る。カール・ダナン大帝が率いるバルサ帝国軍25万がウラノ王国への宣戦布告と共にウラノ領内に侵攻を開始したのである。帝国の領土は大陸の内、約20%を占めていて、一番領土が大きい国である。10年大戦前は、40%近くの領土を所有していたため、これでも国力は半分にまで落ち着いている。大戦で最も力を失った国である。対してウラノ王国は大戦時、反帝国側に付き何度も帝国の領土に侵攻し、帝国の力を削いでいた。ウラノ側がすぐに用意できる兵力は6万。圧倒的な数的不利を抱えているが、周辺国からの援軍を期待し、侵攻先のウラノ平原に兵を配置した。
周辺国の動きは早かった。プラトン連合筆頭国のクロシナ聖王国は、予め帝国が戦争を起こした時の対策を講じており、帝国から攻められる可能性の高い国やその周辺国に、すぐに動ける防衛軍を訓練させ用意させていたのだ。それにより、平原に先に着いたのは帝国軍ではなく、ウラノの防衛軍だったのだ。その数約10万。ウラノ軍と合わせて14万程だ。正直これでもウラノ側が勝利するのはかなり厳しいが、戦争が長引けば更に周辺国や遠方の国から援軍が届き、数でも勝るという算段だ。それでも撃破するのが難しいと感じた場合には、反対側から他の連合国が帝国の本土に侵攻し制圧する、これがクロシナ聖王国の考えだ。
援軍が到着し、6時間程経った頃、ついに帝国軍が姿を現した。帝国の兵士達は見るだけで周りの空気が重々しくなりプレッシャーを与えるような漆黒の鎧を身を包み、右胸の辺りに帝国を象徴する鋭い牙を持った鷹が描かれている。それはまるで先の大戦で多くの国の命を刈り取った帝国の狡猾さ、荒々しさを現しているようにも見える。ウラノ側の兵士の中のは一瞬恐怖で顔が引き攣るものもいたがそれもすぐに消えた。何故なら彼らの先頭には、ウラノ王国内が大戦後不安定な状態に陥り、内戦が起きた時、全ての勢力を力で捩じ伏せ、その勢力を王へ献上し忠義に尽くした事により、王から将軍の位を拝命した若き将軍、マルト将軍自らがいるからである。本来、将軍級の者が前に立つべきではない。当たり前だが先頭に立つと言うことは、戦争の火蓋を切る役目であり、生き残れる可能性はかなり低い、将軍級の者が倒れれば、軍全体の同様に繋がるのは勿論、指揮系統に大きな乱れが生じる。そんな事はマルト将軍も承知の上だが、彼は今回、ウラノ軍4万を任せられていて、この戦いは防衛戦である為、負ければ帝国軍が領内へ入ってくるため絶対に負けられない。ウラノ国に限らずではあるが大戦で多くの有力な人材を失っている為、これ以上未来あるウラノの兵士を失うわけにはいかないのだ。その為、彼は自ら先頭に立ち、他の兵士を守りながら敵兵士を殺し続ける。それを彼は自らの強力な戦闘力で成り立たせようとしていた。
帝国軍は布陣後すぐに攻勢を開始した。帝国の第一陣が足並みを揃えながら一気に騎馬隊で突撃してきたのだ。その数約5000程だろうか。これで帝国は我らを崩せると思っているのか?そんな一瞬の疑問もけたましい馬の蹄の音と共に払拭され、マルト将軍は太刀を一振りした。それだけで帝国の兵士達は馬から弾き飛ばされ、ある者はそのまま落馬で絶命し、またある者はすぐ死への恐怖に駆られ逃げていった。一振り、また一振りと繰り返す。数時間が経ちその内、第三陣までもが撤退していった。これだけでも帝国側は1000人近く失っているのではないか。それに対しこちら側は100、200程か。マルトからすれば正直言って拍子抜けだった。援軍が来るのを待つまでもなく、奴らを撤退にまで持ち込めるのでないないであろうか。この後の何度目かの敵の撤退時にこちらからも攻撃を仕掛けられないだろうか?少しずつ彼の中で新たな作戦が練り上げられていく。このマルト将軍の動きにウラノ兵士達は士気が最高潮にまで上がっていた。
「退屈だ。」の一言だった。こちらの兵士が敵陣に突っ込んでいったと思えば、毎度毎度逃げ帰って来る。この意味のあるようには思えない繰り返しを見続けている彼は今回のバルサ帝国軍の総大将を務めているカール大帝だ。しかし、これは彼の尊敬する皇帝からの命令であるため、絶対に実行しなければならない。帝国は大戦により苦渋を飲まされた後、次に来たる戦争に備えて、厳しい軍事訓練を行い続けて来た。なんせ、大戦前の帝国の最大総兵力は、約530万である。その内、5分の1は命を落としている為、現在は総動員できて100万程である。これでも多いが、新しく人材を必要とした為、戦争のノウハウを知らない若い兵士達が溢れている。そして彼らにこれから起こるであろう戦争で役立たせるために、戦争経験が必要なのである。この戦争でも多くの新人兵士達が死ぬであろう。しかし、それでも生き延びれるような強い人材を育成する必要があると、皇帝は言った。これを守る為、カールはわざわざ死ぬ可能性の高い先頭に新人を多く配置させ突撃させているのである。無論良い気はしない。当たり前だ。彼は慈悲深い方ではないが、自国の若い兵士達が敵国の兵士に殺されるのを見ているのは胸糞悪いことの極まりである。始めは新人とは言え帝国式の厳しい訓練を受けた者達なのだから敵陣を突き崩せるのではと少し考えたが、敵軍の先頭に立っている兵士はどうやら只者ではなさそうだ。あれだけ訓練した兵士達がものの見事に蹴散らされているようだ。「とはいえアイツがわざわざ俺に出した命令なのだから正しいんだろうなあ?」第五陣が逃げ帰って来たのを見届けた彼は前進を開始した。出された命令は全て尽くした。ここからは俺の戦場だ。
第五陣を撃破したウラノ軍は逆転攻勢を開始した。撤退する第五陣を後ろから追撃し、敵陣に一気に突っ込む。ウラノ兵士達は最初、帝国軍に恐れをなしていたがもう恐れている者はいなかった。彼らの先頭にマルト将軍が立っているからだ。ウラノ軍は一本の矢のような形状の陣となり、後方に控えていた帝国軍に突撃する。先頭のマルト将軍の突破力と巧みな兵捌きにより、前方にいる帝国軍を吹き飛ばした。カール大帝1人を除いて。なんと彼も軍の先頭に立っていたのだ。これにウラノ軍は勿論の事、それ以上に帝国軍が驚いた。カール大帝は今回の侵攻の要であり、彼を失えば帝国側を撤退を余儀なくされてしまうからだ。この状況に彼の近衛兵はすぐに動いた、カールを守る為素早く彼の横に着き敵の動きを見定める。しかし、カールは更に一歩と前え進み出、ついにはマルト将軍と打ち合い始めてしまったのである。マルト将軍が太刀を使っているのに対しカール大帝は、大きな両刃の斧を片手で担いでいる。マルトは細身でしなやかに太刀を振るい、カールは発達しすぎた上半身と右手に全ての力を込め斧を振るう。マルトが斧を華麗に避けた後カールの懐に入り込み太刀を振るう。と刃が当たる前に彼は右腹辺りに強烈な痛みを感じ力を込めていた両の手から一瞬力が抜ける。カールの左拳が彼の腹を強打していた。つんざくような痛みの後すぐ我に帰り、バックステップで回避しようとした。が、すでに左手はギラついた両刃により落とされていた。刹那の瞬間彼に走馬灯がよぎるが前に彼の首は次の斧の動きに弾け飛んだ。
あまり文章を書くのに慣れていないので、変なとこあったら是非教えてください




