幼馴染み姉妹と運動
「行ってきま~す」
そう言って僕はラケットかばんを持って出る。
久しぶりの感覚だった。
テニス鞄を持っていくのは中学三年の全中予選以来だ。
幼馴染み姉妹を迎えに行く。
二人は玄関前で楽しそうに話していた。
「おはよう」
「おはようございます!!」
「元気いいな、美優ちゃん」
「うん、お兄ちゃんをボコボコに出来ると思うと腕が鳴って」
何この子、怖い。
言い方が、喧嘩にしか聞こえない。
「いくよ、お兄ちゃん!!」
そう言って僕の手を引っ張る。
「走ると危ないよ~」
そう言ってコートに向かう前に受付に行く。
「おや、珍しいな……また上を目指す気になったか?」
受付を済ませていると、レッスン終わりのコーチに会う。
僕や紅羽、美優ちゃんを教えてくれていたコーチだ。
「いえ、今日は久しぶりに紅羽に誘われまして」
「そうか、残念だな……お前ならちゃんとしていれば上に行けるだろうに」
「僕はちゃんとしてたでしょ」
「馬鹿を言うな、自分の楽しさ優先で全中の時だって……」
「その話、やめませんか?」
「すまん、忘れてくれ」
しまった、流石に言い方が悪すぎた。
「言い方が悪くてすみません、コーチには感謝しています……だけど、僕はもう競技はいいんです」
「そうか」
そう言ってコートに向かう。
「大丈夫?」
「何が?」
「あの時の事思い出して嫌な気分にはなってないかなって」
「大丈夫、もう終わった事だし」
僕はそう言ってランニング靴に履き替える。
「それじゃあ、アップしようか」
「私、荷物番してるよ」
「美優ちゃんも行こうよ、久しぶりにやると怪我するよ」
それに、貴重品は各自ポーチで管理しているので盗難される心配はない。
「仕方ないか~、怪我したくないし」
そう言って幼馴染み姉妹と共に走る。
ランニングコースはコート外の外周だ。
そうして走っていく。
久しぶりのコースだ。
昔はクラブチームの練習コースでよく走っていたのだ。
五分ほど走ると、互いにストレッチをする。
手首足首、関節等入念に済ませる。
「お兄ちゃん、押して」
「私がやるわよ」
「私はお兄ちゃんにしてほしいんだけど」
「は~い、押しますね~」
「痛い、痛い!!」
「はい、ぎゅ~っと」
「折れる、折れるから!! ガラケーのようになっちゃう!!」
そんなことをしながらストレッチしていくと五分前になった。
各自整備を終え、出てくる。
そして僕らはそれと入れ替わりに入る。
そして、互いにラケットを持つ。
「久しぶりに持ったけど、これこんな重かったっけ」
「そりゃ、あんなぐ~たらしてたら筋肉も落ちるよ」
「やりたくなくなってきた」
「今さら何言ってんの、ほら打つよ……誠一が一人で大丈夫?」
「うん大丈夫だよ」
そう言って僕らは互いのコートに向かった。
今回の作品はいかがでしたでしょうか?
おかしな点があればご指摘いただけると幸いです。
サブタイトルに悩み、結局こうなりました。
何かいいタイトルあれば教えてほしいです。
多数問題があるでしょうが、少しずつ直していきますので皆さん応援よろしくお願いします!!
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