誰かがボクを呼んでいる
タマちゃんと、何故か? 親しくなり始めた頃、
「奥さんは、妻戸さんのこと、何て? 呼ぶの? 」タマちゃんが聞いてきた。
「ふぅ~ん、、、 」ボクがコトバを濁していると、
「私は、プライベートのとき、これからユウって呼ぶワ」(ハタチも年上のおっさんつかまえて名前呼び捨てかよ~ )
「えっ! 不倫ごっこ? 」
「彼氏も名前を呼び捨てだから、、、 」タマちゃんは訳のわからんことを言いながら、練習するように「ねぇ、いいでしょう、ユウ」と笑った。
「奥さんが羨ましいワ、ユウ」タマちゃんはなおも言う。
「ボクは彼氏が羨ましいよ」ボクらは笑った。笑いは急接近のツールやね。
「疲れるんよ、あかん、もうあかんワ」タマちゃんが彼氏を振ってきた。
「なんやユウといるときみたいに素直になれんワ」。
「なんやろね」、「なんやろね」ボクはオウム返しをする。
女はそんな簡単に割り切れるイキモノなんやね。まるで偶数を2で割っていくみたいに。女って魔物やね。振り返らないネ。男はいつまでも引きずる・・・ 割り切れない。1÷3みたいに、それこそ永遠に。
いつまでも、引きずって、引きずって。
―― 振り返る。
誰かがボクを呼んでいる。ボクは・・・ また、ホラ、ホラ、、、 振り返った。
誰? 妻? タマちゃん?




