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望月りや子の妄想日記  作者: こたつの蜜柑
30/31

2月1日 - 夜更け -

おおお。もう2月が終わる...のに、2月がスタート。

サボりすぎ......orz

 朝は心地の良いお布団から出なければならないので、少し切ない。

 昼は学校のある日は憂鬱で、休日は好きなことができるので幸せ、その日に依る。

 夜は一日の終わり、2階の自分の部屋で思うがままに過ごす時間が至福である。


 今日は熱も下がり、学校へ行けた。

 受験日に高熱を出し、翌日休んだからか、担任や学年主任からはすこぶる心配された。いつもつるんでいる友人たちも、なんだかんだ心配していたらしく、いろんな人に具合を聞かれた一日だった。

 もちろん、家族も年明けに熱を出したばかりだと言うのに、また高熱を出したことをえらく心配して、晩御飯を食べた後、早々に風呂に放り込まれ、ベッドに追い込まれた。病院からもらった薬のおかげですぐに寝ることはできたが、目が覚めた時、まだ部屋の中は真っ暗だった。

 枕元に置いたスマートフォンで時刻を確認すると、まだ日付が変わったばかりだった。

(すごい寝たと思ったのに、そんなに時間経ってないんだ)

 一旦寝入ってしまった後のせいか、昨日一日寝ていたせいか、妙に目が冴えてしまっていた。もう一度寝るのは、すぐには無理そうだ。

 布団の上に広げてある半纏を羽織る。

 毛布と布団で温まった身体に、すっかり冷えてしまっていた半纏のひんやりとした重みに、思わず身体を震わせる。

 半纏を着たまま、もう一度布団の中へ戻る。

 温もった布団の中で、早く温まれと、コロコロ転がるうちに冷たい感覚が消えていく。

(もう、半纏温もったかな……?)

 そろそろと、身を起こす。

 切タイマーをつけていた暖房はもう消えていて、部屋の空気はすっかり冷えていた。

 手探りでエアコンのリモコンを引き寄せ、スマートフォンのかすかな明かりを頼りに、もう一度暖房をつける。

 部屋の明かりを煌々と点けてしまうと、バレた時にことだ。

 どうしようかと、真っ暗な部屋を見回す。ベッドの足元の方の出窓のカーテンの隙間から、僅かに光が漏れている。

 あまり音を立てないように、ベッドの上でゆっくりと出窓の近くに移動する。

 腰よりも高い位置にある出窓には、50センチ程の奥行きの床板があり、人一人が余裕で乗れる。

 ベッドから出窓に載り出し、カーテンから外を覗く。光が漏れていたので、月明かりが明るいのかと思いきや、家の前の電信柱にある街灯の明かりだった。

 そっと窓を開けた。室内よりも冷たい空気が入ってくる。寒いが、キリっとした気持ちいい空気に誘われて、屋根に足を踏み出す。しかし、瓦は思ったより冷たかった。夏の月の綺麗な夜にはたまに屋根の棟まで出てみるのだが、流石に真冬は無理だったようだ。屋根の上に出るのは諦めて、出窓に腰掛ける。

 田舎の住宅街で、深夜に出歩く人間はいないだろうと、そのままボケっと夜空を眺める。街頭や家々の灯りが邪魔してあまり沢山は見えないが、幾つか瞬く星が見える。

 暫くそうしていると、シャーっと自転車を走らせている音が聞こえてきた。

 こんな時間に珍しいなと、音のする方を見ると1台の自転車が家の前を通り過ぎようとしている。

 一瞬、こちらをちらっと見られてしまった。

 あれはたぶん、近所の同級生の男子だ。

 自転車が来た方向的に、自販機に飲み物でも買いに行っていたのだろうと推測する。

(まあ、まだ受験シーズン中だし。そうか、この時間にも出歩く人間がいたか。恥ずい)

 何となく気恥しくなり、そろそろと出していた足を引っ込めた。

 音がしないようにゆっくり窓を閉めて、ベッドに戻る。

 やはり、眠れそうにない。これはもう怒られるの覚悟で、階下で温かい飲み物でも飲みに行こう。


××× ××× ×××


 眠れない夜は、無意味にスマートフォンを弄ってしまい、余計眠れなくなるオチ。

亀の速度ですが、ちまちま書いていく予定ですので、お待ちいただければ幸いです。

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