対戦相手
さて、どう問いかけるか。
こうなってしまった紅羽は頑固なので、問い詰めるのは逆効果だ。
「紅羽、まずは初戦突破おめでとう」
「……ありがとう」
彼女はこちらを見ずに落ち込んだそう言う。
なんというか、以前もこういうことがあった。
「何か言われた?」
紅羽は黙る。
それでも僕は問いかける。
「そっかそっか、イラついちゃったか。 何を言われたの?」
紅羽に問いかけるが、言いたくないのだろう。
彼女は体育座りして顔を埋めたままだ。
「言いたくないか……それでもいいんだけどさ、皆が心配するからさ」
それに、彼女が落ち込んでいるのは見ていられない。
僕は彼女のあの陽だまりのような笑顔が好きなのだから。
「気にするなとは言わない、だけどさ自分はちゃんとするべきだよ」
態度を悪くすれば、やっていることは相手の子と大差ない。
彼女にはそうなってほしくはない。
「紅羽は悪くないとは言わないよ最後のは紅羽が悪い」
僕がそう言い放つ。
彼女が怒る理由もわかる。
初めから諦めているのなら何故コートに立つのかと僕でも怒る。
本選に出たかった者達もいるのだ。
勝ってここに出たいと思い練習をしてきたのに、あんな試合をみせつけられては 予選で負けた人たちが浮かばれない。
皆が皆そうではないとわかっている。
だけど、少なくともここに来る人間はここに努力して立っているはずだ。
「紅羽の気持ちがわかるとは言わない、だけど君もそうなるべきじゃない」
結局は自己の考え方だ。
紅羽は紅羽で頑張ればいいし、その子もその子の考えがある。
結局、価値観が人それぞれなだけだ。
「それでも、さっきのは紅羽らしくないと思うよ」
「……私らしくない?」
紅羽が僕に視線を向ける。
「うん、紅羽は何事にも努力家で真っ直ぐな性格が一番紅羽らしい」
何でも真っ直ぐに直向きに向かう彼女こそ、皆を惹きつける暁紅羽なのだ。
「私らしいか……」
そう言うと、彼女は僕の方に身体を寄せてくる。
そして、僕の肩に身体を預けてくる。
「少しだけ、お願い」
駄目と言える状況ではない。
そうしてしばらくそうしていると、紅羽は僕の方から離れる。
「先輩の方へ行ってくるよ」
そう言って立ち上がりこちらを見る彼女は、いつも通りのひだまりのような笑顔の紅羽だった。
「あぁ、留守番は任せてよ」
そう言うと、彼女は急いで先輩のいる方へ向かう。
いつもの紅羽に戻ったようだ。
僕はそっと胸を撫でおろす。
「あれ、お姉ちゃんは?」
そう思っていると、美優ちゃん達が帰ってきた。
「先輩の応援に行ったよ」
「……そっか」
そういう美優ちゃんの表情は何処かほっとしていた。
美優ちゃんはなんだかんだお姉ちゃんが心配なお姉ちゃん子なのだ。
そうして買ってきた物を広げ、僕らは昼食を済ませることにした。
今回のお話はいかがでしたでしょうか?
続けば続くほど、どう表現したらいいか迷ってしまいます。
これも試練ですね!!
紅羽って結構悩みやすい子なんだなっと書いてて思いました~
今回も表現について何かあれば指摘してください。
まだまだ勉強中なので、どんどん意見を取り入れてより良い作品にしていきたいのでどんどん意見をお待ちしてます!!
ブクマや評価もしていただけると励みになりますので、どうかご検討ください。
け、決して5にしてほしいとかは言いませんが、出来れば5がいいななんて……。
まぁ、純粋に評価をしていただけると僕は嬉しいです。
それではまた次回、よろしくお願いします。




