好きの理由
「なんで僕なんだ?」
自分で言うのもなんだけど、何かに突出するわけでもなくパッとしない僕を彼女が好きになる理由がわからなかった。
「いや、理由なんている? って言いたいんだろうけど、不思議でさ」
彼女は恐らくこう言いそうなので、一応念を押しておく。
振られたのには理由がなくとも、人を好きになる理由はあるはずだ。
好きになるきっかけ、容姿・一目惚れ・性格・お金・地位・運動・勉強と様々だ。
容姿はそれほど良くもないと思いたいし、性格は分からん。
だってそうだろう?
他人の性格など、その人にとっての捉え方次第だからな。
一目惚れは振られてるので無い。
お金は高校生なので無い。
地位・勉強・運動共に彼女の方が圧倒的上だった。
だから、僕に惚れる理由が皆目見当もつかなかった。
僕がそう言うと、彼女はじっとりとした目で頬を膨らましてみてきた。
「……本当にわからない?」
わからない、唯一あるとすれば男達に乱暴されてかけているときにドロップキックを喰らわせたくらいだ。
あれも、正直それだけで海斗の睨みで退散したくらいだった。
それが原因ならば、海斗を好きになるだろう。
「うん、心当たりがない」
「ふ~ん」
そう言って彼女は僕の方から離れる。
表情が少し落ち込んでいるように思えた。
「やっぱりいい、忘れてくれ」
この質問はやめにしよう。
彼女を悲しませるくらいなら、こんな質問をするべきじゃない。
「ま、まぁなんだ……君の言う通り、人を好きになるのに理由がないってのは同感できるよ」
正直、僕も彼女の事が好きだったのは何故かと聞かれれば、答える事は出来ない。
可愛いとか、性格が好きだとか胸が大きいとか理由をつける事は可能だが、それだけじゃない。
まぁ、もうそれは昔の話のはずなのだが……。
「それって……」
これ以上会話をすると、彼女に変な期待を持たせてしまう。
それにそろそろ時間だ。
「時間はいいのか?」
僕がそう言うと、彼女はストップウォッチを見る。
終了の時間だった。
「それでは、一周回り自己紹介がおわったのでカラオケを楽しもう~!!」
そう言ってそれぞれ順番に歌っていく。
そうして時間が流れると、終了の時間になる。
「それじゃあ、これで解散!!」
そう言って駅で皆と解散する。
紅羽と海斗、椎名さんは同じ電車なので途中まで四人一緒に帰ることになった。
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