71/112
万葉まほろば線
二上山、深緑
古のまんま
草刈り機、水田の側
ブーンブーンと鳴る
雲、流れていった
「こんなところから偉大な人物が生まれるんやろね」友は云った
農家の百日紅、風のなか
その紅、キネマの郭のよう
豪奢にざわついた
「偉大な人物? 例えば、昔、聖徳太子、今、」友は自分の名を続けた
僕、笑う 「ハッ、ハッ、ハッ」
友、笑う「ヒッ、ヒッ、ヒッ」
万葉まほろば線、ヒストリーを縫うよう
畝傍、耳成、天香久山をたずねいく
駅のプラットホーム、蜘蛛の巣
キラキラと輝いていく
農家の百日紅、なお、紅に染まっていく




