【25】
パルムとは《魔具屋-塩猫-》で別れた。
会合のため、街の実力者達が向かった先は、NPCが運営する酒場の二階。
ゲーム時代からもプレイヤーが愛用しているレンタルスペースだ。
営利目的での使用も可能なため、相変わらず高額なレンタル料を提示されたが、
そこは《やっぱり猫好同盟》が持ってくれる。
「まぁ、救出の方針がどうなろうと、同じ街を根城にする者達だ。自己紹介くらいして損はないだろ」
特に異議無しと感じたイザナギから始めた。
「顔見知りもいるが……。《廃人倶楽部》のマスター、イザナギだ。宜しく」
「ボクはゼロス。《ソード&ローゼズ》のゆ……剣士だ」
「私は《スワロウテイル》の千早です。一応、ギルマスをしています」
「オレっちは《M-BOX》のJJ。ヨロシクね。あ、同じくギルマス」
「俺はマコト。ギルドには所属していない」
皆の視線が一瞬止まった。が、それだけだった。
「《宵闇の疾風》…卍丸だ」
「僕はギルマスではありませんが…。《カーペンター組合》のリチャードです。宜しくお願いします」
「アタシは《倶利伽羅》の桜。ギルマスよ」
我の強そうな奴等だ、というのがマコトの第一印象だった。
嫌な流れになりそうだとも思った。
「"奥の手"を出すかも知れんがいいか?」
マコトはタケにそっと耳打ちした。
「まぁ仕方ない。そういう流れになる可能性は高いだろう…」
タケも心得ていた。
「 さて、自己紹介が終わったところで…」
イザナギはそう始めた。
「さっきのお嬢ちゃんには悪いが……」
パルムのことだろう。
「皮肉にも街の有力者達が集まった良い機会だ。本題に入る前に聞いてもらいたい…」
街には無数のギルドが存在しているが、統制のとれた組織、として機能しているギルドは決して多くない。
ギルドの運営に限らず、人をまとめるということは困難を極める。
数が増えれば増える程、それに比例して難しさも増していく。
その組織のトップが、トップたる所以は
人を惹きつけるカリスマ性であったり、圧倒的強さであったり、
巧みな人心掌握術であったり、様々な要因が挙げられる。
ここに集まっている面々は、その何かしらを備えたプレイヤーであり、
ウェルネ=デザイアにおいての最高権力者達といっても過言ではなかった。
「おそらく、みんなも色々と試したとは思う。現実に戻るための方法についてだが……」




