1/邪眼
中二病満載です。
テーマは『中二病』と『大人の優しさ』です。
学生の時に感じていた事。
大人になってわかった、見守る事。
楽しく読んでもらえたら幸いです。
――まずは1つ、告白しておこう。
オレ、芽島卯月は邪眼持ちである、と。
つまり、特別な人間。
特別な力を持った、中学生なのである。
オレに平々凡々な生活など似合わない。
今は仕方なく学生生活をしているが、これは仮の姿だ。
放課後や夜には”アイツら”との戦いが待っている。
部活や遊びなどにかまけている暇はない。
これは孤高の戦い。
友人など、邪魔な存在だ。
××××× ××××× ×××××
●学校、屋上
今日も今日とて。
人気の少ない放課後。
部活も終わり、皆、制服姿で校門をくぐっていく。
オレはその風景を、屋上のフェンスから眺めていた。
普段なら、清々しさを感じるそれ。
しかし”アイツら”と戦いが終わった直後。
そんな精根が尽き果てた状態に感慨深さはない。
「今日も……無事、平和が保たれたか……」
と、安堵が心に目一杯に広がる。
今日も、学校の平和は保たれたのだ。
屋上の、剥がれたタイル。
そこには何もない。
倒した”アイツら”の亡骸は、すでに消えていた。
よろめきながらも、制服の汚れを落とす。
まずは邪眼を抑えるメガネを探す。
「うおッ! マジか!?」
初手の回避で、大げさに転がった時。
黒の太縁メガネを地面に落ちてしまった。
それを拾うと、右眼に大きな亀裂が入っている事に気づく。
右のレンズが、夕日を乱反射する。
とりあえず、かけてみる。
だが視えづらいし、邪眼が鈍く疼く。
このままだと、邪眼が暴走しかねない。
疲労困憊だが、あそこへ行くしかないだろう。
「メガネ屋に……寄っていくか……」
読了ありがとうございました。
またまた短編書こうとして、長編4部になりました(汗)
でも、簡単にまとめたつもりです。
この作品を通して、懐かしさや気恥しさが伝わっていただけたら嬉しいです。
もし感慨深くなった方や面白いと思った方。
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