【26】
こちらに来て一カ月。
マコト達も、現実に戻るためにありとあらゆる方法を試した。
何よりもまずはコマンドを呼びだしたかった。
コマンドが出ればGMコールが使える。
ゲームマスター、つまり運営に連絡が出来る。
とにかく誰かに事情を説明して欲しかった。
一体どういう状況なのか。これはいつまで続くのか。
ゲームのログアウトもコマンドから行える。
ログアウトすれば現実に戻れるだろう、と期待していた。
マコト達は、コマンドを呼び出すために色々と試した。
念じてみたり、声に出してみたり、身体のあらゆる部分を押してみたり。
もしかすると死ねば出るかもしれない、とも思ったがこれだけは試せなかった。
最初の二日程をこれらに費やしたが、結局、無駄だった。
一旦、コマンドの事は諦め、他のプレイヤーと情報を共有するべく四人で街に行った。
しかし街は、協力とは程遠い混沌に満ち溢れていた。
その光景を見た四人は、現実に戻る方法よりも自分達の身の安全を担保するため、
住処であるダンジョンに逃げ戻った。
《魔窟王》ユウゴが持つ、無数あるダンジョン。
ゲーム時代からスペックは変わりないか、ギミックは正常に機能しているかどうかの確認。
そして、置かれたアイテムの価値、モンスターの強さは同じか。
それらを調べるのに膨大な時間を要した。
調べてわかったことは、余程のヘマをしない限り、マコト達の身は安全は保証された、ということだった。




