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いざ!冒険者ライフ!!  作者: ZEN
1章・最初の街へ
8/10

07話

「ゼンくんっ!」


慌ててやってきたシャル

すごい勢いで目の前に座ると頭を下げてきた


「申し訳ありませんっ!

昨日、仮証文(かしょうもん)の事を聞くの忘れていましたっ!

期限は大丈夫ですかっ!?

もし切れていてもこちらの、私の不手際ですっ!

安心してくださいっ!」


すごい剣幕で喋りたてるシャル

一息で喋り尽くしたので、肩で息をしている


「お、落ち着いてくださいシャルロッテさん

期限はまだ大丈夫ですし、こちらも忘れていたので、シャルロッテさんが慌てる必要はないですよ」


と笑顔を向けてみるが、効果無し


「いいえっ!

仮証文(かしょう)を受け取った方が、提出を忘れて期限が切れて、罰を受けないよう、各所で職員側から言う取り決めなのですっ!

ですので、ゼンくんが忘れていても、悪いのはこちらですっ!」


ゼェー、ゼェー、ゼェー、ゼェー


(美人のこうゆう姿ってなんか恐怖だな……ハハハ)

「大丈夫ですから

落ち着いてください、シャルロッテさん」


「そ、そうですねっ!

仮証文(かしょうもん)の手続きをしましょっ!

しっかりと手続きさせてもらいますっ!」


「は、はい

言葉がまだ強いですけど……」

戸惑いつつ、仮証文(かしょうもん)を取り出したゼンは、ついでにとジョーズから書いてもらった紹介状を出した


「ついでにこれも」


「はい、お預かりします

えっとこちらの証文は?」


2つとも受け取り、紹介状の方に目を通す


シャルの目を見ると文章を追っているのがわかるが、少しずつ目が大きく見開いていく


全て読み終わったのか、ヌ〜ッと顔が上げられ、視線が合う


「ゼ、ゼン君」


(ローテンションが怖ぇぇ)

「な、なんでしょう………か?」


「これはなんですか?」


「えーと、どこの門かわかりませんが、門の衛士さんが書いてくれた紹介状です」


「その衛士の名前は?」


「え、えーと、ジョーズさんです」


「そうですよね

ここに書いてありますね」


(なぜ聞く?)


「この方がどなたか知ってますか?」


「え、えーと、さ、さあ?

し、知らないですね」

(元王族って知ってそうだけど、とぼけよう)


「ゼン君」

立ち上がるシャル


「どうぞこちらへ」

と案内され、2階に上がった


1階からザワザワ聴こえてくる

格段に騒がしくなった


1番奥の部屋に入れられた


席に着くと、仮証文(かしょうもん)と紹介状を並べた


「ゼン君、ここでの会話・物音など一切、外部に漏れないようになっています

そして、ここでの会話は多言無用です

いいですね?」


「は、はい」

(すごい不安になる

異世界モノだとよくある展開

でも、こんな感じじゃないよねー)


シャルの雰囲気が余計に不安を煽る


「ゼン君、この紹介状を書いたジョーズ様がどなたか本当に知りませんか?」


「さ、さあ?」


「まあいいでしょう

そうゆう事にして話しを進めます」


(じゃあ、聞くなよ)


「ゼン君

昨日、ここで冒険者として登録しました

その時、こちらを出していただければ、Fランクではなく、Dランクからのスタートできました」


「え、なんで?」


「ゼン君、ここへ来る前に盗賊を相手にしたそうですね」


「しましたね」


「この紹介状に書いてあります

EランクとDランクの差は、人を殺せるかどうか

クエストの数と評価が昇格基準に達していても、人を殺せないのであれば、一生Dランクに上がる事は出来ません

上に上がるほど、人間を相手にする事が増えていきます

盗賊退治や護衛などがそうですね

おまけに、十数人を相手にしたとか

これだけでも基準に達します

あとはこちらからライクの低いクエストを達成させていけば

とゆう流れがよくあります

しかし、今回はそうはいきません」


「は、はぁ……」


「いいですか?

この紹介状を書いたのがジョーズ様なのです

つまり紹介状を無視したカタチになります」


「えっそれは自分が出し忘れただけでは?」


「それだけで済めばいいのですが、人の噂話はどんな犯罪より悪になることが、多々あります」


「でも、そうそうバレる事じゃないですよね?」


「ゼン君がこの紹介状を受け取った事を知ってる人は、何人かいますよね?

その人達からしたら、ゼン君がFランクからスタートしてるという事は……と勘ぐる人がいるかもしれません」


「そうゆうもんですかね?」


「いいで『コンコン』か?」


ドアが叩かれた

シャルはドアを開け外に居た者を招き入れた


「失礼するよ」


入ってきたのは、イケメンエルフだっ!

そのままゼンの正面に座った

シャルはそばで立っている


「初めまして

ここのギルドマスターをやっている【ノストラ=ダムス=アンゴルモア】だ」


(なんて危険な名前……

キラキラネームどころじゃないな

イケメンなのに、この名前……ウケる)

「ゼ、ゼンと言います

なんでまたギルマスが?」


「ジョズが関係しているからな

私が入った方が早いと思ってね」


「ジョズ………?

ああ、ジョーズさんの事か

そういえばウィルさんが、ジョズ殿って言ってましたねー」


「ウィル殿とも知り合いか」


「王都に入る時に、よくしてくれました」


「そうですか

さて今回の事だが、規則により再登録はできない

よって、ゼンくん」


「はい」


「昇格試験を受けてみない?」


「まだ一度もクエストを受けてないですよ?」


「試験内容は、指定依頼を数件と試験管との模擬戦を受けてもらいたい」


「いいですけど、指定依頼ってなんですか?」


「冒険者を指名して依頼を出すのが指名依頼ってのは知っているね?」


ゼンは頷くだけにした


「指定依頼は、ギルドから指定されたモノを達成する依頼だね

今回は、魔物の討伐が3件

魔物などの素材集めも3件

他にも2.3件してもらうつもりだけど、先の6件の達成具合を見て変更するかな」


「なんかメンドーそうな気がするんですけど?」


「だと思う

しかしこれで対処するしかないんだ

ある意味、これはゼンくんへの指名依頼であり指定依頼でもある

むしろ、受けてくれないかな?」


「そう来ますか

わかりました」


「そうか

これで、とりあえずの時間稼ぎができるな」


紅茶を飲み一息ついていると再びドアをノックされる

今度は、ノストラ(ギルマス)が立ち上がりドアを開け小声でなにか話しているようで、来客があったようだ


ノストラは許可したようで、その来客が入ってきた


「ゼン殿〜」

軽いノリで入ってきたのはウィル隊長だった


「あっウィルさん

どうしてここへ?」


「ノストラ

すまないが邪魔するよ」


「ええどうぞ」


「聞きましたよ!ゼン殿!」


「えっ何をです?」


仮証文(かしょうもん)と紹介状、渡し忘れたんでしょう?」


「情報早っ!」


「ノストラにジョズ殿から伝言がある」


「お聞きしますが、ここでいいので?」


「ん?大丈夫


なんとなくこうなるかなって思ってたよ

むしろ思った通りで楽しかったよ

こちらに迷惑がかからないように動いてるかもしれないけど、気にしないで

その辺の火の粉はこっちでなんとかするから

それと、ゼン君にやろうとしてる事は、そのままやってくれると嬉しいな


だ、そうだ」


「わかりました

これで安心できますが、こちらもそれなりに動きますとお伝えください」


「必ずお伝えしよう」


「ウィル殿はそれを伝えに?」


「今日はゼン殿に用事があってな

ここに来る前にジョズ殿に呼ばれてな」


「えっ僕ですか?」


「ルイ様の命令で、ゼン殿が仕留めた盗賊たちを調査していたのだ」


「調査ですか?

なんでまた?」


「結果だけ言う、ゼン殿に報奨金・金貨50枚が支払われる事になった」


「へ?」

「金貨50枚っ!?」

「ゼンくん、何したの?」

驚くゼン、シャル、ノストラ


羊皮紙を取り出すウィル


「冒険者・ゼン

貴殿が退治した盗賊が盗賊団:アヴィド・ヴォルク(強欲な狼)と判明

リーダーであるザイール・ヴォルク討伐により金貨20枚

さらに盗賊団壊滅の功績により金貨10枚

加えて裏切り者の騎士2名の討伐により金貨20枚

合計金貨50枚を下賜する事とする

なおこの報奨を持ってこの件は締結したことをここに記す

           ルイセ=アグノス=クラーク」

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