【4】
モンスター達の姿が消えると、皆が示し会わせたように、その場にへたりこんだ。
「……みんな。大丈夫か?」
「…ああ」
「わたしも…」
「オレも大丈夫だよ…」
「……そうか、良かった。……なぁ、タケ……どうするよ?」
マコトがパーティの頭脳に問い掛けた。
「そうだな……まずは一刻も早くここを出よう……。危険だし、何より状況がわからん」
「……だな。二人も異論はないな?」
「…うん」
「オレも…」
「…よし」
マコトは立ち上がった。
「そういや初めての撤退だな」
「ふふ。そういえばそうだ」
「先頭はタケじゃなくユウゴに頼む」
「え……そうなの?」
「ああ。ゲームで遊んでいるのとはわけが違う。モンスターは全て瞬殺してくれ。一撃たりとも被弾したくない。痛かったらヤだし……」
「オッケー」
「タケ。お前は後ろの警戒にあたってくれ」
「あいよ」
「ミカりんは俺とデネブの間にいろ」
「わかった…」
「よし……帰るぞ!」
「「おう!!」」
結局、エンカウントはなかった。パワレベが目的だったこともあり、道中のモンスターを丁寧に倒していたのが功を奏したようだった。
のちに"ロス組"から散々愚痴を聞かされたが、マコト達は非常に幸運だったといえる。
一つは、気心の知れた仲間達でいたこと。
こちらの世界に"取り込まれた"際の一瞬の隙。
ダンジョン内にも関わらず、その最も危険だった瞬間を
リーダーであるマコトの機転で対応できた。
一つは、ダンジョン"開拓中"ではなかったこと。
通い慣れたダンジョンだったため、"詰む"ことはまずなかった。
一つは、各々の戦闘スタイル。
武器で攻撃するメンバーがいない。
つまりモンスターから直接攻撃を受ける確率も低い。
そして最後の一つ。パーティにユウゴがいたこと。




