お望み通り悪役令嬢になりましょう
短編小説でサクッとお読みいただけます。
おなじみのテンプレざまぁです。
誤字報告ありがとうございます!
たくさんの方に見ていただけ嬉しいです。
[11/9記]後半を中心に少々加筆しています。
その他は現在執筆中の【連載版】で書いていきたいと思います。
「ユリアナ・フリューゲル!これまでのリリスに対する悪行は聞くに堪えないものであったが、その中でもリリス誘拐を主導した罪は許されるものではない。罪人であるお前は未来の王太子妃には相応しくない!婚約は破棄させてもらおう」
学園の卒業パーティの壇上から美しい顔を歪めヘンリー王子がユリアナを指差し告げた。その傍らにはリリス・サキュレント男爵令嬢が大きな瞳に涙をいっぱいに溜めながらヘンリー王子の腕に絡みついていた。
「ヘンリーさまぁ、わたしとっても怖かったんですぅ!」
「リリス、もう大丈夫だよ。もう君をこんな目に合わせることはないと誓おう。物わかりのいいフリをして私たちを騙すなど許せない」
壇上でヘンリー王子とリリス様は手を握りながらうっとりとお互いを見つめている。
「ヘンリー様、わたくしはそんなことはしておりません!何かの間違いでございます。それにリリス様の誘拐など身に覚えがありません。リリス様のこともご側………」
バチン!!頬に鋭い痛みと衝撃が走り大理石の床に尻もちをついてしまった。
「すべてはもう明らかにされている。見苦しいぞ!公爵令嬢でありながら情けない!」
声の主を見上げると、私のいとこでありヘンリー王子の側近のマシュー・フランプトン公爵令息だった。
「マシュー!わたくしがそんなことする訳がないと知っているでしょう」
「そんなこと知るものか。衛兵よ、殿下たちの前からこの悪女を遠ざけよ!」
衛兵が私の腕を乱暴に引っ張り無理矢理立たせた。
壇上に目を向けるとヘンリー王子とリリス様がニヤニヤとしている顔が見えた。
「どういうこと?」
私はそのまま王城の地下牢へと連れて行かれた。
この地下牢は貴族や王族などが罪を犯した場合に入れられる牢だった。そのため牢とは言うものの、中にはソファーやベッドなど豪華ではないものの平民以上のものが準備されていた。
どうしてこんなことに……私が正妃として公務をこなしヘンリー王子を支え、リリス様がご側室として御心を支えるという話でお互いに納得していたはずだったのに。
運の悪いことに両陛下も両親も外遊に出ており不在だ。あと、1週間は戻らないだろう。1週間後には誤解もとけるはず………。
周りの学友でもヘンリー王子たちの行動に注意をしたり、私自身に忠告してくれる優しい人もいた。こんなことになるならばヘンリー王子たちを信じずに彼らの言うことを聞くべきだった。ヘンリー王子に意見できるほどの地位を持つ友人は見限ったこの国を去ってもういない。
0時を過ぎた頃、ヘンリー王子とリリス様が牢を訪れ笑いながら格子の中に何枚かの紙を投げ入れて行った。
「お前の重ねた罪の一覧だよ。よく読むといい」
「ヘンリー様!お待ち下さい!王子という立場でこのような横暴な……」
「うるさい。お前は会えばいつもガミガミと!」
ヘンリー王子が苦虫を噛み潰したような顔で言った。
「まあまあ、ヘンリー様。ユリアナ様、元王太子妃候補の最後のお仕事お願いしますね!悪役令嬢お疲れ様でしたぁ」
それに比べニッコリと微笑むリリス様が不気味だった。
その2日後、私は処刑されたのだった。
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ん……眩しい…ここは天国かしら?
「お嬢様おはようございます!今日は天気がとてもいいですよ」
幼い頃から過ごした懐かしい部屋とカーテンを開けるおさげ姿の侍女の姿が目に入る。
「おはよう。ミリー!?やっぱりここは天国なのね」
私はミリーにギュッと抱きついた。ミリーは私の5つ歳上の侍女だが、私が学園に入学する前に馬車同士の事故に巻き込まれ亡くなってしまったのだ。ミリーは幼い頃から侍女として世話をしてくれていたので涙が枯れるほど泣いた。
「お嬢様、怖い夢でも見たんですか?フフフ。さあさあ、お着替えと御髪のお手入れをしましょうね」
ミリーはニコニコと笑っている。促されるまま着替えてドレッサーの前に腰掛けると
あれ?髪が短い!!
私の髪は腰のあたりまで伸びていたはずなのに、鏡に映った髪は背中の半分ほどしかない。顔もいくらか幼い気がする。
「ミリー。私は何歳だったかしら?」
「お嬢様ったら今日はいったいどうしたんですか?先日16歳のお誕生日を迎えられたばかりですよ。もうすぐ学園に入学ですね」
!?
やっぱり!ここは天国などではなく、私はタイムリープをしたのだ。あの悪夢のような卒業パーティからどうやら入学前に戻ったらしい。
「ミリーありがとう。ちょっと夢と混乱してしまったようだわ。今日は朝食を摂ったら部屋でゆっくり読書をしようと思うの」
「承知しました。そのように準備しておきますね」
ダイニングへ向かうとテーブルには両親が座っていた。お父様もお母様も最後に会えなかったからなんだか懐かしい。
「ユリアナ、お父様とお母様は今日は王城に行ってくるからね。ユリアナは今日は何をして過ごすんだい?学園に入学するにあたって準備は大丈夫かい?」
「今日は読書をしようと思っていました。学園の準備物も確認しておきますわ」
何か大事なことを忘れている気がするけれど……
両親を見送って自室に戻って、これから起こることを書き出してみた。
ヘンリー王子との婚約、学園入学、リリス男爵令嬢とヘンリー王子の出会い、卒業パーティーでの冤罪、そして私の処刑。ここまで書いたとき、あまりの怒りに万年筆の先がグニャリと曲がってしまった。
――――――――
家の為に好きでもないヘンリー王子の婚約者となり、眠る時間を削り厳しい王太子妃教育にも耐えた。その間にヘンリー王子は他の女にうつつを抜かし私を蔑ろにしていた。
「可愛げのないユリアナより、リリスのような笑顔の絶えない女性とともに生きたい」
と、他の女を娶りたいと言うヘンリー王子の願いに根負けした陛下はリリス様を側室として認めるように私に強要したのだ。
「ヘンリーの心を繋ぎ止められなかったお前が悪い」
そう陛下に言われれば私には頷く他なかった。
身分は高位貴族の養女にでもなればどうにでもなるが、リリス様の学園での成績を知っているからこそ陛下も正妃にとは言わなかったのだろう。
――――――――
思い出すだけでも腹が立って仕方がない。
私は愛されないとわかっていた結婚でも〈家の為に耐えなければならない。私はこの国の妻となるのだ〉と、覚悟を決めていたのに!
そんな私の覚悟をヘンリー王子とリリス様は踏みにじったのだ。
………あの人たちに復讐してやりたい。
思い出した。学園入学前に王城に両親がそろって行ったのは、ヘンリー王子との婚約の打診があったためだった。
復讐するためにも婚約はした方がいいだろう。
そういえば地下牢で面白いものを渡されたではないか。
〈ユリアナ嬢の罪の一覧〉という題名だっただろうか?地下牢ではすることがなかったので、くだらないと思いながらも何度も何度も読んだから内容は頭に入っている。全てが冤罪だったから憤慨した。
どうせ断罪されるのならば、冤罪ではなく本当にすべてやってしまおうか……。いや、でもそれは家族にも迷惑がかかってしまう。
トントントン
「お嬢様よろしいですか?」
私は慌てて書いている紙を引き出しにしまった。
「ええ、どうぞ入ってミリー」
「お嬢様、これから街に買い物に出かけますのでわたくしは不在となります。何かあれば他の者に…」
もしかして………
「ミリー!午前は家に居て!午後から私の学園の準備の買い物に付き合ってくれる?」
「それでは、他の者に……」
「ダメよ!行くなら昼食後にしなさい」
「……わかりました」
ミリーは不思議そうな表情をしていた。
昼食が済んだ頃に両親が王城から帰ってきた。
「お父様、お母様、おかえりなさいませ」
エントランスまで両親を迎えに出た。
「ただいまユリアナ。いや、大変だったよ!街なかで馬車同士の衝突事故があったみたいだよ。おかげで遠回りして帰ってくるはめになって昼食に間に合わなくてすまないね」
「いえ、事故に巻き込まれなくてよかったです」
「そうだね。ところでユリアナ、私たちの昼食が済んだら話があるので書斎に来るように」
「わかりました。自室で昼食が終わるまで読書をしておりますね」
――――――
「お嬢様、馬車同士の事故なんて怖いですね。午前中に買い物に行っていたら巻き込まれていたかもなんて思うとゾッとします」
ミリーが大げさに震えてみせた。
「ええ、そうね。万が一のことがなくてよかったわ。そうそう、約束しておいて申し訳ないのだけれどお父様に呼ばれたので買い物には一緒に行けなくなってしまったわ。ごめんなさいね」
私は申し訳無さそうな顔を意識して眉尻を下げた。
「いえ、大丈夫です。ではこれから買い物に行ってまいります」
「ええ、気をつけて行ってきてね。ついでに万年筆を1本買ってきてくれる?壊れてしまったの。デザインは貴方のセンスでお願いするわ」
私は笑顔でミリーを送り出した。
やはり、今日の馬車同士の衝突事故はミリーが巻き込まれていたはずの事故だ。ミリーは滅多に買い物など出ないからもしやと思ったけど。
このタイミングでのタイムリープで本当によかった。明日だったらミリーはいなかった。
回避することもできるのね……
学園入学前までに色々と計画を立ててみましょう。私はニヤリと笑った。
――――――――
それから前回と同じようにヘンリー王子の婚約者となった。王太子妃教育は以前に一度こなして習得しているので、半分ほどの時間で済み、なおかつ教育係からの評価も良好だった。
ヘンリー王子に構う時間がなかったわけではないけれど、リリス様と恋仲になるようにあえてヘンリー王子には自分から近づかなかった。その代わり、他国から留学していた王族たちと交流を深めた。
そうしているうちに、前回と同じくヘンリー王子とリリス様が一緒にいる姿をよく見るようになった。友達では誤魔化せないぐらいにベタベタとくっついている。
ヘンリー王子が不在の時にはリリス様とマシューの2人でいることもあり、リリス様はマシューにも気があるような素振りを見せておりマシューも満更でもない顔だ。
ヘンリー王子たちからのプレゼントだろうか?リリス様は男爵令嬢ごときでは買えそうにない装飾品を身につけるようになっていった。
そして、学園では物がよく無くなった。リリス様の物ではなく私の物ですが。まあ、自作自演ですけど。
もちろん運動着を刻んでみたりもした。まぁ、私の物ですけど。
教科書にラクガキもした(協力:ミリー)もちろん私のもの。
ずぶぬれになりそのまま廊下を歩いてみたりした。
わざとリリス様の側に行き、突き落とされたかのように近くの噴水にダイブもした。
もちろんおしゃべりな令嬢の前での演技も忘れない。
「誰か私のことを恨んでいる人がいるのでしょうか。……リリス様ですか?!滅相もありません。ヘンリー殿下のご寵愛も深く……あっ、このことは内密に」
なんてね!噂は尾ひれがついて広がっていく。
取り澄ました姿だけじゃ好感は得られないから、ちょっと弱い姿も見せるのがまたポイントよね!
学園中から白い目で見られているヘンリー王子とリリス様。いい気味だこと。心の中でニヤニヤが止まらない。王太子妃教育を受けてなかったら吹き出して笑ってるところだわ。
あの人たちが考えた〈ユリアナ嬢の罪の一覧〉を参考にして、する側ではなく、される側に先回りしてみたらうまく行った。
これはこれでお望みの悪役令嬢でしょう?
仕上げにと自作自演の誘拐計画を立てていたところで本当に攫われてしまった。
お粗末なことに私を手紙で呼び出したのはヘンリー王子で、待ち合わせ場所に行ったところ後ろから何者かに薬を嗅がされ眠らされた。
目が覚めると2人の逢瀬にでも使われていたのか見知らぬ一軒家にいた。
周りを見るとヘンリー王子とリリス様、マシュー様がいた。マシュー様が協力したのだろう。今のヘンリー王子の評判では誰も手を貸そうとは思わないはず。
「ユリアナ!お前何かしただろう?王子であるこの僕が学園中から変な目で見られているではないか!」
「ユリアナ様!私は何もしていないのにみんな私がやったんじゃないかと言ってくるわ!ユリアナ様から否定してください!」
「お2人が困っているのにお前は助けることもしないのか!」
ヘンリー王子とリリス様、マシューに次々と責められる。
騒ぐ3人を見て吹き出しそうなのを堪える。
「3人ともなんのことでしょう?それより私をこんなところに連れてきてどういうおつもりですか?」
怯えたような表情で大げさに震えてみせる。
バタン!!
「ユリアナ嬢!無事か?」
後ろのドアが急に開くと、大国アルイーゼより留学しているアレクシス王子とその護衛が数名現われた。
「アレクシス様!」
「ユリアナ嬢!助けに来たぞ!まさか、こんなことになるとはな!ヘンリー王子、陛下の前でゆっくり話を聞かせてもらおうか」
ヘンリー王子たちは真っ青になっていた。
――――――――
王城に戻るとヘンリー王子は前回と同じようにリリス様とのことを国王陛下に願い出た。
「可愛げのないユリアナより、リリスのような笑顔の絶えない女性とともに生きたいのです。さきほどのは誘拐などではなく、この話を3人だけでしようと思っただけなのです」
と、他の女を娶りたいと言うヘンリー王子の願いに対して国王陛下は大きなため息をついた。
王城までの帰路の馬車で3人で相談でもしたのだろうリリス様とマシュー様がその通りだと言わんばかりに頷いている。
「お前は何を見ているのだ?ユリアナは次期王太子妃として他国の王族と交流を深め我が国に利のある貿易交渉をしてきたぞ?愛嬌だけでは国をまとめていくことは出来ないのだ」
「国王陛下、いいのです。私が不甲斐ないばかりにこんなことに。リリス様のように無邪気な愛らしさは私にはございませんもの。婚約者も辞退させていただけないでしょうか」
私は涙を目に溜めて歯を食いしばる演技をした。
そんな私の演技に国王陛下も王妃も同情するような目を向けた。
「待て!ユリアナ!そなた以外に王太子妃として相応しい令嬢はこの国にはいないのだ。ヘンリー!王子としての責務を全うせずに何が女の話だ!」
「ヘンリー、母もそのようなことを言うお前に失望しましたよ。リリスと言ったか、お前について調べはついております。男爵令嬢ごときが、聡明で美しい婚約者のいる王子に手を出すなど何事か!この度の騒動もお前が唆したのではないか!?」
「くっ………!」
ヘンリー王子の顔が歪む。隣にいるリリス様の顔も同様だ。
「発言してよろしいですか?」
アレクシス様が陛下に願い出た。
「これはこれはアレクシス王子。なんともお恥ずかしいところを見せてしまいましたな。何でしょう?」
「ヘンリー王子がその男爵令嬢を寵愛しているのは周知の事実。他にも学園では次期王太子妃候補であるユリアナ嬢への嫌がらせが多発しており、私も相談に乗っておりました。うちの護衛に見張らせたところピタリと止みましたが誰の仕業かは明白です。今回の騒動も3人が共謀したのを確認しておりますよ。この国ではそういった王子に相応しくない者に皇位を継がせるのですか?そうなると私が帰国した折には我が国も付き合いを考える必要があることを我が陛下にも進言せねばなりません」
国王陛下と王妃の顔色が悪くなった。
アレクシス様は大国アルイーゼの王子で正義感の強いお方だ。それが分かっていたからこそアレクシス様に嫌がらせ(自作自演だけど)の相談をしたらすんなり信じてくれた。
未来を知っているからこそ他国の王族と渡り合えることができ、味方にすることが出来たのだ。
大国との繋がりを考えると……陛下、どう判断しますか?
神妙な顔の裏で心の中では笑いが止まらない。アレクシス様はなんていい仕事をしてくれたのだろう。
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その後の調べでヘンリー王子たちは「婚約者支度費」と呼ばれる婚約者の支度をするための費用をリリス様へのプレゼントや交際費に使っていたことが分かり、国庫からの横領罪も追加された。
たしかに私は一切何ももらっていないし、男爵令嬢であるリリス様が不相応の装飾品を持っていたのも納得できる。
あれからヘンリー王子は王位継承権の剥奪と「婚約者支度費」の弁済のため個人資産の没収、そして私との婚約も解消となった。王太子には第2王子が就き、美しい顔のヘンリー王子は女帝の統べる国の第3夫にと請われ喜んで婿に行ったらしい。しかし道中何者かに襲われ美しい顔には大きな刀傷がついてしまい、美男を集めている後宮では女帝に見向きもされないという。ヘンリー王子は美しさを競う後宮で知り合いもおらず他の夫や側室たちに虐げられる生活を送っているらしい。
一方リリス様は厳しい環境と規律で有名な北の修道院へ送られた。北の修道院は周囲を深い森に囲まれ、案内なしでは森を抜けることは叶わない。そのため修道院を脱走した者が近くの街に辿り着くことは絶対にないという。リリス様はそこで一生祈りを捧げ過ごすのだろう。
フランプトン公爵家では横領罪と誘拐罪で王家と私の実家であるフリューゲル公爵家に多大な賠償金を払ったそうだ。マシューは当然廃嫡となりフランプトン公爵領から放逐された。愛するリリス様の元へ行こうと北の修道院を目指し、近くの森の前で目撃されたのを最後に消息を絶ったという。
私はというと大国アルイーゼにいた。
「愛しの婚約者殿。憂いを帯びた表情も美しいな」
後ろから声の主に抱きしめられた。
なんと私はアレクシス様の婚約者となったのだ。
今回のタイムリープはなんとアレクシス様の仕業だった。大国アルイーゼの王族は一生に一度だけ対象をタイムリープさせることができる魔法を使えるらしい。
アレクシス様自身もタイムリープするらしいが、アレクシス様が決める対象が目的を達成するまでその記憶は封じられるという制約があるそうだ。
「以前も僕は君に一目惚れしたんだよ。力になりたかったけど君は聞き入れなかった。失恋の傷を癒やすために早めの帰国をしたあとに君は冤罪で処刑されてしまった。だから次は絶対に死なせたくなかった。それに君なら同じ事を2回は繰り返さないだろうし、ヘンリー王子に対抗できる地位にいる僕に相談すると思ったから、その時点で記憶が戻るように制約をつけたんだよ」
目を細くして笑うアレクシス様だった。
ミリーもアレクシス様の護衛に見初められこの国に一緒に来て、これからも侍女をしてくれているので寂しくない。
私はアレクシス様に助けられたのだけど、彼の手の平で踊らされていた気がしてならない。まあ、アレクシス様と一緒なら幸せになれそうだしいいっか!悪役令嬢になってよかったと今なら心から思える。
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