おっと、対応を間違えたようだ。
なんだ…この感触…柔らかい
机に全体重をあずけ、ダルいホームルームを睡眠という名のショートカットで下校までの体感時間を短縮してやろうとしたことが間違っていたらしい。
目を覚ますと僕とシンメトリーになっている女の子がいた。すぐ隣にいた。僕の机の半分を占領しノぺーと全体重を乗せた彼女とバッチリ目が合った。
僕は脳みその労働基準法にギリ引っかかるぐらいにフル回転させる。結果、何も結論が導き出せず何も悪くない可哀想な自分の脳みそを労わってあげようとしているぐらいには色々手遅れのようだった。
僕の顔に浮かんだ「?マーク」が彼女の口からの状況説明を訴えていると読み取ったのか僕が口を開く前に彼女が口を開いた。
「愛情表現だよ」
??
「えっと違ったかな求愛行動かな?」
????
「んんんー!!だから!ホームルームからずっと寝てたから起こしてあげようと思って普段見られない寝顔姿を目に焼き付けておこうと見つめてたらキスしてました。(早口)」
??????
ダメだ…説明されても脳内の?マークが増えるだけだった。
落ち着け僕、ゆっくり考えてみよう。
(ホームルームからずっと寝ていたから起こしてあげようと思って)
うん、ここはわかると腕を組みながらフムフムと頷く。
(普段見られない寝顔姿を目に焼き付けておこうと見つめてた)
ん〜まぁ変態の残り香がするがまだ飲み込めるか
(キスしてました)
は?
「もぉ〜なんか言ってよ。ま、無口の所も高嶺の花って感じがして魅力の一つだけどねぇー。口で説明するの恥ずかしかったんだからね!」むぅと頬を膨らませる彼女。
関わってはいけない人だ。人間の本能的な信号が赤に点滅している。少し女の子に言うのは気は引けるが初めましての人に生涯さようならを告げる高濃度の一言をプレゼントしておこう…
『キモ』
(ゾ ォォォクゥゥゥゥゥゥゥゥヴ)
おっと、対応を間違えたようだ。




