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【0-3】


『―そこでは絆が試される。

美しき絆があれば辿りつける。

そして思わず息を呑むだろう。

眼前に広がる壮観な眺望に。

《虹竜レインボルス》は何人(なにびと)も拒まない。

己の糧を拒む者があろう筈がない―』



《虹竜の巣岳》

ランク:S

編成限界(リミット):12人

難易度:Expert(エキスパート)

作者:プレイヤー名【非公開】


挑戦しますか?』




「うわぁぁ…綺麗なとこだね、マコちゃん」


「…油断するなよ。ランクSだぞ」


「う、うん…」


今のところS以上の基準がなく

一口にSとっても難易度にはばらつきがあった。


「そうだよ、マコちん。久しぶりに集まったんだからダンジョンを楽しもうよ」


「ああ…そうだな。それにしても…なんてクオリティだ」


ダンジョンといえば、

地下にある薄暗い場所というイメージだが、

「COS」にはあらゆるステージが用意されている。

町、城、幽霊船、モンスターの体内、空飛ぶ城など。

《虹竜の巣岳》は山ステージ。

雨上がりの山道をモチーフにした爽やかなダンジョンに仕上げられていた。


個々の活動が忙しいマコト達は

久しぶりに集まったテンションのまま

最近、噂になっているダンジョンを覗きに行こうという話になった


「…マコト、俺も今日はサポートだ。気楽に行こう」


「そうだな…」


ここの難易度は「Expert(エキスパート)」。

難易度は、最も易しいEasy(イージー)から始まり、

Normal(ノーマル)Hard(ハード)Very(ベリー) Hard(ハード)

Veteran(ベテラン)Expert(エキスパート)Impossibleインポッシブル

そして最凶難度のMenace(メナス)

《虹竜の巣岳》の難易度は上から3番目となる。


ただ、難易度よりも編成限界(リミット)の方が

いい目安になっているのは周知の事実だった。

ここの編成限界(リミット)は12人。

他のランクSと比べても平均的な数字だ。

普段マコト達が潜っているダンジョンの

編成限界(リミット)は30人前後。

そこらと比べると、

気が緩むのも仕方ないのかもしれなかった。




『ビィィィン!ビィィィン!《虹竜の巣岳》に侵入者です(^⊿^)/』


女王蝿のミセスビィンがけたたましく哭いている。

これはプレイヤーがダンジョンに侵入したことを知らせるモンスターだ。

索敵用の子蝿を無数に産み出し

ダンジョンに張り巡らせている。

戦闘力はなく

ただ侵入者を知らせるためだけに存在するミセスビィンだが

その恩恵は絶大だった。


ミセスビィンの実装される前、

自分が創り上げたダンジョンを

常に見張る必要があったプレイヤー達は

極度の緊張感と、慢性的な寝不足に苦しめられ

日常生活に支障をきたすものが後を絶たなかった。

業を煮やしたプレイヤー達は

運営に対して何かしらの対策をしてくれと嘆願を続けた。

そしてついに消費者センターからも訓告があり

実装されたのがミセスビィンだった。



ミセスビィンが哭く度、心地よい緊張と

底知れぬ興奮を感じたものだったが

それも遠い昔の話。


「…さて、今日はどんなパーティかな」


ユウゴは慣れた手つきで【奴隷の情報網(フロント・コンシェルジュ)】を使い

侵入者のステータスをチェックする。

ダンジョンマスターは侵入者の情報を視ることができる。

これはマスターだけが使えるシステムの一つだ。

そのシステムの中には装備品から取得呪文、

総プレイ時間まで視ることの出来るものもある。

そこまでチート級のシステムとなると

さすがに高価なアイテムが必要になってくるが、

背に腹は代えられない。

自分の"城"が攻略された時の絶望感は

筆舌に尽くしがたい。

あれを味わったことのあるマスターなら

買うことに躊躇はないだろう。

とはいえ、このダンジョンはユウゴが持つ数あるダンジョンの中でも比較的易しい。

また"別の目的"もあるためそこまでの警戒はしていなかった。


侵入者は男女混成パーティだった。


「ふ、ふーん。楽しそうだね…」


会話をモニターしながら独りごちた。


「でもさぁ、ダンジョンで無駄な会話したらダメだよ…」


ダンジョンマスターだからこそ

全階層をモニタリングできるが、

関係のないプレイヤーでさえ、

同階層にいれば会話が見ることができる。

PK有りの「COS」において、

無闇やたらと情報を与えるのは賢くない。

それが例え他愛もない話だとしてもだ。


「ではお帰り頂きましょうか。ここはシャルロットさんっ……と」


虹竜の眷属シャルロットに指示を出す。


「ウケタマワリマシタ。マスター」


山頂に座する(寝ている)虹竜レインボルスの傍にいたシャルロットは

無機質に返事をすると

侵入者を撃退すべく飛び立った。

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