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運命に溺れた少年(仮)  作者: つたたたこ
前世 徳山理緒 編
6/14

1話 不幸

 とても静かなデパートの地下に男がいた。


 周りは、パイプだらけでたまに水の音が聞こえる。男は、穴の空いた胸を押さえながら歩いた。息を切らしながら歩いていたが、壁に寄りかかりすわりこんだ。服はスポンジのように血を吸って赤く染まる。だんだん、手と足が冷たくなり感覚がなくなっていく。


 男は、死を感じていた。認めたくなかったいままでの人生。でも、どうする事もできなかった。悔しさのあまり男は叫んだ。でも息を吐く音しか響かなかった。


 これは、地球で生まれた男の不幸な人生のお話し。







  * * * *






 街では車がたくさん走ってた。その中の車の一つに少年がいた。


 少年の名前は、徳山理緒。家族5人で旅行に行く予定だった。


「貴方、安全第一。かわいい子供達のためにがんばってくださいね。」

「おうよ!初めての家族で旅行なんだからな。みんないっぱい遊ぶぞ。」

「「はーい。」」

「なんで私を子供扱いするの!」

「中学2年生は、子供と同んなじ。」

「……納得いかない。」

「お姉ちゃん、とにかく一緒に遊ぼ」


 僕は、この日を楽しみまっていたんだよ。昨日なんてドキしてねむれなかったんだよ。弟も楽しみにしてたし、いい旅行になりますよいに。








 何処かで金属の重なる音がした………


 それから母の叫び声が聞こえてた………


 金属どうしぶつかる音がした………


 そして俺の意識は、途切れた。








 燃える音がして、俺は目を開けた。


 俺は、目を疑った。燃えていた、自分の大切な物がすべて。家族の哀れな姿がそこにあった。


 父は、鉄骨見たいな物に腹から刺され串刺しになっていた。口からは、大量の血が吹き出していた。目に光は、無かった。


 母は、上半身と下半身が 引きちぎられていた。そこから血と一緒に、内蔵がぐしゃぐしゃになって出ていた。


 姉は、鉄骨の下敷きになっていた。鉄骨のすき間から腕が出て指先から血が一滴、一滴、落ちていた。


 弟は、頭を潰されていた。少し脳みそが出ていた。小さな体はまるで、首のない人形見たいだった。


 家族の体は燃えていき、徐々に灰にしていた。


 苦しさが立ち込めて、嘔吐した。最初に思ったのは。生臭い。気持ち悪い。それだけだった。


 体が思うように動かなかった。どうすることもできないまま、意識を失った。











 俺は、目を覚ました。白い天井があった。それから警察の方が「君は、事故にあったんだよ。」と冷たくいった。


 トラックの荷台に乗せていた鉄骨を繋いでたロープが切れて、流れ込んだ先が家族の乗っていた車だった。


 車は大きく潰されおり、俺が生き残ったのは奇跡だった。大きな事故だったのにもかかわらず死んだのは、俺の家族だけった。


「………なんで、なんで僕だけ生き残ったの?だれか……誰かおしえてよ……。」


 静かに響いた。だけど答えは帰って来なかった。


 理不尽な人生は、ここから始まった。











 8歳になり、俺は孤児園に引き取られることになった。祖父も祖母もとっくに死んでいて、親戚も余裕がなく無理だった。


 大きな家で、周りには人は住んでいなかった。周りが山ばかりだからだ。


 親戚の車から降り、家に向かって歩くと一人のおばさんがみえた。おばさんはこちらを向き微笑んだ。


「ようこそ、私の孤児園へ。」

「貴女が園長ですか。早速ですけど、この子をお願いします。」

「はい。わかりました。理緒君でいいかな?これからよろしくね。」


 アッサリと俺の引き渡しを終えた親戚は、帰っていった。


「ここは、貴方の家よ。安心しなさい。」


 と園長は優しく言ってくれた。俺もやっと自分の居場所を見つけられてとても嬉しかった。でも、それは、偽りだった。


 次の朝、園長は、俺に向かって「いつまで寝てんだよ!さ0っさと起きて働くんだよ。」と俺に向かってムチを叩いた。


 最初は、夢を見ているのかとおもった。でもムチでたたかれたところは、痛く腫れ上がっていた。


 ここの人達は、ここの子供達を金のために働く奴隷としてか使っていた。それからは、地獄のようだった。


 ご飯を食べ掃除や内職をやらされていた。その作業は、深夜まで及んだ。それだけではなかった。いい金で売れるように、礼儀作法まで叩きこまれた。その際ドジをしたり、逃げようとすると容赦無く拷問部屋に連れて込まれ、拷問を受ける。そのときに死ぬ子供も少なくなかった。


「お前!また皿を割ったのか!」

「?!、ごめんなさい。ごめんなさい。もうしませんから、許してください!」

「もう、遅い。こっちへこい。」

「いやーーー!!や、ヤダやだよ。なんでもしますから、あの部屋だけは。やめてーーーー!!!」


 今日もまた一人、少女が拷問部屋に連れて行かれた。


 俺の仲間もあいつらに殺された。泣いた。やっと心から通じ合えた次の日、殺された。


 俺は、脱出を決意した。しかし、そう簡単にはいかない。

 前に脱出を試みた少年がいて孤児園から脱出して隣街まで行き。街の人に事情を話したが、すぐにばれて話しを聞いた人は無実の罪で逮捕された。不可解なところは有耶無耶にされ捜査できなくなっていた。その少年は拷問部屋に連れて行かれた。あれ以来その少年をみていない。


 この孤児園は、裏で闇組織と繋がっていた。なので、簡単にもみ消すことができる。











 それから2年がたっていた。理緒は10歳になっていた。いままで脱出するために計画を練っていた。ただ逃げるだけじゃダメだった。決定的証拠が必要だった。夜中に事務室に忍び込んで証拠を探していた。いつの間にか金庫を開ける技術力がついていた。


 探す際見つかってしまい、拷問をうけた。服に隠れるところばかりじわじわといたみつけられた。幸い、証拠を探しているとは、きずかれなかった。


 俺は昔から頭はよかった。まるでこの為にあるかのように。


 そして太陽が沈んだ。作成を開始した。


 夜中、理緒は見回りの人が部屋から出たのを確認した。見回り役の人はいつも12時に行っていた。そして、床の木板の一枚を剥がした。そこには、2年間必死に集めた証拠の書類だ。簡単に見つけられないようにしていた。それを風呂敷の中に入れて、見回り役にみつからないように、部屋を出てトイレに向かった。


 トイレについて、奥の個室に入った。便器の下は、シートに覆われていた。それを剥がすと石の板があった。それを外すと、中は空洞だった。これは、2年間スプーンで掘り土をポケットに入れて畑仕事のときに出していた。そうして少しづつ掘り出して外に続く抜け穴をつくった。

 抜け道を使い外にでると、孤児園の前にトラックが止まっていた。


 このトラックは、闇組織の物で東京行きだった。もちろんこのトラックに乗り東京まで行く。俺は事務室にあったパソコンを使いいろんな情報を取り込んでいた。


 怪しまれないように、トラックに近ずいた。そのときに孤児園から、人が出てきた。間一髪でトラックの荷台に乗ることができた。


 そのまま、トラックに揺られながら事務室から盗んだ時計を見た。もう5時を回っていた。見回り役は5時にもう一回くるので恐らく俺がいないことに気ずいている。しかし、子供が何ができると油断しているハズだ。いままで、脱出をした子供を探すとき慌てることもなくのんびりとしていた。完全に子供を甘くみていた。しかし俺はそこをついた。少しでも時間がほしかった。態様が遅れば、探す時間も遅れる。トラックに乗っていることに気ずくのは、後の方になるハズ。


 理緒はそこまで考えていた。もう子供並の考え方ではなかった。


 6時に東京に着いき、東京駅まで走った。そしてそこからある場所へむかった。警察署だ。


 そこで、偉い人を呼んでもらい書類を提出した。


 その警官は、いままであの孤児園の捜査をしていた。しかしなかなか尻尾を捕まえられなかった。でも理緒が持ってきた書類は、これだけで有罪まで追い込めるぐらいのものだった。一切の矛盾がなく、すべて鎚づまがあっていた。

 決定的な証拠と言うよりも完璧な証拠だった。すぐに上に報告をして。孤児園に向けてパトカーを出発させた。その際、理緒を保護した。


  孤児園の園長と作業員、闇組織全員逮捕することに成功した。そして子供は、全員無事だった。


 理緒は、長かった戦いを終わらせた。


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