01話
光りが収まり、目を開けると雄大な自然が広がっていた
自分の後ろは森のようだが、これから始まるであろう新たな人生にテンションマックスである
「さて、まずはやっぱりステータスの確認だよな
〜
ごほんっ
【ステータスオープン】」
現れる半透明な板
それを見てさらに興奮する崇雄
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名前:設定可(崇雄)
種族:人間
年齢:15(34)
職業:
状態:健康(永続)
称号:(転移者)
(異世界の民)
スキル
言語解析
属性・-全- 魔法・-全-
武術・-全- 体術・-全-
鑑定・-全-
ストレージ
武器創造 魔法創造
追記
高木神に願った贈り物を
授けています
( )の中は、あなたにしか見えませんので
ご心配なく
異世界からの初めてのお客様です
色々お話ししましょ
ぜひ一度、教会の方へお越しください
-セルリア-
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「うん、ツッコミどころがいっぱい
テンプレだなぁ
魔法以外ももらえてるし、願ってもないのもあるし、最後なんかこの世界の神様かな
15才に若返るのもテンプレだね
おかげで身体が軽いし、肩も痛くないや
健康(永続)って病気にならないって事かな
病気で死ぬことはないけど、怪我とかで死ぬ感じかな
ってか、名前の設定可ってなんだよ」
まあいいか、とひとまず放置
「名前ねー
まあ新しい人生なんだし、新しい名前も悪くないな
スキルに、-全-ってのが多いしそのまま、ゼンって名前にしよう
苗字は、全-ゼン-が5個あるし、ハメッシュにしよう
ヘブライ語だったかな?違くてもいいか
よし、今日から俺は【ゼン=ハメッシュ】って名乗ろうかね」
すると、『ピコン』っと音が鳴りステータスプレートがフワッと光った
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名前:ゼン=ハメッシュ
種族:人間
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「おおー自動で設定された
異世界って意外とハイテクだよな
次は………鑑定してみるか」
おもむろに小石を拾い、鑑定を使ってみた
「え、えーっと、か、鑑定?」
ステータスプレートの前に別の小さなプレートが出現
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小石
▷
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
「うん、そだね
ほかに書きようがないか
ん?何の▷だ?」
とりあえず、押してみる
トン
トントン
グリグリ
…………無反応
「こうゆうのって割と悲しい気持ちになるな」
ハハっとから笑いをする
「じゃあ、タッチパネル式かな?」
スッと人差し指を右にスワイプした
画面が切り替わり、表示されたのは
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安山岩
◁
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
「スワイプさせる意味あるのか、これ
まあいいや、次」
次に取ったのは、短めの枝
同じく、鑑定してみると
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短めの木枝
▷
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
「……」
スワイプしたら
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いわゆる杉
◁
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
「原材料とかが次のページかな」
こうゆう仕様なんだなぁと思いつつ欲望に逆らえない自分がいる
「最後のつもりやったけど、もうやってしまえ
鑑定も魔法とあるのもあるし」
「まずはやっぱり火だよな」『ボッ』
右手を前に突き出し、つぶやいた途端、手のひらに灯る小さな炎
「あっ出た」
感動に浸り、ほかに言葉が出ない
数十秒ほど、自分が出したであろう小さな炎に見惚れていた
「おおー!感動ー!
やっぱり熱くないんや」
炎を消そうと思ったら、すぐにフッと消えた
「じゃあ次は……水よ」『チャプン』
手のひらに、ピンポン玉ほどの水球が現れた
「異世界モノだとこうゆう水って……鑑定」
水球を鑑定してみた
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水
▷
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
手早くスワイプ
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魔法により作られた水
高濃度・高純度の魔力により
15mlほど飲むだけで
魔力回復用ハイポーションと
同等の効能を得る
効能は調整できる
◁
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
「ちかっぱすげぇーーー!!」
と、騒ぎつつ喉が渇いたので飲む
「美味いのも定番だな
水よ」『チャプン』
「うまー
身体に染み渡る感がすごい
よし、次は…雷よ」『バチバチ』
手のひらに宿る電光
「しかし、消えろと思ったり終わりと思うだけで魔法が解除されるのは便利だな」
電光がフッと消えてなくなった、手のひらを見る
「次は……風よ」『ブワッ』
手のひらの上で、舞い上がるとても小さな竜巻
フッと消す
「さて次は……土よ」『ゴロゴロ』
手のひらに現れる土の塊
「土でできるのって何かあったかなー?
あっそうだ」
手のひらにある土がフワッと光ると、海賊の王になりたい少年が出来上がっていた
「おお〜
絵心が無い俺でも、魔法を使えばこのクオリティー!スゲー!」
海賊の王の少年はとりあえず地面に置いて
「さて次は……光よ」
ピカッと光の玉が現れた
「光属性の魔法はこれだよねー」
ハハっと笑う
「よし……闇よ」『ブンッ』
「おおー
闇はこうきたか」
手のひらに広がる小さなブラックホールのような暗く光る球
吸い込まれそうな魅力を感じる
「他に属性とかあるのかな?
ん〜まあこの辺は人里に着いてからでいいや」
ふと、ステータスプレートを見る
「次は、武器創造を使ってみるかなー
ってか、このステータスプレートずっとあるけど、消えないのか?
えーっと、閉じろ…………」
シーーーーーーン
「終わり…………」
シーーーーーーン
「あっクローズ」
シュンッと消える
「あっ消えた
武器か…………まずは剣」
ブンッと手に現れる剣
「鑑定」
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ショートソード
▷
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
砂鉄と魔力の合金
店で買える物より耐久力
切れ味は優れている
魔力を流すだけなので
メンテナンスも楽
◁
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
「なにを出してみるかなー
ん?………………なにか臭うな」
キョロキョロ辺りを見渡し、臭いが強くなる方に歩いてみる
臭いが強くなるにつれ、歩くスピードが早くなる
「これはテンプレ展開かな?
にしても、この身体スゲーな
運動不足も解消されて、息切れもしない」
前の世界では、中年太りや運動不足、タバコにより息切れしていた
これもまたお約束とゆうやつだ
「おっ、あそこだな」
道に出ると遠くに、道から外れた森の中に見えるがまだ遠い
そこには馬車が3台
周辺に血を流して倒れている騎士っぽい男達
まあ、鎧からして騎士だろう
さらに疲労困憊の騎士が3人
剣や槍を構えている
真ん中の馬車の前で丸く固まっている女性数名
これらを取り囲む男達
見るからして盗賊である
盗賊達は17人
死体となっているのが13人
「とゆうか、ほんとに盗賊だよな?」
視覚強化・聴覚強化により遠方から人数を把握した
さらにスピードを上げる
「騎士さん達よぉ
いいかげん、諦めろよ」
どうやら盗賊が喋りだしたようだ
「そうだぜ
俺達と手を組めよ」
「俺達が欲しいのは金だけだ
そのガキは貴族様だろ?
身代金もたんまりだ
金さえあれば女ども買える」
(盗賊確定)
うんうんと、1人納得する崇雄改めゼン
「だまれっ!!
盗賊どもに貸す耳などないっ!!」
(隊長さんっぽいなあの人
いや、団長さん?)
「ぐあぁっ!
ギ、ギザマァっ!!」
鎧の隙間から刺突されたようだ
後ろで構えていた他の騎士に
「へへっ
ウィル隊長ぉ、もう諦めやしょうぜ
俺は死にたくねぇーしよ
お前もそうだろ?
カルロ」
と、隣にいる同僚に話しかける
「そうですね
ウィル隊長は無駄に正義感や忠誠心が強くて困ったものです
いくらわたし達3人でもこの数ではどうにもなりません
向こうに着けば、命が助かる上に大金だって手に入ります」
「ゴホッゴホッ
ふざけるなッ!!
騎士の使命を忘れたのかっ!!」
2人目の騎士・カルロが大きくため息を吐く
「忘れたもなにも、金のために騎士になったのですよ
騎士とゆうのは給料がいいですからね」
と、同時にウィル隊長の足を斬った
「ぐあぁ!!」
右脚の防具は壊れていたため、ダイレクトに斬られた
「へへっ
騎士の旦那達、そいつ任せていいですかい?
俺らは娘を捕まえてきますんで」
見事なゴマスリ付きである
「いいでしょう
アレク、隊長の武器を」
「そうだな
取り上げとくか」
へへっと下卑た笑顔でウィル隊長に近づく
「どうでもいいけど裏切った騎士2人、良い奴に多い名前なのに、もったいない」
まさしくどうでもいい感想であった
「あと少しっ!!」
武器を取り上げようと、ウィル隊長に近づいたアレクは突如声を上げた
「グハッ!!」
それを見たカルロはまたため息を吐く
「相変わらず爪が甘いですね、アレクは」
隙を見せたアレクの顔に剣を突き付けたウィル隊長
アレクは即死
「隊長、まだ元気でしたか
腕か足を落とした方がいいですね」
「き、騎士の旦那
もう殺してしまった方がいいのでは?」
下っ端のような盗賊が聞く
「最終的には殺します
まだ使い道があります
あの娘を追い詰めるのに使えるでしょう
長年仕えて仲がいいみたいですからね
もしかすると、あの侍女たちで足りるかもしれませんが」
一方、娘を確保に向かった盗賊達
「おらぁっ!!
さっさと離しやがれっ!!」
「離しませんっ!」
「わたし達がお守りしますっ!」
おしくらまんじゅう状態で娘を守っている女性達と手こずっていた
「じゃあしょうがない
手っ取り早く殺してやるよ!!」
1人の侍女に振り下ろされる剣
『ガキィンッ!!』