幼馴染みは
「全く、無理するんだから……誠一?」
紅羽は力が抜けていく誠一を必死に支えようとするが、彼女の力では彼の体重を支えきれない。
「う~ん!!」
「大丈夫か? 全く、これじゃあ体育祭メインの意味ねぇじゃねえか」
海斗はそう言って紅羽と反対側の肩を持ち上げると、紅羽と共に保健室へ向かう。
告白、ここで優勝して公開告白すれば、ずっと一緒に居れるというものだ。
「ううん、これでいいんだよ」
「言い訳あるか、他の奴らの屍を乗り越えたんだ……見ただろ、二着の奴」
「屍って」
分からなくもないが、言い方と思ったが彼にそれを解いても無駄なのはわかっている。
二着の野球部の男子は悔しそうにしてたな。
「ま、あいつの狙いはお前じゃなくマネージャーみたいだけど、彼女三年だしいたたまれないな」
「それも勝負の世界だから仕方でしょ」
「違いねぇ、それよりさお前どうして最終走出たんだよ」
「ん? 内緒」
「それにしちゃ質悪いぜ?」
彼女は公開告白をせず、「保留」で済ませた事だ。
大方、誠一が順当に出場できたから告白してもらえそうだったから保留にしただけだろうと海斗は踏んでいた。
「別に告白しなきゃいけないってルールなわけじゃないんだから」
「そりゃそうだけどさ」
「勝ちは勝ち、相手の事を思ってたら競技なんてできないよ」
「まぁ、そうなんだけどさ」
実際、海斗も納得できる部分はある。
全員の願いはかなえられない、だけど。
「お前ってそういう価値観の癖に、告白《他の所》は全然だな」
運動神経、勉強、容姿共にトップクラスの物を持っているのに、残念な美少女である。
そう言うと、紅羽はこちらをキッと睨む。
「何か言った?」
「別に」
お~、怖い怖い。
海斗はそう思いながら誠一を保健室に送り、ベッドで寝かせる。
「俺は戻るけど、お前はどうする?」
「私はもう少し見てるよ」
そう言うと、海斗は保健室から出ていく。
紅羽は誠一の寝顔をじっと見つめる。
「これは、少しお得かな」
紅羽はボソッとそう呟く。
そうして誠一が目覚めるまで紅羽は隣にいるだった。
◇◆◇◆
「ん……」
目を開けると、紅羽がこちらを覗き込んでいた。
「やっと起きた」
目が覚めると同時に頭痛が酷くなり、ボーっとする。
この感じは脱水気味だろう。
「大丈夫?」
「すまない、水分を持ってきてくれないか? 多分脱水気味」
「わかった、ちょっと待ってて」
そう言ってダッシュで紅羽は保健室を出ていく。
「これでいい?」
「ありがとう」
乾いた喉にスポドリを流し込む。
体中に水分が染み渡るのを感じた。
今回のお話はいかがでしたでしょうか?
続けば続くほど、どう表現したらいいか迷ってしまいます。
今回気持ちの表現が難しく、後日書き直す所存なのでお許しを~!!
これからも応援していただけるように頑張っていきますのでどうかよろしくお願いします。
今回も表現について何かあれば指摘してください。
まだまだ勉強中なので、どんどん意見を取り入れてより良い作品にしていきたいのでどんどん意見をお待ちしてます!!
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け、決して5にしてほしいとかは言いませんが、出来れば5がいいななんて……。
まぁ、純粋に評価をしていただけると僕は嬉しいです。
それではまた次回、よろしくお願いします。




