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運命に溺れた少年(仮)  作者: つたたたこ
前世 徳山理緒 編
9/14

4話 血液

 徳山理緒30歳。独身。


 仕事は小さい会社をやっている。


 週末とかは剣道の先生をやっている。無邪気な小さな子供なら耐えることができる。人は怖い。でもこの人間社会必ず人と関わらないといけない。だからいつも感情を押し殺しているから考えが読めない顔になっている。そのせいか、子供に怖がれているので少しショック。あの礼奈の自殺以来、何も起こらず平凡の生活を送っていた。でも嵐の前の静けさのようだった。自分の人生が怖かった。幸せが長く続かないことはわかっていた。また俺のせいで周りの人の人生が壊れる所をもう見たくなかった。


 強いようで弱い、それが今の理緒











 今日はデパートで買い物をしていた。食材や服を買うつもりだ。歩いていたら、人混みのなかで泣いている女の子がいた。


「どうかしましたか?まいごですか?」

「…ヒック……ヒック…おじさん誰?…ママはどこ………」

「大丈夫、大丈夫。おじさんが

 一緒にママを探してあげるよ。」

「…本当?………ありがとう。」


 特に午後からは予定が無いので、一緒に探すことにした。早く見つかるといいな。






 突然銃弾の音がして、女性の悲鳴が聞こてた。


 すぐに女の子を抱え人から見えない所に隠れた。少し見えたが黒ずくめの男たちが銃で人を打っていた。


 恐らくテロリストだろう。だったらとっくに出入り口は塞がれている。人数が多いしとても行動が早いから計画的だ。


 また泣きそうな女の子を慰めている時、こちらに近ずく足音がした。足取りからしてテロリストだろう。


 俺は売ってある鉄パイプを手に取りこちらに来るテロリストの前に出た。銃で打とうするが足蹴りで銃を落とし、首に鉄パイプを当てた。糸が切れように倒れた。たぶん死んではいないだろ。


 周りを警戒しながら女の子と一緒に移動した。


 しかし、女の子が転んでしまい周りに気づかれてしまった。俺は女の子をそばの冷蔵庫の中に隠した。


 鉄パイプを握りしめ地面を蹴った。


 銃弾の軌道を読みテロリスト2の懐に入り銃を持っている手首のへし折った。痛みに喚いた隙に鉄パイプ胴を打った。そして、そのまま足で顔を蹴った。テロリスト3は、テロリスト2が邪魔で打てなかった。そのすきに鉄パイプで喉を貫いた。あっという間に3人目を無力化した。途端に火薬の匂いがしたら、前から支流弾が投げ込まれていた。反射神経で除けてしまった。


「!?、しまっ」


 除けた先は女の子のいる冷蔵庫売り場だった。






 冷蔵庫売り場は炎に包まれた。その中に女の子が見えた気がしたがすぐに炎にかくされた。メラメラと燃えていく女の子。それは一体………




「僕に、人を守る強さを教えてください。」




 それは理緒の小さい頃の記憶



 <俺は……………今まで何をして来たんだ。何のために強くなったんだよ。なんでこんな小さな命もまもれなかったんだ。>



 自分に嫌気が差した。



 俺のせいで誰かが不幸になる世界なんて、



 人を守ることが出来ない世界なんて、



 消えれてなくなってしまえばいいのに。



 自分の中からどす黒い感情が出て来て、理緒は理性をうしなった。








  * * * *








「な、なんだよ………あれ。」


 テロリストは怯えたように呟いた。


 理緒の目はまるで獲物を狩るような目をしていた。それはとても深く吸い込まれそうで、一瞬身体が動かなかった。


 7人のテロリストは負けじと理緒に向けて銃弾を放ったが、もうそこには理緒はいなかった。突然隣の3人が倒れた。見ると首が酷く曲がり目が白目になって死んでいた。


 また隣で大きな音がした。恐る恐る振り向くと………



 一人は壁にめり込んでいた。



 一人は顔がメチャクチャになっていた。



 一人は手と足があらぬ方向に曲がっていた。



「うわぁぁぁーーー!!!」


 テロリストは気付けば一人だけになっていた。そして後ろから黒い影が近づいて来て……………









「あ〜あ、鉄パイプが折れちゃったーーーーーあはははははは!!!!」


 もうそれは理緒であって理緒ではなかった。


 理緒の目線が横に向けるとその先には、ナイフ売り場があった。


「どーれにしようかな!………あ!これがイイかな。あと、それとこれとこれ!!」


 包丁やナイフなど30本以上持ってまたやって来たテロリストに向かってナイフを投げた。それはきれいに喉を刺した。どうすることも出来ず呻き声をあげてテロリスト達は倒れた。


「どんどんいっくよー!!!」


 持っていたナイフでテロリストの腹を串刺しにした。さらに3本のナイフをクローのように持ちどんどん相手の胸や首や顔を深く引っ掻いていった。


「ば、化け物!!」

「あれ〜今頃〜?。てか僕にとっての最高の褒め言葉だよ〜〜〜〜。」


「うわぁーーー」


「ギャあああああ」


「やめろ、これ以上仲間を殺るな!」

「あっれれ〜?人に物を頼む時、どうするんだっけ?」

「………や、やめてく…ださい。お願い……します。」

「はい、よくできましたーーー。」


 テロリストの首はきれいに跳ね首の無い身体からは大量の血が滝のように流れていた。


 テロリストは理緒に向かっていくら銃弾を打ち込んでもすべて除けられるか、ナイフで弾き返されるかで、擦り傷すらつかなかった。


「あはははは。ばっかじゃないの〜?そんなのただのおもちゃだよ〜〜。あ!そっかーみんな頭の中が空っぽなんだ〜。じゃあ、もうその飾りはいらないねーーー!!」



 理緒は少し長めの包丁でテロリストの首を……………











 地面には首の無い死体が転がっていた。中には、まだ血の柱を立ていた。


「こ、これは!」

「ん?、あんただけ格好が違うね。もしかして、このテロリストのリーダー?やっと会えたね。楽しいけど弱すぎるのだよね〜〜このおもちゃ達。」

「!!!、よくも部下を………許さん。」


 テロリストのリーダーは理緒に銃弾を打ち込んだが、すべて当たらなかった。リーダーはあきらめてナイフを取り出し理緒に襲いかった。


「?!」

「いい身体能力だね。でも、もうすこしできるよね。」


 理緒はリーダーの全力を片手のナイフで防いで余裕振りを見せた。


「今度は、こっちだよ!」


 理緒はナイフを投げた。リーダーは全部除けてた。しかし後ろには理緒がいた。リーダーは気付いて後ろを見たが理緒の蹴りで顔面を思っ切り蹴った。


「あ〜あ、惜しかったね。いい反応だったね。でも次からは僕のことも忘れないでね!あ、もう会えないか〜ごめんね〜。じゃあね、弱いテロリストのリーダーさん☆」



 リーダーの意識は遠のいていった…………











  * * * *











「あれ、ここは?俺は何を………?!」












 赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤赤



 床も壁も天井も理緒の手も血で赤く染まっていた。


「これは、全部、俺がやったの……うっ、」


 突然後ろから銃声が聞こえて理緒の胸を撃ち抜いた。後ろを振り返ると、そこには拳銃を構えていた警官がいた。


「化け物!!さっさとくたばりやがれ!!!」

「な、なんで」


 理緒には理解出来なかった。自分は何もやってないのに何故打たれているのか。


「死ねーーーーー!!!!」

「?!」


 理緒は殺されると思った瞬間、ナイフが警官の頭に刺さっていった。警官は倒れて大量の血を流し死んだ。

 理緒は手元にあったはずのナイフがなかった。


「なんで、なんでだよ。俺は…………?!」


 どこからかこっちへ来る足が聞こえた。俺はまずいと思った。俺は人を殺し増してや警官も殺してしまった。


<逃げないと捕まって…………こ…わい……怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い!!!!!!>


 理緒の心は折れてすべてが怖くなった。人も、世界も、運命も、全部、全部、全部。


 俺はつの間にかパイプだらけの所にいた。たまに水の音が聞こえる。だんだん、手と足が冷たくなり感覚がなくなっていく。理緒は死を悟った。




<俺は死ぬのか………酷い人生だったなぁ。>




<結局、みんなみんな死んでしまった。>




<……………俺は化け物なのか。>




<……………なんでだよ、一体俺が何したって言うんだよ。>





<俺は何も出来なかった。ヤダ、ヤダよ、俺はまだ………………………>











 徳山理緒の人生は終わりを告げた。


 でも本当の戦いは、ここからだ。


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