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第十王子との人違い一夜により、へっぽこ近衛兵は十夜目で王妃になりました。  作者: KUMANOMORI


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嫉妬心4

「なっ」

 痛みを訴える声を聞きながら、私はその光景を見守っている。

 身体の中から何かエネルギーのようなものが流れ出る感覚があった。


 激しい勢いで噴出してくるエネルギーに、留めようがない。


「お放しくださいっ、危険です」

 と声をあげたら、再び口をふさがれた。


 ダメです、離してくださらないとっ、と思う。けれど、なりふり構わずにレイナード様は私の上にのしかかって来た。


「後から来たお前に、取られるのは耐えられない」

 苦々しく語るレイナード様の言葉に滲んでいる感情を、何と表現すればいいのだろう。


「お兄様、危険です」

 とエルドナード様はおっしゃるけれど、レイナード様は気せわしく、ボトムスのバックルを外しはじめた。


 いけない流れだ、と思う。私に触れたらきっと何かいけないことが起きる。

 レイナード様が腿の間に身体を滑らせて来た気配があった。何の準備もなく触れたその感覚に身体が硬直する。


 これは、いけないっ。と思ったときには、レイナード様の腹部に鋼の剣が刺さるのを見る。

 貫いた剣は誰が動かすともなく、抜き去られてレイナード様の白いベストから赤い液体がしみだしてくる。


「お兄様っ」

 エルドナード様が名前呼んだときに、エルドナード、とかすかなお名前を呟いたきりで、私の身体の上へと倒れ込んできた。


 レイナード様の腹部が私の腹部にあたり、生暖かい感触が触れる。とろとろと触れるそれを拭えば、手についたさらさらとした赤い液体に、私の呼吸は一時止まった。


 エルドナード様がレイナード様を抱きかかえ、私の上から下ろすけれど、その眼差しにはたしかな怒りが込められている。


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