風に吹かれて
晴れた空は
もう君とは
見上げない空は 遠く
今は 彼方から
見つめあうばかり
夢をみた 何度も
君と語り合う夢を
目覚めれば 乾いた
かなしみを抱きしめ
その破片を積み上げている
風に吹かれて 佇んでいる
わたしの輪郭を
微かにさらって
見えぬ便りに託して
走り出す 波打つように
草を掻き分け
思いもかけず出会うことに
どれほどの意味があるのかなんて
だれにも分からないけれど
あの日 君に吹いた風が
今 わたしを吹き抜けて行く
光射す この隙間も
君の残した跡ならば
風に吹かれて 生きていくことは
寂しいさよならばかりじゃない
今 わたしに吹く風が
まだ見ぬ明日を 吹き抜けていく