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生あるモノへ  作者: 雄すけ
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お義母さんへ「ごめんね・・・」

 お元気ですか。一生懸命、修業に励んでおられることと思います。こちらは、空から見守っていただいてるとおり、元気にやっております。

コロナ禍の前、お義母さんとは三十三間堂で会ったきり、随分のご無沙汰となっております。

今でも、あの時の出会いをハッキリと覚えております。


 三十三間堂の仏堂内は中央に中尊、その左右に並ぶ計1000体の観音立像、それはそれは有無を言わさぬ荘厳さで、「すごぉ~い」、「すごぉ~い」、「すごぉ~い」とあちこちで感嘆の声があがっていました。

 そんな中にお義母さんもいましたネ。妻は、「観音立像のなかに会いたい人がいるの」と、目を凝らしてさがしていました。「あっ、あれ、あれ、お母さん」、「お母さん、やっと会えたよ」、「お母さん、お母さん・・・・」妻は立て続けに歓喜の声で叫びました。そのあと私たちはしばらく放心状態でじっとその観音様を見つめていました。あなたはいつものように笑っていましたネ。

「せっかく会ったのだから、何か言ったら・・・」私は言いました。妻はいろいろありすぎて困るよというふうな顔をしながら、「ごめんね、それしか言えないヨ」と言いました。

「ごめんね」たった4文字なのにどれほど多くの意味を含んでいるのでしょうか。千もの観音立像があるように「ごめんね」にも千もの意味があるのでしょうか。心配かけて「ごめんね」、孝行できなくて「ごめんね」、わかってやれなくて「ごめんね」、見守ってくれて「ごめんね」、「ごめんね」、ありがとう、云々。ふと、そんなことを思いました。


 お義母さん、今年のお盆も帰ってくるのでしょう。いや、帰ってきてください。みんな待っています。コロナが終息し、三十三間堂でまた会える日を楽しみにしています。

                 

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