表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/64

八話 勇者って?

ありがとうございます。


御感想を頂けたら、嬉しいです。



『マジか』



思わず、彼女の背中をうかがう。


……天使の羽は、無いよね。


太陽のミニアチュアの様な『転送ゲート』を背後に、

浮かんで居る彼女は何故かぎゅっと両面を閉じていた。


しばらくして彼女は、んっ? と言う表情に成り、右目だけ恐る恐る開ける。


開けた瞳は、とても()んだ綺麗(きれい)碧眼(へきがん)だ。


『…… 此処(ここ)は?』


宇宙空間なのに、鈴の音の様な声音でつぶやく。

碧眼(へきがん)の右目だけ開け、周囲を伺う。

ふと、自分を(うかが)う猛に気が付く。


『まあ♪ 何と言う『魔力(まりょく)』の強さの勇者様!

しかも聖句召喚陣(せいくしょうかんじん)を、たやすく押さえ込まれるなんて!

更に、逆に私を逆召喚(ぎゃくしょうかん)されるなんて♪

こんなの、初めてですは♪』


金髪碧眼色白豊満美女きんぱつへきがんいろじろほうまんびじょは、碧眼(へきがん)の両目をパッチリ開けた歓喜(かんき)の表情で、

鈴の音の声で歓喜(かんき)の声を上げ、歓喜(かんき)に身体を(ふる)わせる(たゆん♪)

震わせると、豊満な身体は~(たゆん♪)


(……あノ、マスター。彼女の言語は地球上の物では無い様ですが、

先ずは(仮)ユグドラシル・ネットワークから彼女のシルバー・コードを経由して、精神リンクします。

そうして彼女とは、テレパシー翻訳してまス)


(はい?! ……あ、そ、そうね。相手の情報を収集し無いとね)


『豊かな揺らぎ』に、思わず目を奪われた事は……げっふん、げふん。

ので、うっかり『魔力(まりょく)』と言うワードは、聞き逃した。


『えーと……貴女は、どなたですか?』


ころころと鈴の音で矢継(やつ)(ばや)に並ぶ語彙(ごい)に理解が追い付かないが、

彼女の基本情報(きほんじょうほう)を求めて質問して見る。


彼女はハッと気が付き、(あわ)てて猛を貴人(きじん)と観たてた様な礼法を取り、頭を下げる。


『失礼致しました、勇者(ゆうしゃ)様。(わたくし)はヤーディン大国の国教ヴォーク神教、

タイ・クォーン公都教会(こうときょうかい)の、

神官長(しんかんちょう)セルガと申しますは』


『やーでぃんたいこく?ゆうしゃ様? しんかん長? ……

えー、セルガさん? 初めまして。『(さむらい)』の、円鐘 猛(えんしょう たけし)と申します』


やーでぃん大国?ってどこさ? ゆうしゃ様って?

何か不思議な呼び方を受けたぞ。


『『サムライ』? エーンショー タケチ......様?』

セルガさんは、よそ行き笑顔で、オウム返しに答える。

でも、なかなかレベルの高い金髪碧眼色白豊満美女きんぱつへきがんいろじろほうまんびじょだね。


(たけし)で、良いですよ』


『はい。勇者(ゆうしゃ)タケル様』


(タケシ)ですよ」(苦笑)


だから、ゆうしゃ様って何さ?!


(……半実態化(はんじったいか)してますガ、

セルガさン御本人(ごほんにん)肉体(にくたい)ハ、

多分霊子線(シルバーコード)を通して『異世界』に居られますネ)

『侍』スーツ戦術AIの隼が、脳内会話で報告して来る。


(いせかい?)


(残存データヲ、さかのぼり読みますト……召喚陣(しょうかんじん)とやらデ、強力な『魔力』=『オーラ』を(まわ)シ?……回ったオーラヲ、転移(てんい)ゲートとみなしテ……(仮称)ユグドラシル・ネットに強制介(きょうせいかいにゅう)入シ、異世界の此の世界に次元転移召喚じげんてんいしょうかんゲートとしテ、飛ばして来てますネ)


(異世界? この、地球上では無いんだな……繋がってる先は、(仮称)ユグドラシルの枝葉の一つ、つまり『パラレル・ワールド』の一つて事かい?)


(……そんなモンでス)


(にごしたな)


『ふむ。ではセルガさん? どんな御用件(ごようけん)でしょう?』


『はい♪ 勇者タケシー様への御願いは、魔族(まぞく)(なら)びに魔王討伐(まおうとうばつ)ですは♪』


『タケシ......(もういいや)まおう? とうばつ?』


武良は自分の耳を再度疑い、思わず自分の耳をさわる。


『はい! もう『かつてない強さ』の、タケーシ勇者様におすがりしないと、私の世は滅ぼされてしまいます』


と、彼女は両手を伸ばし、グンと近付いてくる。

ちかいちかいちかい!

武良は、サスガに引く。

彼女は『逃がさん』とばかりに、両手で俺を抱きしめる。

セルガさん! 豊満なお胸が『当ててんのよ』状態です!

……至福……いや!

俺は、彼女を振り払おうと、身体をひねる。


スコ


ひねった勢いで半霊体の彼女の右手は、バスター・ミサイルに触れて……


カチ


(ゲ!)

『ヤバい!』



隼と猛の、(あせ)る声が(かさ)なる。


なぜか光子エネルギーが発生し、ミサイル信管の起爆装置(きばくそうち)が『起動』するのを、肌で感じたからだ。


キカッ


ドッ、グァアアアアアアァァァン!


ミサイルは凄まじい旋光(せんこう)と共に爆発する。


が旋光は、何かに『吸い込まれた様』に、急激(きゅうげき)に収束してしまう。


旋光が収まると、猛も、セルガと言う異世界美女も、太陽ミニアチュアの様な転移ゲートすらも、影も形も消えていた。


後には眼下の青い地球を、(なが)められるだけだった。






ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ