幼馴染みは暴走娘
流石に追いつけなかった。
それはそうだ、毎日運動している人間とたまにしか運動していない人間では能力差は歴然だ。
どうせ、あそこに行くだろう。
誠一には彼女の行く場所は予想が付いた。
そうして、彼は帰り道の公園に入っていく。
案の定、湖の近くのベンチに彼女は座っていた。
「紅……」
声を掛けるのを躊躇う。
無神経な事を言った。
彼女がどれだけ本気でこの時の為に頑張ってきたか知っているにもかかわらず、配慮が足りなかったと自分でも反省している。
「何してるの、座れば?」
誠一の声に気が付いていたのか、紅羽は振り向き様にそう言った。
「私、そんなに無理してた?」
「……少なくとも、僕には何か焦って無理しているように思えてならなかったよ」
誠一は幼馴染としてずっといたからこそ、彼女が無理しているように思えてならなかった。
「どういう所が?」
「……なんとなく?」
「何それ」
「しいて言うなら、いつも通りの紅羽じゃなかったっていうか」
「いつも通りの私?」
「何事にも前向きで、努力家で偶に無理しちゃうほっとけない幼馴染かな」
誠一にとって今の彼女は大切な幼馴染である。
努力家で何事にも真剣に取り組む彼女は確かに魅力的だろう。
だけど、誠一は長年みてきた。
真面目な所もポンコツな所も全てひっくるめて彼女を好きになったのだ。
「只、それだけ?」
「あぁ、それだけだ」
「ふ~ん」
紅羽はそう言うと、再び真っ直ぐ湖の方を見る。
その光景はまるで夕焼けの色が湖から反射して幻想的な雰囲気を演出している。
「この光景、綺麗だね」
「そうだな」
「誠一の言う、幻想的な雰囲気ってやつ?」
「わかってきたじゃないか」
「わかるよ、色んなアニメや漫画一緒に見たじゃん」
そう言って彼女は満面の笑みで誠一を見ている。
誠一は彼女の笑顔を見ると、直ぐに顔を背ける。
「どうしたの? 照れた?」
「……さぁな」
紅羽は綺麗な夕焼けの空を見上げる。
時間が経ち、少しずつ茜色の空は少しずつ夜の空に変わっていっている。
「ま、誠一が言うし仕方ない……その代わり、オフの日は誠一が私に付き合う事」
「なんだよ、それ」
「する事が無かったら、私また一人で突っ走っちゃうかもよ?」
「僕は暴走機関車のブレーキか」
「とにかく、私が休みの日は私に付き合う事、いい?」
「はいはい、わかったよ」
「それじゃ、帰ろっか」
そう言って彼女は勢いよく立ち上がる。
「帰りにコンビニよってこ?」
「いいよ」
「やった」
彼女はにこりと笑うと、ご機嫌に鼻歌を歌いながら帰路に着いた。
今回のお話はいかがでしたでしょうか?
続けば続くほど、どう表現したらいいか迷ってしまいます。
これも試練ですね!!
今回も表現について何かあれば指摘してください。
まだまだ勉強中なので、どんどん意見を取り入れてより良い作品にしていきたいのでどんどん意見をお待ちしてます!!
ブクマや評価もしていただけると励みになりますので、どうかご検討ください。
け、決して5にしてほしいとかは言いませんが、出来れば5がいいななんて……。
まぁ、純粋に評価をしていただけると僕は嬉しいです。
それではまた次回、よろしくお願いします。




