【41】
「…アンタ誰や?」
潮は、物音一つ立てずに部屋に侵入してきた男に問い掛ける。
「助けに参りました。敵地ですので自己紹介は割愛させて頂きます。悪しからず」
女の首筋に刃物を当てたままだが、意識は奪っていない。
「……お待たせしました"姐さん"」
続けてマコトとユウゴも入ってきた。
「ご無事でしたか?」
「み、見たらわかるやろ?このお嬢ちゃんと女子会中や」
潮は悪態をつきながらも、泣きそうになるのを堪える。
「ハハハ…元気そうで良かった」
マコトとユウゴは安堵した。
「さて…と」
マコトはシリウスの肩を叩き、拘束させていた女を座らせる。
「どうも、こんばんは」
「……わ、私にこんなことをしてタダで済むと…」
マコトは女の鼻先にまで顔を近付け睨む。
「で、どうやって死にたい?火炙り、八つ裂き、串刺し、絞首、斬首、火炙り、サンドバッグ、餌、練習台、…」
「え…………あぁ………」
女はガタガタと震えている。
「さぁ、どれにする?」
「……ひ…」
「コラっ!可愛いお嬢ちゃんイジめたらアカンで。ていうか"火炙り"二回言うてるし、後半わけわからんし…」
「…あれ?二回言ったっけ…」
「まぁ、扱いも悪うなかったし許したってや」
女はすがるような目で潮を見る。
「まぁ"姐さん"がそう言うなら…」
マコトには元々そんな気はない。
この後にあるであろう、諸々の交渉事を有利に進めるための"かまし"だ。
「それに、その子には騎士団と渡りつけてもらわなアカンしな」
潮は悪そうな笑みを浮かべる。
「ひっ…」
「どうせゴッツい金使ったんやろ?"あの子"」
「ええ。大盤振る舞いでしたよ」
「オーマイガー……」
潮はガクッと項垂れた。




