6月15日 - 消去 -
本当に久々更新......
久しぶりに開いた。
高校入試に受かったら、開くことはおろか手に取ることもなくなったこの日記。
あまりストレスには感じてないと思っていても自覚がないだけで、受験と言う形のない重荷を感じていたのだろう。新生活で放置しているうちに荒れた部屋の掃除を母に命じられ、引出しの奥から出てきたこの日記をうっかり読み返したことを、いま猛烈に後悔している。
今見つけてよかった、すでに黒歴史と言いたくなるこの存在は後でシュレッダーでなかったことにしよう。
その前に少しだけ日記らしいことを書いてからにするかな。でないとこの日記帳も浮かばれまい。
先月終わった初めての高校一年生の中間テストの返却から一週間、良くも悪くもない結果は頭の隅に追いやり、ようやっと実感してきた平常運転の高校生活に戻った。
電車で一時間半。流石にここまで地元から離れれば、私を知る人は殆どいない。偶然にも、夏期講習で一瞬だけ顔見知りになった女の子が一人いただけだ。彼女とは議長団――学級長とは別に、各クラスにいる有志の役員。主に行事の裏方を担う。私は何となくミニ生徒会のような役割と思っている――で再会した。綺麗な子で名前が印象に残っていたので、気付けた。
彼女の他にも、もう一人地元から来ている女の子がいるらしい。
附属校特有なのかは他の学校を知らないからなんとも言えないが、上の学校狙いで全国から生徒が集まってきていて、県内からの生徒の方が多いものの、下宿までして入学した遠方の生徒もいる。入学当初「どこから来てる?」と言う話題が溢れていた。そんな話題の中で、もう一人の彼女のことも知った。その子も学年議長団にいたと言うから、世間は狭いものだ。
元々、私は目立つことをするのを厭う性分だが、新しい自分を知る人がいない環境で少し冒険してみようと挙手してしまった。他の二人も同じ気持ちで始めたのだろうか。勝手に仲間意識を持って親しみを感じている。
高校は中々楽しいところだ。中学から進路の目標が定まっている人が多いせいか、個性が強い――と言うより、変な人がたくさんいる。あと、大学の敷地の一角に高校があって、放課後は自由にキャンパスにある図書館や学食、生協に入れるのも面白い。
「面白い」と思える日々が卒業まで続くことを祈って、この日記を消そう。
もう二度と、妄想に逃げることがないように。
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今度は妄想ではない、ただの日記を書く日々が来ると良いな。
読んでくださった方、誠にありがとうございました。
新しい話で続くと良いな。