12話 再び
「きっとあの子は悪魔の子に違いないわ!あの歳で、
もう魔法を使うなんて……!それに私は魔法について詳しく教えたことなんてないの!変だわ!!」
「ですが奥様、あの子は奥様が産んだ子でまちがいないかと。私達も産むところを見ていましたし……。」
「いいえ、悪魔の子はそういうものよ。魂だけとられているのが普通らしいから。」
「そ、そうですか……。」
「それにあの子は魔法を2属性操る。とても人間とは思えないわ!そんな話聞いた事がないものっ!」
「…………それは確かに同意せざるをえないです。」
「そうよ!きっとそう!早くあいつらに引き渡さないと!何だかこの子のことが欲しいみたいだし!あいつらが来るのは早くて2ヶ月後……ちょっと遅いわね。
まぁいいわ。ここにあの子が留まる方が厄介だもの」
俺はその会話を理解した瞬間、全身の力が無くなったかのように地面へ座り込んだ。
頭が働かない。
体も動かない。
俺は一気に絶望の気持ちを味わった。
きっとあの時……火属性の魔法を見た時からずっと
……お母さんは気付いていたんだ。
俺が魔法を複数操れることに……。
しかし、時はそんな俺を待ってはくれないみたいだ。
次第にジェンナとリリーはリビングに戻ろうとし始めていた。
ま、まずい……!!
ここにいたらこの話を聞いていたってばれる!
間違いなく殺される!
今はまだ死ぬ時じゃない!!
どうする?どこに隠れる?考えろ!頭を回転させろ!
ここから走って逃げればきっと時間が足りずにバレる
……………………………………………………………………。
……そうか!上だ!上に隠れればいいじゃないか!!
俺は風魔法を地面に向けて放ち、天井まで飛んだ。
……うぅッ!!結構バランス保てない!耐えてくれ!
良かった。2人とも台所に行ったみたいだ。
……………はぁ。とりあえず俺も自分の部屋に行くか。
俺は部屋に着くなりすぐにベッドに寝転んだ。
あぁ、俺はもう死ぬのか……と思いながら。
元々俺は死んだはずだったんだ。
それなのに俺は何故か生かされて……。
やっぱり現実なんてクソ喰らえだ。
こんな事になるのなら初めっから生き続けたくなんてなかった…………。もう何も信じられない!
家族も、友達も、師匠も!!
前世では、家族だけは最後まで味方で居てくれた。
………でも家族でさえ俺の事を騙そうとしてるんだ。
もうきっと、俺の味方なんて1人も居ない……。
……だいたい、友達や師匠なんて赤の他人なんだ。
今までは良くしてくれていたけれどそれもきっと偶然。きっとそのうちすぐ、俺の事に飽きて居なくなってしまう。
…………友情は、儚いものだから。
俺が部屋に籠りだしてから3週間がたった。
俺の心はまだ1ミリたりとも変わらない。




