幼馴染みの悩み
紅羽と共に、公園の中に入っていく。
まっすぐ進むと、湖が見えてきた。
ここの公園の真ん中には小さな湖がある。
入口に入りまっすぐ進んでいくと、ベンチがある。
そこは、僕や紅羽が落ち込んだ時によく行く場所だ。
「何かあったのか?」
互いにベンチに座ると、紅羽に問いかける。
「う~んと、そういうわけじゃなくてね」
彼女がここに来る理由は大抵悩みごとのある日だ。
「最近何だか、昔みたいに楽しくないの」
紅羽はゆっくりと悩み事を話してくれた。
それは、部活の練習が辛いという事だろうか?
「中学はあんなに楽しかった部活が、高校に入ってからどうしてか楽しくないの……人間関係が悪いとかではないんだけど、う~ん」
なんていうか、彼女自身も表現しにくい事なのだろう。
「辛いのか?」
「ううん、皆とっても優しいし辛くはないんだけど」
楽しくないか……。
「楽しくないのなら、やめるのも手だと思う」
「でも……」
「だけど、覚えておいて……続けるのもやめるのも勇気がいるって事を」
僕の場合は高校と同時だったので辞めやすかったが、彼女は部活に入ってしまっている。
入らないという選択肢と入った部活をやめるのとではハードルが全く異なるのだ。
「誠一なら、どうする?」
「さぁ? その時になってみないとわからん」
実際、僕なら辞めている。
楽しくないものを続けても、苦痛でしかないから。
「私、真剣に相談してるんだけど?」
「それは紅羽の決める事だよ、僕は僕の意見であって君の意見じゃない……これは、紅羽自身が答えを決めなければいけない事だよ」
これは彼女の分岐点、やめるも続けるも僕は彼女の意見を尊重する。
「紅羽は、どうしたい?」
「……わかんない……」
「なら続けてみて、答えを探せばいいさ」
それもまた一つの答え、悩んで保留にするのだ。
その中で答えを得られるかもしれないし、決して無駄な時間ではないはずだ。
「そうだね、もう少し頑張ってみるよ」
「おう、応援してるぞ」
「ねぇ誠一」
「うん?」
「今度、私とテニスしない?」
久しぶりにやるのもありな気がする。
「……そうだな、久しぶりにやるか」
「空いてる日は……来週の土曜日の昼、大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ」
「それじゃあ、明日連絡入れておくよ」
「うん、よろしく」
そう言うと、彼女は立ち上がると、僕に手を差し伸べて笑顔を向けてくる。
「さ、帰ろう?」
それはいつも通りの彼女だった。
やっぱり彼女は笑顔が似合う。
夜空に照らされた彼女はとてもかわいかった。
「誠一?」
僕が彼女に見惚れていると、心配そうに彼女は顔を近づけてくる。
「あ、あぁうん」
そう言って僕は立ち上がる。
彼女は僕の顔を見てニヤニヤしている。
「なんだよ」
「いや~、私に見惚れたのかな~って思ってさ」
そういうと、彼女はニコッと微笑んでくる。
なんだかとても嬉しそうだった。
僕は彼女を無視して歩き出す。
「ちょっ、む~」
後ろの方で不服そうに唸っている紅羽をみる。
「帰るぞ」
「あ、待ってよ~」
そう言って僕らは癒えに向かって歩き出した。
今回の作品はいかがでしたでしょうか?
おかしな点があればご指摘いただけると幸いです。
サブタイトルに悩み、結局こうなりました。
何かいいタイトルあれば教えてほしいです。
多数問題があるでしょうが、少しずつ直していきますので皆さん応援よろしくお願いします!!
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