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商談の勇者  作者: 谷山コーキ
3/3

鑑定

間つなぎの話です。

午前3時起床『鑑定士』の朝は早いのである。


午前4時30分 品定め開始、日々冒険者が仕留めた商品の価値をつける作業


午前11時 昼食、本日もいつものセットを飯屋で注文する。パンにコーンスープと思われるスープがついた質素なセットである。因みに食べ終えると作業再開である


午後9時 作業終了。1日の給料をもらって家に帰る。


午後11時 睡眠

「あれ?これが異世界の生活か??」


私がこの町に来て既に2ヶ月が経とうとしている

にもかかわらず!毎日作業の日々。

こんなの思い描いた生活じゃない!!

だいたいさ何これ現実世界とほぼ変わらないじゃなないか!いや、現実よりひどい


まあ私がどうしてこうなったのかを説明しよう。





ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


異世界2日目のことである

私は、昨日訪れた商業ギルドへやって来た。

そして先日のカウンターへ行った。


「本日は、どのようなご用件でしょうか?」


「私は、商品開発をしたいのですが。」


「因みに、現在資産は?」


「金貨100枚です。」


「足りませんね。」


「え?!」


私は驚いた、思うに金貨100枚は大金である。それでも足りないと言うのだ。


「全然足りないと言うほどではありませんが、それだと手持ち無沙汰だと思われます。」


「まず、商業ギルド又冒険者ギルドの登録料が金貨20枚、これは商業ギルド15枚冒険者ギルド5枚となっています。そして個人相談室の年間料金が金貨10枚、又これは、場合によりますが、開発して生産ラインに金貨100枚となっています。これに関してはギルドマスターの目利き次第ですので。」


「・・・」


「あの?大丈夫ですか?とりあえずギルドマスターにはなしを通したいと思いますので、2ヶ月程お待ちください。」


「2ヶ月?」


「ギルドマスターはただいま隣の都市に行っているため、2ヶ月程となっています。」


「わかりました。ではその期間手持ち金を少しでも増やしたいので報酬が一番いい仕事をいただけますか?」


「では『鑑定士』なんていかがでしょうか?」


「『鑑定士』とはどんな仕事ですか?」


「この仕事は目利きの仕事となります。冒険者が運んでくる、モンスターに価値をつけていく仕事です。」


この仕事はなんと銀貨5枚ぶんの報酬があるそうだ。その代わり目利きが必要になるので、経験がものを言う職業らしい。


「どうしてそんな経験を伴う仕事を?」


「先日、お客様に荷物を届けた少女からもし、臨時の仕事を求めてきたらこうしろと言われまして」


マークの奴が根回ししてくれたのか。


「では明日からおねがいしますね!」



3日目


「よろしくお願いします」


「はい、よろしくお願いします、カクさん」


この人はホール=マクルス、A等『国家鑑定士』の資格を持つ人である。


あらゆる職業には、E〜SSまでの7段階の格付けがありB以上は国家〜というように呼ばれている。

又、余談だが彼はこの世界では有名な貴族であるホール家の者なのだがこのことを知るのはまた別の話である。


「今回は研修ということで気楽にしてください。危険であれば補助しますから。」


「はい!」


しばらくすると


コンコン‼︎

ガチャリ!


ドアが開く音が聞こえて中に巨漢の大男が3名入って来た。

「本日の要件は?」


「この『サラバガニ』を頼みたい!」


『サラバガニ』このふざけた名前のモンスターはこの世界では高価な蟹の一種だ。一般的に銀貨5枚で上質なもので金貨1枚もするのもあるらしい。


「なんだ新米かよ!ちゃんとしてくれよ」

「こんなクソガキで相手が務まるのかよ」


好き勝手言ってくれるじゃないか。さすがにきれそう。

そして私は片目を閉じ右の大剣の大男を見た。


「銀貨3枚でいかがでしょうか」


「ふざけてんのかクソガキが」


まず右の男がきれた。もちろんこれも予想の範囲内だ。


「いえいえふざけてなどいません、この蟹品質が最悪です。」


「はぁ?どこがだよ‼︎」


「足が一度とれませんでしたか」


「「「‼︎」」」


「あなた方はこの蟹の足を接合材か何かでくっつけたのでしょう!」


「勝手なことを言ってんじゃねーぞ!クソガキが‼︎」


男が私に掴み掛かってきた


「お待ちください、いいんですかこんなことして、今回のことが上に知れたら貴方方はギルド追放でしょうね。」


「そ、それがどうした」


「奥さんにこれ以上苦労をかけていいんですか?借金だってあるのでしょう?」


「どうしてそれを‼︎」


私は小声で

「金30枚くらい貸してもいいんですよ。ですからここはひいてくださいね。」

と言った。


ーーーーーーーーーーーー


「失礼しました。」

結局、あのまま交渉が進み大男がこの場を去った。


「なんというか、相手の足元を見るようなことでいい気はしませんがお疲れ様です。カクさん。」


「すいません調子に乗りすぎました。」


「最後なんて、追い詰められすぎて半泣きでしたよ。もうやめてくださいね。」


「はい」


まあ補足として言っておこうか。大剣の男バルサーカは妻との二人暮らしをしている。あの男は毎日ギャンブルに明け暮れたせいか借金がかさみ現在は丁度金貨10枚だしかも本日中に彼は返さねばならなかったということだ。




そしてスキルで難なく『鑑定士』としての職務を終え、2ヶ月程だった頃ギルドマスターが帰還した。





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