プロローグ
小説初投稿になります。楽しんでいただけたら嬉しいです。
周りには誰もいなかった。さっきまで1-1の教室にいたはずなのに。いきなり光が爆ぜたと思ったらここにいる。ここはどこだ…?
彼が、自分がどこにいるのかを分かる筈がない。それは……
異世界──魔界にいるのだから。
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「やっと4限目が終わったよ…」
こう呟いたのは、桜崎高校1年の弓長湊夜だ。この学校は進路指導重点校と言われ、勉強に力を入れている。そのせいで、授業が眠くてしょうがない。なので、昼前の4限目は、辺りの標高が低い。皆眠そうである。
「ご飯食べたらもうひと眠りしよ…」
そう言ったあと、誰かが声をかけてきた。
「おいおい、また寝るのかよ」
湊夜の数少ない友達の1人、館野和が話しかけてきた。
彼はとても体がでかい。その巨体を活かして、空手部の若きエースとして活躍している。そして誰にでも優しい、とても頼りがいのあるいい奴で、皆の人気者である。
「流石に4限目の日本史は眠いよ…」
「確かにな。だがそんな調子だと、単位落とすぞ?」
「うっ…それは言わないでくれ…はぁ、こんな眠いのは今日夜更かししたせいだな…」
「また、ゲーム実況でも見てたのか?」
「そんなとこ」
そんな、たわいもない話をしていた時、男子3人組が現れた。
「全く、夜更かしは良くないぞ」
こう言ったのは、このクラスで一番の人気者である、遠山大輝である。勉強もできて、運動神経も良くて、イケメンだ。とりあえず爆発しよっかと言いたくなるようなスペックである。
「あはは、まあ今日は金曜日だし、と思って夜更かししたのは不味いよね…」
湊夜はこういったリア充タイプが苦手である。湊夜はどうしてもこういうタイプと合わないらしい。
「明日が休みでも良くねえだろ。これだからお前は平凡なんだよ」
大輝とよくつるんでる影山一人だ。影山は大輝とは正反対な性格で、とてもねちっこく、自分より下の者を見るとすぐに見下す。湊夜はこういうタイプも苦手だ。
「所詮は凡人だからな、しょうがねぇって!ハハハハ!」
そう言って俺を指さし、笑っている人物が影山と良くつるんでいる阿笠龍登。湊夜はこいつが一番嫌いだったりする。
「おい、そんな言い方ねえだろ」
「その通りだよ、2人とも」
そう言って、和と大輝は二人の発言に対して怒る。二人共正義感が強いので、湊夜をたまに庇ってくれるのだが…爆弾落としたのは大輝だと、湊夜は思ったが、ここは耐えて、和と大輝に言う。
「二人共気にしないでいいよ。夜更かしは、程々にすればいいんでしょ?」
そう言って金を片手に食堂へと向かおうとした時の事である。
「な、なんだこれ!?」
大輝が叫んだ。慌てて湊夜が後ろを向くと…
「うわっ!?」
光が爆ぜ、その光にクラス中が包まれた…