幼馴染みの祝勝会
「おひとり様1パックか……美優も呼ぼうかしら」
そう言って彼女はスマホを手に取る。
「僕がいるんだから、いいだろう?」
「美優が居れば三人でお得じゃない?」
2か3の違いじゃないかと言いたかったが、舐めるんじゃないと言われそうなので黙る。
以前、それを言って僕は紅羽に怒られ、帰ってから母に怒られたのだ。
何かあればすぐ母さんに報告だから、幼馴染みとは怖いものだ。
「あ、美優? 今近所のスーパーいるんだけど、こっち来て」
紅羽は暫く黙る。
きっと彼女の文句を一通り聞いているのだろう。
僕だったら、当然面倒で行かないが。
「あ、美優の好きなウエハースがあるよ……うん、わかった……待ってるね」
……買収されたな。
彼女の好きなウェハースを糧に彼女はおひとり様1つの奴を買おうという魂胆だ。
「これで3つっと、他にお得な商品は……あ、これもおひとり様1パックだ」
主婦の鏡である……主婦じゃないけど。
だが、彼女がお嫁さんなら旦那さんは安心だろう。
しばらくして、美優ちゃんがジャージ姿でこちらに来ると僕の方を見て目を見開く。
「お姉ちゃん、お兄ちゃんと一緒だったの!?」
「うん、そうだよ」
「私、着替えに!!」
戻ろうとする美優ちゃんに紅羽はジャージの襟首をつかむ。
「そんな暇はありません、ほら行くよ」
「嫌だ、お兄ちゃんにこんなだらしない姿見せられない!!」
「ならいつもちゃんとしてない事を後悔するのね、ほらついてきなさい」
そう言うと、美優ちゃんはこっちを見てくる。
「ジャージ、似合ってるよ」
そう言うと、彼女は何かが刺さったかのよう胸を押さえ落ち込みながら紅羽についていく。
そうして紅羽の買い物が終わり帰路に着く。
美優ちゃんは先程の落ち込んだ雰囲気と異なり、大好きなアニメのウェハースを買って貰えたことが嬉しそうだった。
「美優ちゃん、良かったね」
「うん!!」
そう言って彼女の家の中に入る。
「お邪魔しま~す」
「お~、いらっしゃい」
青羽さんがこちらに向かってくる。
「あれ、お母さん今日は早いね」
「うん、さっき帰ってきたの」
「あちゃ~、お母さんも来てもらえばよかった」
「あら、買い物行ってきてくれたの?」
「うん、今夜は誠一が本選進出のお祝いに鍋を奢ってくれた」
「あらあら、私もご相伴に預かってもいいかしら?」
「もちろんです、皆で食べましょう」
「なら紅羽、さっさと美優と風呂に入ってきなさい」
「「は~い」」
「それじゃあ、僕も着替えに一度帰ります」
2人がそう言って浴室に向かうと、僕は彼女の家を出て着替えに向かった。
今回の作品はいかがでしたでしょうか?
おかしな点があればご指摘いただけると幸いです。
今回は最後の方、苦戦しました。
もっとこうしたらいいとか、参考に感想を書いていただけると随時検討させていただきますのでどぉんどんお待ちしてます!!
多数問題があるでしょうが、少しずつ直していきますので皆さん応援よろしくお願いします!!
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