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53/62

【52】

ウェルネ=デザイア()に着いたころには日が暮れかけていた。

約一週間ぶりの帰還だったが

街を拠点としていないマコトとユウゴにとって

特に感慨はない。


到着後には打ち上げを兼ねた会合が予定されていた。

しかし、一旦マコト達は別行動となる。


「少し遅れると思うが宜しく…」


「はい。心得ております」


シリウス達にはこれからの行動を説明している。

桜、銀次、妖魔士マイラ、

RYU、そしてシリウスに見送られ

救出隊は解散となった。

潮も同行すると言い張ったが、

それはかたくなに拒んだ。





「エイジくん、そろそろ中に入りましょうか」


「ええー!もうちょっと待ってぇ!」


「ふふふ、元気ね」


子供の体力には果てがない。

外が明るくなってから今までずっと

ひたすらに遊び回っている。

”こちらの世界”だからできることなのかどうかはわからないが、

そんなエイジにずっと付き添っていた。

キキのエイジを見る表情は

まるで、母親のそれだった。


マコトはそんな様子を遠巻きに見ながら

残酷な事実を告げなければいけないと思うと

胸が締め付けられる。





「え……。死ん…だ?」


「…ああ」


とてもギルドの本拠地とは思えない一軒家にあげられたマコトとユウゴは

これまでの経緯を説明した。


《ソード&ローゼズ》のギルドマスターであるキキは

一見すると、NPCと見分けがつかないほど

普通の格好をした女性だった。

黒髪でベリーショートの子は気が強い、

という勝手なイメージを持っていたが、

キキにはそれは当て嵌らなさそうだ。


「本当にゴメンなさい…」


「…っ」


「わぁ、モンスターなのにしゃべったぁ!」


キキは、突然口を利いたモンスターに一瞬目を向けたが

それだけだった。

無邪気に驚いているのは、

状況が理解できないエイジだけだ。


「こんにちは…。ゼロスの友達だよ」


ユウゴは頑張って笑顔を作って見せた。


「へぇ、にいちゃんって凄いね!モンスターのお友達がいるなんて」


エイジは腕を組み誇らしそうにしている。

ユウゴはいたたまれなくなくなり、つい目を伏せる。


「…そうだね」


それは絞り出したような声だった。

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