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魔女と王国と声変わり  作者: 睦月はくろ
第一章 転移編
7/15

説明回は必要。これ大事

7話にして魔法やらの説明ってマジ?

「落ち着いたかな、馬鹿ども」


「「「「「はい......」」」」」


 現在、私は魔女たちを全員地面に正座させている。喧嘩が終わったころに部屋を出て、確認してみるとそこはもう酷い有様だった。壁や床は無事なところを探すのが難しいくらいにボロボロで、一部にいたっては崩落までしていた。ソファや机は元の形状が分からない程にまで木端微塵にされており、魔法を使用した跡だろうか、所々煤けていたり、湿っていたりした。流石にこんなところでは説教も文句も言えないということで、別の部屋に移動して今全員を正座させているところだ。


「まず、ここは誰の夢の中なのかな~ソティス」


「マオの夢の中です......」


「そうだね~私の夢の中だよね~そんなところで魔法ぶっ放したり、滅茶苦茶にしたりするやつらがいるんだよ......ねぇっ!」


 私は最後の部分を強調して魔女どもに向けて言い放つ。それを聞いて魔女どもは冷や汗をたらしながら正座を維持し続けている。サラやトルネにいたっては顔が真っ青にまでなっている。しかし、私の怒りは収まることはない。だが......


「はぁ~誰でもいいんだけど、夢の中で魔法とか撃ったりして私に悪影響とかはないの? 教えて」


「え?......えーと、言っても夢の中だから現実世界に影響はありません。少し疲労感が残るかもしれませんが......」


「お母さんたちが撃っていた魔法も~どちらかと言えば、夢の中のイメージにすぎなくて~......ほら~明晰夢ってやつだよ~夢をコントロールして自分の使える魔法を夢の中に出したってこと~」


「なるほどね......ん? じゃあ暴れる必要なかったのでは?」


「いや、そうでもねーんだよ。あたしたちは今、精神体的な存在だから異常があるとマオの夢から追い出されちまうんだよ」


 へぇーそういう理屈なんだ。これも異世界限定のものなのかな。まぁ元の世界では他の人の夢に入るってことがないから実際どうなのか知らないけど。


「説教だけしてもまた喧嘩するだろうからもう何も言わないけど......次やったら出禁にするからね。はいって言え」


「命令形!?」


「返事は?」


「「「「「イエスッ、マム!?」」」」」


 さて、威圧もこんだけしたら、しばらくは大人しくなるだろう。私は全員を椅子に座らせ、話ができるようにした。さて、聞きたいことがありすぎてどれから聞くか迷うけど......まずはこれかな。


「まず、【魔女】って何? どういう存在なの? 魔法を使える人と何が違うの?」


 まずはこれだろうね。魔女本人から聞けるわけだし、もしかしたら、私も魔法が使える手立てが分かるかも知れない。ちなみに私が魔法を使えるか、夜に実験した。外に出て、日中カレンさんが使った”ヒータ”という炎の魔法を詠唱してみた。もちろん、安全に配慮して燃えやすいものが周りにない状態で、水の入ったバケツも用意してたけど、結果は不発。うんともすんとも言わなかった。もしかしたら私は魔法を使えないのかもしれない......まぁ異世界人だし、ぶっちゃけそっちの方が普通だけど。


「【魔女】っていうのは、一定以上の魔力を持った女性が進化した存在よ。魔女への昇格は色んな条件があるのだろうけど、如何せん魔女に昇格したのは私たち五人だけだから、確証を持って言える条件は一つだけね」


「それは?」


「”大切な人の魂の一部”」


「!」


 魂ですか......元の世界では存在しないとか言う人もいれば、宗教によって考えが変わるあの魂さんですか。そういえば魂には重さがあるって聞いたことがあるな......。やっぱり元の世界にも魂は存在しているのかもしれない。この世界の魂と元の世界の魂の本質が同じものだったらの話だけど。

 茉央の脳内で話が脱線しまくっている間に紅茶を飲んで一息ついたペルリアが説明を続け始めた。


「それ以外の条件は確証に至らないわね。男性も【魔女】になれるのか分からないわ」


「そもそも【魔女】になるのがイレギュラーだし難しすぎてな......最後に【魔女】になったのはトルネの200年前だしな......」


「なるほど......」


「次に【魔女】になると起こることだけど~、これは魔力の大幅な増加と”世界のシステム”に干渉できるようになるのよ~」


「”世界のシステム”?」


 説明されてるはずなのに新たな謎が出てきてるんですけど? ”世界のシステム”って何? 文字からやばそうな感じしかしないんだが?


「そうだね”世界のシステム”についても解説が必要だね。と言っても単純だよ、この世界に関する絶対的なルールを決め、それを管理する意思なき存在だよ。死んだ魂を転生させたり、この世界が正常に動くようにするのが”世界のシステム”の役割だよ」


 あーそういう感じね。これ”世界のシステム”ってやつがこの世界そのものって感じでいいな。ていうか【魔女】になったらそれに干渉できんの? やばくね?


「じゃあ”世界のシステム”に干渉できるってヤバいんじゃないの?」


 私は気になったことをすぐさま魔女たちに聞く。これってもしかしたら世界を消滅させるってことも可能かもしれないってことだからね......


「まさか! そんな大したことも出来ませんよ。世界を大幅に変えようとしたら、”世界のシステム”が見逃しませんし、なにより私たちでも”世界のシステム”に干渉しすぎると体のほうが持たずに死んでしまいますから......」


「じゃあ干渉って何ができんの?」


「そうだね、私たちが五人、力を合わせて出来ることといったら、一人の少女を異世界からこちらの世界に連れてくるぐらいだよ。それでもギリギリだったけどね」


「............もしかしてあの影の正体は」


「言っただろう? 初めましてではないと」


 あの影ってお前らかよ!! 確かに五本の腕につかまれたけどさぁ......いや、元の世界は私にとっていいものではなかったから異世界に連れてきてもらって感謝するべき? まぁこの世界がましという確証はないけど。革命軍とかいるし。


「と、まぁ【魔女】と”世界のシステム”についてはこんな感じかな。じゃあ次の質問は?」


「あー......じゃあ、魔法について教えてほしい。私でも使えるのかとか」


「え~とねぇ、魔法っていうのは、主に二種類あってね~、”基本魔法”と”混合魔法(デュアル)”があるのよ~」


「”混合魔法(デュアル)”?」


「あー”混合魔法(デュアル)”の前に”基本魔法”の説明をしたほうがいいな。その方が分かりやすい。人間や魔獣、空気中なんかには魔力っつうもんがあるんだけどな、魔力を利用して様々な現象を引き起こす、これが魔法な」


「ふむふむ」


 まぁここまでは、ファンタジーにありきたりな魔法の説明だ。にしても魔力か~、私にあるのか? これがないと、私はどれだけ頑張っても魔法を使えないんだが?


「んで”基本魔法”つうのは六属性からなる魔法のことだな。(ヒータ)(エリアル)(フィン)(アウス)(フラッシ)(ダルク)の六つの属性。基本的には、人によって得意な属性があるが、最下級の魔法だったら魔力を持っている人間なら誰でも使えるな。マオも練習すれば使えると思うぞ」


「マジで!? けど、一回試してみたんだけど使えなかったのはなんで?」


「それは、マオが魔力を正しく使えてないからだね。マオは魔力の使い方が下手くそだから」


「悪かったな、下手くそで」


 だってしょうがないじゃん、元の世界じゃ、魔力なんてものはなかったんだし使い方なんて分かるか。ていうか私にも魔力あったんだ......これって異世界に来た瞬間からなのかな?


「ふふふ、けど大丈夫だよ。今日みたいに夢の中なら、()()マオに魔法のコツなんかを教えるから」


「それは、素直に助かるんだけど......」


 私は腕を組んで考えるポーズをする。どうしよう、ストーカーの提案を受け入れていいのだろうか? なんか身の危険を感じるから、嫌なんだけど......多分この中だとストーカー......ソティスが一番強いんだよね。さっきの喧嘩でも一人だけ無傷だったし、それって一番魔法を使うのが上手いってことだから、指導してもらえるのは私にとってメリットなんだよね......。さてどうしたもんか......。


「あら~マオちゃんにはお母さんが魔法を教えるからソティスちゃんは引っ込んでていいよ~?」


「いいえ、ママに魔法を教えるのは私の役目よ。ついでに膝枕やら耳かきしてもらうのは私の特権よ」


「おい、ちょっと待て、後半のお前の欲望はやらんぞ」


「あたしだってマオに魔法を教えたいんだが?」


「それを言うなら私もです」


 不味い、また険悪な雰囲気になってきた......。本音を言えばカレンさんやリリーさんに教えてもらいたいんだけど、二人には仕事があるし、何より寝ている間に魔法の練習ができるのはかなり嬉しい。

 ............仕方ないか。


「はい、ストップ。また喧嘩するつもり? 出禁にされたら私に魔法を教えれないわよ」


「「「「「......」」」」」


「魔法を教えてもらうのは私にもメリットがあるから嬉しいんだけど、あんたたちを同じ場所に置いとくと絶対喧嘩して、魔法の撃ち合いになるから......ローテーションとします」


「「「「「ローテーション?」」」」」


「そう、この日はサラ、この日はトルネていう風に日によって教えてもらう人を変えていくことにすんの。もちろんローテーションの組み合わせは私が決めるから、できるだけ公平にするわ。それで文句ないでしょ?」


「それならまぁ......」


「流石マオさま! 私たちのことを思って......」


「いや、主に私の胃のためだけど」


 ほんとに寝ている時くらい穏やかな気持ちでいさせてほしい。それにさっきの説明から、ローテーションにしたのは、もう一つ理由がある。


「それにさぁー、さっき人によって得意な属性があるって言ってたよね?」


「そうね、全属性の魔法が使えても、得意な属性の魔法と不得意な属性の魔法では、発射速度や威力が違ってくるわ」


「てことは、あんたたちにも得意な属性と不得意な属性があるってことよね?」


「そうね~私は土が一番得意だけど闇は全然使えないわね~」


 魔法の得意・不得意についてグラスを例にだすと、グラスの土属性の初級魔法なら他の属性の中級魔法レベルの威力を出せる。代わりに闇属性の魔法は初級魔法でもかなりの集中をしながら、ようやく発動できるレベルである。

 なぜこのような得意・不得意が起きるかというと、これは一人一人が持つ魔力の質の違いから起きる。人に宿る魔力は本来全属性を持っているが、その中でもグラスの魔力は土の属性を占める割合が多く、逆に闇の属性は占める割合が極端に少ない。属性の占める割合が少ないとその属性の魔法を使う際に、魔法に使う魔力をその属性の魔力に変える力が小さくなってしまうので、集中してよく魔力を練らないといけなくなってしまう。


「じゃあ全員得意な属性が同じってことはないだろうから、各々私に得意な属性の魔法のコツを教えてよ。その方が効率いいだろうし」


「それで問題ないですよ」


「じゃあそれで。......これで”基本魔法”については終わり?」


「そうね”基本魔法”についての説明はこれでお終いね。次は”混合魔法(デュアル)”についての説明ね」


 その言葉を聞いて私はさっきよりも真剣に聞く態度となる。だって名前がなんかかっこいいし、この世界で重要な要素っぽいしね。一言一句聞き逃さないようしないと。


「”混合魔法(デュアル)”というのは、六属性の内二つ以上の属性を組み合わせることで使える魔法よ。個人によって使える混合魔法に特色があって、人が約三割の確率で発現するといわれているわ」


「属性の組み合わせねぇ......例えばどんなのがあるの?」


「そうね~お母さんが知っているのだと、土と炎の組み合わせで爆弾の混合魔法を持っている人がいてたり~、水と光の組み合わせで鏡の混合魔法を持っている人なんかを知っているわね~」


「へぇー結構自由度があるんだ」


 ”基本魔法”じゃできないようなことが”混合魔法(デュアル)”だとできるようになるんだなぁ......ていうか混合魔法って私にもあるのか? 流石にそれは贅沢かな


「他にもあれだな、同じ属性の組み合わせでも使える混合魔法が違ったりするし、混合魔法は一人に一つしか発現しなくて、なんの混合魔法が発現するかは運次第だな」


 例として水と風で嵐の混合魔法を使える人もいれば、波の混合魔法を使える人がいてるなど教えてもらったり、透視みたいな特殊能力の混合魔法もあることを説明してくれた。こんな風に”混合魔法(デュアル)”について一通り教えてもらった最後に私はある質問を投げかけた。


「でさー結局私って”混合魔法(デュアル)”持ってんの? いや流石にそれは欲張りすぎか?」


「あるね」


「あんの!?」


 いやマジで!? もしかして異世界ものでありがちなチート能力があったりして!! 目で見るだけで写ったものを破壊するてきな!!

 ..................いやよく考えたけど別に私戦わないじゃん。メイドだし。そもそも怪我とかしたくないから戦いたくないし。だったら日常で便利な能力が欲しいな~。念動力で重い物を動かせたり、見たものを完全に記憶できる能力とか、そういう便利方向でお願いしまーす。


「で、私の”混合魔法(デュアル)”って何? ていうかなんであんたらが知ってんの?」


「マオの意識の中に入れるんだから知っていて当然さ。その気になればマオの記憶をすべて見ることだって......」


「よしソティスに魔法を教えてもらうのはやめよう。ソティスが教える日だったところは誰がやる?」


「ごめんなさい」


「よろしい」


 こいつほんとに私の記憶見てないよな?............いや見てるか、なんなら魔女たち全員。なんでか知らないけど私に対して好意があるみたいだし。見てない方がおかしいな。............早く”過去の旅行記”ていうやつを見つけてこいつらとの関係を知りたい。


「......で、マオさまの混合魔法(デュアル)についてですね。マオさまの混合魔法(デュアル)は......」


「『声帯模写』ですよ。他人の声を発することができる魔法です」


「......え? 声帯模写?」


 ............特技レベルと変わんねぇじゃねぇか!!!!  いやないよりましだけどさぁ~、正直に言ってこの異世界だとあんまり使えなさそう。元の世界だったら悪用方法をいくらでも思いつきそうなんだけどなー。いや、やらないけど。そんなことを考えているとソティスが急に立ち上がり......


「さて、そろそろ起きる時間だから話はここでお終いにしよう。続きはまたの機会に。......あとマオの混合魔法(デュアル)は副次的な効果やいろいろな使い道があるよ、マオが思っている以上にね」


「それってどういう......」


「じゃあね次の夢を楽しみにしているよ」


 その言葉を最後に夢の中にいるというのに強烈な眠気に襲われ、そのまま意識がなくなった。




△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△▼△




「おはようございますマオさん。その......疲れはとれましたでしょうか?」


 メイド服に着替え朝礼にでた私の顔を見ながらリリーさんが聞いてきた。無表情だけど雰囲気とかで心配そうな感じは伝わる。その質問に私は......


「そうですね......まったくとれてません」


 精神的に疲れているし、混合魔法(デュアル)については最後気になること言ってたし、次会ったら文句いうからな、あの【魔女】ども............






グラスの魔力は土属性35%、闇と土以外の属性15%、闇属性5%の割合で持っています。

グラスにとって闇属性の魔法は使えて損はないけど、それなら得意な土属性の魔法でゴリ押すほうが楽で強いと思っています。


「私戦わないじゃん」・・・特大のフラグが立ちました~

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