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生あるモノへ  作者: 雄すけ
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カタルシス

犬は匂いを「くんくん」とかぎわけて食べる。―「これはいい」、尾っぽを振って食べる。

「これはダメだ」知らん顔して行き過ぎる。犬の食の文化は匂いの文化だ。

人? 人も匂いのなかで生きている。特に香り(いい匂い)の中で、、、 。

香りの効用もある。カタルシス効果もある。《あぁ香り、居心地がいいのだ》。


「若返りの方法は魅力的な女性に近づき、匂いをかぐコト」テレビを見ていたらこんなこと言っていた。犬になれってことかよぉ~ 。ちがう、ちがう、野生になれ、ゴーワイルドだ。

電車の中なら痴漢と間違えられるし、つけまわしたらストーカー扱い、社内ならセクハラ110番間違いなし。ちょっと怪しそう。

難しい、「どうしたらええねん」。


 僕が若い頃、ひとりの女性が入社してきた。彼女はいい匂いがした。近付かなかったっていい匂いは、いい匂い。僕にとっては「絶対的な香り」っていうやつ、距離感なんて関係ない。彼女の匂いは僕の中で全てを凌駕する。恋の匂いは香りだ。1年程過ぎた頃、僕と彼女は親しくなっていた。

 ある日、社内エレベーターに乗った。僕ひとりなのにエレベーター内に彼女の香りがした。《きっと彼女が乗っていたんだ》。

僕はポジティブに昇っていく。止まる、ドアが開く。エレベーターの前に、「あっ! 」、彼女がいた。「あっ! 」彼女も。

「先程、エレベーターに乗っていた? 」

「ええ、乗っていましたけど」彼女は答えた。「やっぱり」、「君の匂いがしていた」僕は続けて言った。

「えっ! 」、彼女は半笑いだった。

「突然やけれど、タマゴの白身と黄身、どちらの匂いが好き?」彼女はしばし戸惑う。

すかさず、「僕は君(黄身)の匂いが好き」彼女は、全部笑いをした。

それから、僕は彼女の虜になっていった。

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