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不運が続く流れ

鉄格子を抜けて銀髪の背後を付いて行くと陽の光が強くなっていき、そして外に出た。


「いいか黙って付いて来い、死にたくなければな」


そう言い銀髪が前を先導して歩く。


外に出ると強烈な眩しさに目を覆う。


イルは平気みたいだがバトは苦しそうに叫びながら翼で目を守っている。


外に出て始めて気づいたが銀髪の衣類が変わっており髪の色と同じ銀色の鎧で身を包んでいる。


前見たときは動きやすい服装だったのだが、俺に会うためだけに着替えて来たとは考えられないし。


歩きながら考えてると、銀髪だけではなく同じ鎧を纏った集団と合流した。


銀髪も平均よりかは体格は上の方だと思うが、合流した人達は更に上で簡潔に言うとアメフトの選手みたいに筋骨隆々(きんこつりゅうりゅう)だ。


その集団の姿を見て俺もイルもバトも震えていた。


「お、おい律、何したんだ?」


バトが小声で話す。


「せっかく外に出たのに、律って悪い奴なのか?」


その言葉でニット帽が跳ね上がり


「パパのわるぐちいうなー」


と、大声でイルが叫ぶ。


「ば、馬鹿!」


銀髪は直ぐに俺の方を振り向き、俺が反応する頃には喉元に刃物の先端が置いてあった。


「お前、まだ自分の立場が分かってないようだな、俺の嫁次第ではお前の首を即効で飛ばす、今生きているのは奇跡に近いからな、わかったか?」


俺が頷くと銀髪は刃物を収める。


ニット帽とコウモリが変な事しないように両手で二匹の口を塞ぐ。


ただ今度は先頭集団と銀髪が揉めている。


「おいおい、エリウッド!そこの色白男との話に口を出す気は無いが、お前の嫁じゃないだろう、あの女は俺の女だ!そこは訂正してもらおうか」


アメフト部隊の集団で一番大柄な男が銀髪に話すというより叫ぶ感じに言った。


「訂正だと、笑わせるな、ダグラス!また勝負したっていいんだぜ」


「あ、いいぞ・・・・・・やるか」


その一言で空気が重く張り詰めていく感じがした。


さっきまで行進していた群勢の足取りが一斉に止まる。


気付けば銀髪は戦闘態勢で鞘に収まっていた刀がいつの間にか右手に握られている。


よく見ると日本の刀とは少し違い西洋の煌びやかな宝刀のような感じだ。


大柄な男は布で武器を覆っており断言は出来ないが槍状のような物だと推測できる。


それにしてもサイズが大きいこんな武器使えるのか?


大柄な男は布を剥ぐため武器を振り回す。


布が剥げ、大柄な男の武器が姿を表す。


槍ではない、金棒のような叩くことに特化した武器だ。


あんな物当たったらただの骨折では済まないだろう。


こうゆう戦いを見るのは嫌いではないが・・・・・・TVや漫画の世界なら。


もう、何度目になるかわからない現実逃避をしていると


「やめんかあああぁ!馬鹿ども」


この緊張感の中、俺の後方から大きな声が響く。


この声を聞き二人とも武器を下ろす。


横から強風を感じ気づいたときには銀髪や大男の前に初老の男が立っている。


「また、お前達か・・・・・・一応言い訳を聞こうか」


二人はバツの悪そうな顔をし初老の男に言い訳を話す。


チャンスだ今のうちに逃げられるかも。


というか千載一遇のチャンスだ、これを活かさないと結局はあいつらの女の気分次第で殺される。


どうやらバトも同じ事を思ったようで翼を小刻みに広げて相槌をうつ。


覚悟は決まり背を向けた時、何故かさっきまで話をしていたであろう初老の男がそこにいた。


「何処へ行かれる?」


初老と目線が合う。


言葉は一言だが重みがある。


返答を間違うと大変な事になるのはこの静まり返った状況がものがたっている。


さっきまで銀髪達と話してたはずなのに。


「えーと、すみませんコウモリが暴れてしまって、今静かにさせたので」


とりあえず思いついたまま当たり障りのない話でごまかす。


「何故コウモリを連れているんです?」


いや、それは俺も連れてきたくて連れてきた訳じゃないし、勝手に来たと言うのが正しいが。


まぁここは


「それは、俺の仲間だからです」


と言ってみた。


初老はその発言を聞きしばらく目線を下げ考え込む。


俺は発言を誤ってしまったかと後悔した。


咄嗟に発言したはいいがよく考えるとコウモリが仲間ですって言うのは無理がある。


しかも初対面のおじさんに。


冷静になって考えると恥ずかしくなってきた。


訂正しようと話そうとしたとき


「ふむ、姫様と同じように何か能力が芽生えたということですね」


キョトンとする俺。


「えっと、姫様?」


「失礼、あの二人のせいで時間に遅れてしまいます、急ぎましょう」


俺は今後について色々話をしたかったが、気づくと初老の男は先頭の部隊と合流しており指示を出していた。


初老の男の代わりに銀髪が来て


「早く行くぞ、もたもたすんなよ」


と、上から目線で言う。


イルが何か言いたそうで(うごめ)いていたが、また二の舞になるのはゴメンだったので


「イル、困らせるな」


と小声で一言話した時バトが同じように小声で


「律、バト様がこの状況なんとか出来たら嬉しいか?」


バトは翼を広げて返答を待ってる。


出会った時からそうだがバトは俺の肩に止まっているため無駄に広い翼を羽ばたかせると頬に当たり結構痛い。


そしてその時イルにばかり注視してるあまりバトの発言を軽く考えていたため事件が起こる。

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