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43/62

【42】

ゼロスとRYUは、外で寝ていた者達を中へと運び、

他の団員達と一ヶ所にまとめた。

そのあと、砦周りの巡回をするよう頼まれていた。


ゼロスは不安だった。

今回の作戦(クエスト)に自分は必要だったのか。

役立つことは出来たのか。


"強さ"には自信はあった。

ゲーム時代、そこそこ大所帯のギルドの中でも上位に位置し、

何かあれば常に頼られる存在だった。


ところが、こちらの世界に来てからというもの、

"使えない男"もいいところだった。

ろくに仲間も集められない。ダンジョンを攻略する勇気もない。

でも、キキ様とエイジのため稼がなければならない。

自分に出来ることと言えば、"野良"退治がせいぜいだった。

所詮"高校生"、と言われればそれまでだが、

頼れる存在に見られるよう名刺を用意してみたり、

口調を大人びたものにしてみたり。

だが、 マコトに言われたことで、結局大事なのは経験だと痛感した。

それも"ゲーム"の経験ではなく"人生"の経験。

物事は深く考えて行動しなければならない、と。

こればかりは今すぐ解決出来そうにない。


もう一人で強がるのはやめよう。

今回の件で知り合いも出来た。

わからないことは聞けばいい。

怖ければ誰かと一緒に行けばいい。

プレイヤーは"鬼"じゃない。

自分と同じ人間。

マコトみたいに拒絶されてしまうかも知れないが

助けてくれる人もいるかも知れない。

街に戻ったらキキ様に相談しよう。


ゼロスはそう思った。





「あれ、キミ一人かい?」


「(え、オレに話してんの?)」


ユウゴは外にいるよう頼まれた。


中では潮、マコト、シリウスの三人と

女性の指揮官こと、サラ・アレキサンドロ・スローンとで政治的な話をしている。

最初はユウゴもマコトの横にいたのだが、なにせモンスターに憑依している身だ。

サラの気が散っていたのをマコトも潮も気にしていた。


そのモンスターに憑依しているユウゴに話し掛けている。

意味がわからなかった。


「あ、キミはモンスターだったな。スマンスマン…」


「(忘れてただけかい)」


ゼロスは壁にもたれ掛かった。


「…みんなどうしてるかなぁ」


「(次は独り言…)」


ユウゴは"人間"と認識されていない。

人語を理解出来ない生物に

独り言を聞かれても差し支えはないと思っているのだろう。


「母さん心配してるだろうな。エイジもこっちだし…。てか俺の体、今どうなってんだろ…」


「(あれ?口調が若いな。オレと同じくらい?」


「そういや○○、一ヶ月もログインしてないや。ログインボーナスもったいねぇ」


「(わかるよ、それっ!オレもなんだよな)」


ゼロスは有名なゲームの名前を挙げた。

それはユウゴもハマり中のゲームだった。


「ああ…帰りてぇな」


「(…だね)」





それに気付いたのは屋上に待機したままのマイラだった。


東の空は徐々に白みがかってきた。


「ああ…ヒマすぎる。いっそのことモンスターの大群でも襲って…ん?」


西側の地平線。まだ暗闇に包まれてはいたが、

ポツッと光の点が見えた。


「なんだ、アレ」


遠くてよく見えない。


その時、それは急に動き出した。

否。"飛んできた"と言っても過言ではないスピードだった。


「っ!!や、ヤバ――」



『ドゴォォォォォンッ!』



皆に忠告する間もなく、砦に着弾した。


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