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幼馴染みが僕を放してくれない  作者: ユウキ±
第一部
40/229

幼馴染み妹と先輩

「さて、そろそろ始めよか」


 彼女が言っているのは一セット六ゲームの試合をしようと言っているのだ。


「え、今日は楽しんでやろうよ。 誠一や美優ちゃんもいるんだから」

「ええやん、皆で試合しよや」


 そう言って僕らを見る。


「二人もええやろ?」


 そう言われても、美優ちゃんは体力の限界だろう。


「久しぶりに先輩と戦うのもいいですね~」


 意外にも美優ちゃんは好戦的だった。

 そういえば、美優ちゃんも紅羽が卒業するまで部活をしていた。


「お、それじゃあ決まりやな」


 僕の意見は完全無視ですか、そうですか。


「それじゃあ、対戦票はどうしよう」

「私と紅羽、中村と美優でええんちゃう?」


 あからさまな対戦票。

 それ、君が紅羽とやりたいだけなのでは?


「いいえ、私と綾辻さんでお姉ちゃんとお兄ちゃんです」

「それなら、僕を除く総当たり戦にしたら?」


 正直、これが一番いい。

 それぞれがやりたいなら、これが最も効率いい。


「なんや、もうええんか?」

「うん、僕は審判でもしとくよ」

「ほな、それで……暁姉妹もええか?」

「誠一がいいなら」「お兄ちゃんがいいなら」

「ほな、ルールはどうする?」

「時間もあるし、三ゲーム先取でどう?」


 時間は残り四十分ほど、丁度いい時間だろう。


「時間もあるし、それでええ」


 そう言うと、綾辻さんは美優ちゃんを見る。


「それじゃあ、美優やろか」

「……はい」


 そう言って美優ちゃんと綾辻さんの試合を開始する。

 サービスゲームは美優ちゃんからだ。


「さぁ、かかってきぃ」

「……」


 そう言うと、彼女はカットサーブでサービスラインぎりぎりに打つ。


「うぉ」


 綾辻さんは意表を突かれたのか、必死に追いかけクロスロブで何とか返す。

 しかし、対応が遅れたせいで外に追いやられてしまう。

 スピンロブで体勢を立て直そうとするが、美優ちゃんはそれをバウンドしたと同時に打つ。

 ライジングショット。

 普通、球筋の頂点で打つことが基本だが、スピンロブは頂点で打つことは無理なため落ちてくる所で打つ。

 だけど、彼女の打ったライジングショットは跳ね上がった時に、打つため自分で打点を決めることが出来る。

 タイミングは難しいが、出来ればタイミングを変えることが出来るのだ。

 美優ちゃんの球を追いかけず、彼女はその場に立ち止まる。

 追いかけてもあの距離は追いつけないので、追いかけるのをやめた。


「あれ、先輩が諦めるなんて珍しい」


 確かに、彼女はどんな時でも喰らいつくテニスだった。

 追いつけないとわかっていても必死に追いかけ、時にはそれで窮地を脱したことが多い。


「やるやないか」


 今までの彼女とは少し違う感じがした。

 美優ちゃんの挑発にニヤリと笑みを浮かべる。

 そうして、試合は進んでいく。

 サービスゲームは美優ちゃんがとり、1-0になった。


 今回の作品はいかがでしたでしょうか?

 

 おかしな点があればご指摘いただけると幸いです。


 書いてて思ったことは、「あれ、急にスポ根になってない!?」って思いましたが、後には引けず続いていますが、恋愛です!!

 もう少しお付き合いいただけると嬉しいです。

 あと一話でこの二人の試合が終わり、プラス四話の計五話でこの日は終わる予定です。


 多数問題があるでしょうが、少しずつ直していきますので皆さん応援よろしくお願いします!!


 よろしければ、ブクマや評価とレビュー?というものをしていただけると励みになりますので、どうかよろしくお願いします。

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