1月27日 - 残ったカレー -
幼い頃からカレーは好物だ。
我が家では、寸胴でカレーを作る。最大5名となる我が家の構成を考えると、それも致し方ない。
それでも、父が単身赴任中、兄が下宿中で、残ったのは女3人である現状では、もう少し量を考えて欲しいものである。
母曰く、「みんな好きでたくさん食べるし、何食か持つから楽でいい」らしく、毎回大量のカレーが出来上がってしまうのである。
まあ、朝昼晩と3食続いても構わないくらいには好きではあるので、嫌ではない。ただ、2日目を過ぎると若干飽きてきてしまう。そんな時は、トッピングを変えてみたり、ご飯をうどんやスパゲティに変えてみたり、趣向を変えて色々なカレーを楽しむことにしている。
3日目の今日、どんな形で消化しようか冷蔵庫をあさりながら考える。
うどんは昨日、母と姉と食べてしまった。スパゲティはこの間、ミートソース祭をしてストック切れだ。残るは普通にご飯しか選択肢はないが、ただのカレーライスは芸がない。
しかし、珍しく冷蔵庫の中はスカスカだ。カレーの入った鍋――さすがに、寸胴から普通の鍋に移し替えてある――とバター、牛乳、その他調味料、ポケットに卵が入っているだけで、他には何も見当たらない。
「のぉ……何もない」
落胆しながら、鍋を取り出す。中を見ると、丁度1皿分残っている。炊飯器の中も確認すると、こちらも丁度1皿分残っている。
炊飯器から釜ごとご飯を取り出す。鍋は弱火のコンロに掛ける。鍋の隣のコンロににフライパンを置き、中火にかけて油をひく。冷蔵庫のポケットから卵を取り出して、ソースボウルに割り入れる。菜箸で卵を溶いて、そのままフライパンに流し入れた。
ジュワっと食欲をそそる音がする。卵液が均等になるようにフライパンを揺すり、中央に細長くご飯を乗せる。フライ返しで固まった卵の端をご飯を包み込むように被せ、卵とフライパンの間にフライ返しを滑り込ませ、ご飯をすくうように引っ繰り返す。
コトコト言い始めた鍋を掻きまわし、食器棚から皿を取り出す。
両方のコンロの火を止め、フライパンから半月状の塊を皿に移す。いつもより綺麗な色と形に、思わず頷いてしまった。良いできのオムライスだ。白飯だけど。
トマトソース代わりにカレーをかける。よく行くオムライス専門店のような出来栄えに、また一人悦に入る。
お気に入りのスプーンとできたてのオムライスカレーを持って、炬燵に移動する。
テレビをつけて適当にチャンネルを回す。腰を落ち着けて、手を合わす。
「いただきます!」
半月の端をスプーンですくい、カレーにダイブさせて口に運ぶ。
うん。美味い。
××× ××× ×××
綺麗なオムライスを作るのは難しい。修行あるのみ。




