1月8日 - 出会い -
雑貨屋を覗くのは好きだ。
そのお店の趣味と好みの傾向が合うかは、ぱっと見の雰囲気でわかるので、大抵覗いたお店に一目惚れするのが常だ。
私の好みは、シンプルで使いやすいものやカントリー風のもの、和洋問わぬ懐古趣味と、一見幅広い。ただ、細かいこだわりを加味していくと、急にとてつもなく狭くなる。
そのため気に入ったお店は多くあれど、気に入った「物」にはなかなか出会ったことはない。
例えば、筆記用具。
便利道具から見た目だけのものも、ついつい誘惑に駆られやすいジャンルだ。学生である故に、油断すると「必要だよね」と言い訳しやすいのも曲者だ。
しかし、私の場合、ノート1つ取ってもこだわる部分が結構細かい。外見が気に入っても、パラパラと中身を確かめ、罫線の色が気に入らなければ買いたくない。シャープペンなら、太さから持った時の重さ、ノックの感触、出てくる芯の動きを細々チェックし、全部が納得いくものでないといけない。
そんなことを突き詰めていくと、今度こそ見た目のイイ感じのにしようと勢いこんで買いにでかけたのに、結局シンプルで使い勝手のいいものを選んでいることが多い。
ずいぶん前に、姉に欲しいものと買うものがなかなか一致しない愚痴ったら、
「あんたのこずかいで買える範囲なら、さもありなん。大人になって予算的な選択肢が増えるまで、我慢しな。それでも、理想と一致するものなんてそう簡単に出会えるもんじゃない。根気よく探さにゃならんことに変わりはないよ」
と、しょっぱい慰めが返ってきた。
実用的なものでそんな感じなので、装飾品の類はもっと出会いが少ない。
似合うかどうかはさておき、「おしゃれ」なるものには興味深々な年頃である。雑貨屋にはいればついつい、キラキラしたものに目が行ってしまう。それはもう、カラスの如く。とはいえ、まだアクセサリーを身につけてどこかに行く習慣もないので、ただなんとなく見るだけのことが多い。
だから、それに出会ってしまった時、困ってしまった。
意匠、嵌まった石とその形、どれもがガチっと好みに嵌まっていたのだ。
しかも、サイズまでぴったりときたら、もう運命としか思えなかった。
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ま、私のサイズに合うものがあった試しがないのは分かっていた。
悲しくなんかないやい。