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三國乱世録 〜戦国転生〜  作者: 月城 リョウ
第四章「天下大乱」

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第六節 策謀の罠

近江、小谷城。


諸葛亮は、報告を受けて顔色を変えた。


「呂布が...少女を連れて、こちらに向かっている?」


「はい。しかも、その少女は貂蝉様に似ているとのこと」


「!」


諸葛亮が立ち上がる。


「主公!」


劉備が駆けつける。


「どうした、孔明?」


「呂布が、少女を連れて来ています。貂蝉殿の妹だと...」


「貂蝉の妹...!?」


劉備も驚く。


「本当か?」


「...わかりません」


諸葛亮が羽扇を握る。


「ですが、怪しい」


「怪しい?」


「はい。あまりにもタイミングが良すぎます」


諸葛亮の目が鋭くなる。


「これは...おそらく曹操殿の策です」


---


数時間後。


呂布が、少女を抱いて城門の前に現れた。


「劉備!出てこい!」


呂布の声が響く。


劉備が城門を開き、呂布を迎える。


「呂布殿...」


「劉備!この娘を見てみろ!」


呂布が少女を下ろす。


少女は、意識を取り戻していた。


「貂蝉様の...妹...です...」


少女がか細い声で言う。


「姉は...近江に...捕らえられていると...」


「!」


呂布が劉備を睨む。


「劉備!本当か!?貂蝉を捕らえているのか!?」


「いえ、私は...」


「嘘をつくな!」


呂布が方天戟を構える。


「この娘が言っているんだ!貂蝉を返せ!」


その時、諸葛亮が前に出た。


「お待ちください、呂布殿」


「...諸葛亮か」


「その少女、本当に貂蝉殿の妹ですか?」


「!」


呂布が黙る。


「どうやって確認したのですか?」


「それは...顔が似ていたから...」


「顔が似ているだけで?」


諸葛亮が少女を見る。


「少女。あなたの名は?」


「...私は...」


少女が口ごもる。


「貂蝉殿の妹なら、名前があるはずです」


「...それは...」


「答えられないのですか?」


諸葛亮の目が鋭くなる。


「では、貂蝉殿の故郷は?」


「...」


「貂蝉殿の好きな花は?」


「...」


少女が何も答えられない。


「呂布殿」


諸葛亮が呂布を見る。


「この少女は、偽物です」


「!」


呂布の目が見開かれる。


「偽物...?」


「はい。おそらく、曹操殿が仕組んだ罠です」


諸葛亮が羽扇を揺らす。


「呂布殿を近江に誘い込み、我々と争わせる。それが目的でしょう」


「...くそ!」


呂布が少女を見る。


「貴様...偽物か!?」


少女が、急に表情を変えた。


「...バレたか」


少女の声が、男の声に変わる。


「忍者...!?」


劉備が驚く。


少女の姿が煙に包まれ、やがて一人の忍びが現れた。


「曹操様の命令だ。呂布を近江に誘い込めと」


「...曹操!」


呂布が怒りを露わにする。


「また、俺を利用したか!」


忍びが煙玉を投げ、逃げ出す。


「待て!」


呂布が追おうとするが、煙で見失った。


---


城内。


呂布は、怒りで震えていた。


「曹操...許さん...!」


劉備が呂布に近づく。


「呂布殿...」


「劉備...すまん」


呂布が頭を下げる。


「俺は、またお前を疑った」


「いえ...」


劉備が首を振る。


「呂布殿が、貂蝉殿を想う気持ち、わかります」


「...」


「だからこそ、曹操殿はそれを利用したのです」


諸葛亮が言う。


「呂布殿。貂蝉殿は、必ずどこかに生きています」


「...ああ」


呂布が拳を握る。


「そして、俺は必ず見つける」


「呂布殿」


劉備が呂布を見る。


「私たちも、貂蝉殿を探します」


「!」


「見つけたら、必ずお知らせします」


劉備が約束する。


「...ありがとう、劉備」


呂布が小さく笑う。


「お前は、やはりいい男だ」


「呂布殿...」


「だが、俺は曹操を許さん」


呂布が立ち上がる。


「曹操...お前を、必ず倒す」


呂布が城を出ていく。


---


その夜、劉備の部屋。


諸葛亮が訪ねてきた。


「主公。呂布殿は、曹操殿に向かうでしょう」


「ああ...」


劉備が頷く。


「止められなかったな...」


「止める必要はありません」


諸葛亮が微笑む。


「呂布殿が曹操殿を攻めれば、我々には有利です」


「孔明...」


「これも、戦です」


諸葛亮が羽扇を揺らす。


「呂布殿という駒を、うまく使わせていただきましょう」


---


一方、小田原城。


曹操は、忍びからの報告を聞いていた。


「失敗した...だと?」


「はい。諸葛亮に、見破られました」


「...」


曹操が舌打ちする。


「孔明め...やはり、侮れん」


荀彧が口を開く。


「丞相。これで、呂布は我々に向かってくるでしょう」


「ああ」


曹操が立ち上がる。


「呂布が来る。あの殺しても死なない化け物が」


「どうなさいますか?」


「...牙を向くなら迎え撃つのみよ

何度でも処刑するほかあるまい。」


曹操の目が鋭く光る。


「呂布を倒せば、劉備への威嚇にもなる」


「ですが、呂布は天下無双の武人。正面から戦えば...」


「わかっている」


曹操が笑う。


「だからこそ、策を使う」


「策...?」


「ああ。呂布を、罠にかける」


曹操が地図を広げる。


「呂布という獣を、狩ってやる」


---


そして、美濃。


呂布は、赤兎馬に跨っていた。


「曹操...お前だけは、許さん」


呂布の目に、怒りの炎が燃えている。


「貂蝉を利用し、俺を利用し...」


方天戟を握りしめる。


「必ず、お前を倒す」


呂布が馬を駆った。


向かう先は、小田原。


曹操のいる場所へ――


---


各地で、新たな動きが始まっていた。


呂布の怒り。


曹操の策謀。


劉備の苦悩。


そして、織田信長の野心。


すべてが交錯し、やがて――


最終決戦へと、向かっていく。

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