嫉妬心4
「なっ」
痛みを訴える声を聞きながら、私はその光景を見守っている。
身体の中から何かエネルギーのようなものが流れ出る感覚があった。
激しい勢いで噴出してくるエネルギーに、留めようがない。
「お放しくださいっ、危険です」
と声をあげたら、再び口をふさがれた。
ダメです、離してくださらないとっ、と思う。けれど、なりふり構わずにレイナード様は私の上にのしかかって来た。
「後から来たお前に、取られるのは耐えられない」
苦々しく語るレイナード様の言葉に滲んでいる感情を、何と表現すればいいのだろう。
「お兄様、危険です」
とエルドナード様はおっしゃるけれど、レイナード様は気せわしく、ボトムスのバックルを外しはじめた。
いけない流れだ、と思う。私に触れたらきっと何かいけないことが起きる。
レイナード様が腿の間に身体を滑らせて来た気配があった。何の準備もなく触れたその感覚に身体が硬直する。
これは、いけないっ。と思ったときには、レイナード様の腹部に鋼の剣が刺さるのを見る。
貫いた剣は誰が動かすともなく、抜き去られてレイナード様の白いベストから赤い液体がしみだしてくる。
「お兄様っ」
エルドナード様が名前呼んだときに、エルドナード、とかすかなお名前を呟いたきりで、私の身体の上へと倒れ込んできた。
レイナード様の腹部が私の腹部にあたり、生暖かい感触が触れる。とろとろと触れるそれを拭えば、手についたさらさらとした赤い液体に、私の呼吸は一時止まった。
エルドナード様がレイナード様を抱きかかえ、私の上から下ろすけれど、その眼差しにはたしかな怒りが込められている。




