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生あるモノへ  作者: 雄すけ
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キツネネコ

 金星の探査機って「あかつき」だったっけ。5年間、行方不明だった。宇宙からこぼれ墜ち、どこかさまよっていたのだ、まるで人の心みたい。「あかつき」は時間の軸からちょっとずれただけ、でも宇宙では致命的、前へ進めない。逆行していく。一年一秒の速さで戻っていく。十七秒戻った「あかつき」。カッコウ カッコウ カッコウ カッコウ カッコウ と過去までないてーー (静かな湖畔♪か)

でも、今は、戻って「あかつき」の奇跡の軌跡を起こしている。


 だから十七年も前、ボクとタマちゃんは何故か同時に西の空を振り返った。「宵の明星」が明るく、宇宙の大いなる意志みたいに厳かな輝きを放っていた。

「金星や」ボクが言った。その頃のタマちゃんはいつもなにか言いたげにボクを見ていた。

 

 タマちゃんは債権の仕入課、ボクは回収課にいた。タマちゃんは正義感溢れる性格、上司には(社長にまでも)、刃物を突き付けるように意見を言うし、後輩、特に男性の後輩には厳しかった。だから、仕入と回収でペアを組むのだが、皆嫌がった。そんなところへボクが来たのだ。キャリアがあってかなり年上の契約社員、はたして、はたして? ボクとタマちゃんはペアを組んだ。皆、興味深げに、、、 どうなることやら?? と。

 

 タマちゃんの仕事振りはいつも全力姿勢、働き者のノモケマナだ。(しんどいやろネ)。

ボクはイージーゴーイング、キリギリスのようにナマケモノだ。

 でも、タマちゃんは、いつの間にか、仕事終わりは「ユウのまえではになれるワ」と、タマちゃんの表情になる。ボクだけに見せる表情だ。キツネネコみたいだ。コン、コン、ニャォ、ニャォと泣く。(どんなんや)。

 そして、ボクから離れればー。キツネネコからヒトになる。くせ者タマちゃんになる。タマちゃんはいろんな面を見せる。玉、珠、たま、そしてタマちゃん、切り口は多様。百人のタマちゃんがいる。ボクはどんなタマちゃんでも好きだった。

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