女友達から乙女ゲームをやらされた時の話
オレは男なのに女友達から乙女ゲームというものをやらされている。それもこれもオレが持っているエロ本が女友達に見つかったからだ。ばらされたくなければ乙女ゲームをやれ、と女友達はオレを脅してきた。かれこれ、オレは乙女ゲームでバッドエンドを連発している。
「アンタって乙女ゲームの才能がないわね」
「うるせえ。なんだよこの乙女ゲームの名前は! イケメン☆オレオレ詐欺って!?」
オレは文句を言いながら、またまた始めからやっている。電話が鳴るところからスタートだ。オレは電話に出るを選択する。
「オレだ、キミのエンジェルだよ」とイケメンボイスでストーリーは進むのだが、この乙女ゲームはオレオレ詐欺の話から、やがて女主人公と詐欺師との間に恋が芽生えるというものだ。ちょっと男のオレには理解が出来ないんだけど?
「実はオレ、会社の金に手を出してしまった。だから、キミの力が必要なんだよね。会ってほしいんだ」とイケメンボイスでストーリーは女主人公とイケメン詐欺師が会う場面に進む。
イケメン詐欺師はあの手この手の話をする。それでストーリーは選択を間違わなければハッピーエンドに向かうのだが、これってちょっと難しいんだけど?
「オレは本当は、会社の金に手を出していないんだ。実はキミのことが好きなのだよ」と詐欺師のストーカー化に話は進むのだが、女友達はこうオレにアドバイスをする。
「アンタって乙女ゲームの才能が本当にないわね。教えてあげるけど、そのストーカー化の場合はハッピーエンドは難しいよ?」
おい、いつまでもオレはこの乙女ゲームをやらされるのかよ。すると、他の詐欺師キャラがメイン詐欺師とケンカをする場面に進む。なんだよ、この選択肢?
1、止めに入る
2、警察を呼ぶ
3、私のお金を二人に渡す
うーん。1と2はバッドエンドだったからなあ。すると、3しかないんだけど。すると、メイン詐欺師はイケメンボイスでこう言う。
「オレはキミのエンジェル、お金のためにキミに会っているんじゃないんだけどね」
じゃあお前はいったいなんなんだよ? 最初オレオレ詐欺だったよな? あ、そうか。ストーカー化しているんだよね。オレはなんとかストーリーを最後の場面にまで進んだらしいんだけど、女友達がこう言った。
「フッフッフ。ハッピーエンドの選択肢がわかるかしら?」
メイン詐欺師がこう言った。
「オレは本当はこんなことはしたくなかったんだ」とイケメンボイスで刃物を向けてくる場面。選択肢は次の通り。
1、逃げる
2、優しく抱きしめてあげる
3、お金を渡す
ちょっとこれって難しいんだけど。すると、女友達はこう言った。「フッフッフ。愛はお金では買えないのよ」
何言っているんだお前は。よし、2だな! すると、メイン詐欺師は刃物で女主人公を刺した。オレ、もうこの乙女ゲームするのがイヤだ。かれこれ、八時間はぶっ通しでやらされたからだ。オレは絶望した。エロ本を持っていることがばらされる。すると女友達はこう言った。
「お疲れさま! エロ本ってそもそも何を読んでいたの?」
「え? 巨乳警察の取調室って名前だけど?」
「うわ、変態」
「うるせえ」
すると、オレと女友達の顔の距離が近くなっていた。ん? なんだ、この状況は? え? 女友達が目を閉じた? あれ、この状況は、ひょっとしたら?
「えーと、オレはキミのエンジェル。オレのものになれよ?」
「アンタが言うな」
「エロ本のことは黙っていてくれよな?」
「まあ別にいいんだけどねw」