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邪眼に優しいメガネ屋さん  作者: かいみん珈琲
2/4

2/メガネ屋

●メガネ屋”真心メガネ”


 オレのメガネは特別なメガネじゃないといけない。

 勿論、邪眼という特別な力を制御するためには必要な事だ。



 以前、邪眼の制御に困っていた頃。

 偶然通りがかった、この店”真心メガネ”には世話になった。

 

 まだ学生という身の上。

 加えて、皆には隠れて”アイツら”と戦っている事。


 それらを柔らかく伝えながらも、このメガネ屋店主さんは微笑んでメガネを作ってくれたのだ。



 寂れた商店の軒並みに、ひっそりと佇む店舗。

 『親切&丁寧”真心メガネ”』という色彩が抜けた看板。

 どこか温かいの黄色電球に照らされた店内。

 

 メガネが並ぶ、その奥。

 両面を広げた新聞を読む、老人がいる。


「いらっしゃい。おやおや、君は……」

 

 数週間前の出来事で、まだ記憶も新しいのか。

 老人の頬がさらに皺を刻んだ。


「今日はどうしたんだね? また”アイツら”ってヤツと喧嘩でもしたのかね?」

 

 まだ汚れが残る学生服。

 腫れた顔に、瞑っている右眼。

 それらを見て、老人は新聞を畳む。


「……喧嘩……じゃないけど……まぁそんな感じ、です……コレ、直せますか?」


 と、胸ポケットにしまっていたメガネを受付に置く。

 

「拝見するよ」


 右のレンズが割れている事は一目瞭然。

 だが、老人は慣れた手つきで、メガネのフレームを弄る。

 

「大事に扱ってくれて何よりだ。レンズ以外は大丈夫だね」

「じゃあレンズは……」


「レンズの交換はしなきゃならんね。ちょっと待ってなさい」

 

 と、受付の隅にある機械を操作し始める。

 機械にメガネを置き、検度する老人。


「ん。度なしだね。それなら30分くらいで交換できるよ」

「30分ですか……」


「ああ。度ありなら、フレームに合うように工場で加工してもらうから1週間くらいかかるけど……君のは度なしだから、ボクが手擦りで加工してみるよ」


「えっと……手擦りって事は手作業ですよね……値段は……?」

「気にしないで。レンズ代の5000円もらえれば大丈夫だよ。それか、片眼だけの交換なら2500円くらいだけど、どうするかね?」


 したがってレンズ代2500円を払えば、今日中に修理できる。

 それならば、渋る理由はない。


「お願いします」


 オレは、右眼を瞑ったまま頭を下げた。

読了ありがとうございました。


またまた短編書こうとして、長編4部になりました(汗)

でも、簡単にまとめたつもりです。


この作品を通して、懐かしさや気恥しさが伝わっていただけたら嬉しいです。

もし感慨深くなった方や面白いと思った方。


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