表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

23/62

【23】

引き取り手のいない"子供"。

ギルドが全滅してしまった場合や、引き取りを拒む、もしくは名乗りでない場合は、

その"子供"は教会の預かりとなる。

元プレイヤーである"子供"を放っておけない街の住人は、

教会に寄付をしたり、その世話をしたり、何かと気に掛けていた。

個人では限界があるため、ギルド単位での活動が主だったのだが

中でも《やっぱり猫好同盟》が一番大手、且つ、非戦闘ギルドということもあり、

その実務の大半を担っていた。


ところが聖天騎士団はその活動をよく思っていなかった。

教会は聖千騎士団の管轄。

寄付は有り難いが"子供"の世話はこちらでやる、と。

要するに「お前達はゴールドだけ払っていろ!」ということらしい。


ただ、これには潮含め、他のギルドマスター達も特に異論はなかったそうだ。

正直、皆自分達のことで一杯一杯だった。ゴールドだけで済むのならと。


それがつい先ほど。

三人が帰って少し経ってから聖天騎士団が突然現れた。

武装した20人ほどの小隊だった。

どこに立ち寄ることもなく、そのまま教会へと向かったので安心していたが、その内、"子供"の叫び声や泣き声が聞こえ出した。

一体、何事か、と潮が教会に向かうと、"子供"達を聖千騎士団の本部へ連れて行くと言う。

何のために、と聞くと、なんと"子供"を奴隷として使うためだ、と。


聖天騎士団曰く、プレイヤーが"子供"と呼んでいるそれは、

こちらの世界では"ウロ"という名称で通っており、時たま発生するそうだ。

"ウロ"の物心がつくまでの期間、奴隷として使うのが聖天騎士団の慣習、とも言っていた。

とてもじゃないがそれは容認出来ない、と潮が抗議していると、騒ぎを聞き付けた他のギルドやプレイヤーが集まり、騎士団を取り囲んだ。

すると、多勢に無勢と思ったのか、聖天騎士団の一人が剣を抜いた。

当然、街の中は戦闘不可地域。馬鹿なプレイヤーが、そうとは知らないであろう騎士を挑発したところ斬りつけられた。


「なにっ?!攻撃されたのか?!」


「……はい。プレイヤーは、実際にダメージを負いました…」


「バカな……」


「他のみなさんもそう言っていました」


「そりゃ、そうだろう。街で剣が抜ければ状況が一変するぞ…」


「ええ、そうとも…。…但し、私達は攻撃出来ませんでした」


「…どういうことだ?」


プレイヤーが攻撃されると、皆、驚きに包まれながらも一斉に臨戦態勢をとった。

ある者は剣をとり、ある者は弓矢を構え、ある者は魔法の詠唱を始め。

ところが、一切の攻撃が発動しなかった。


「何か、特殊な阻害魔法でも使っていたのか?」


タケはユウゴのダンジョンにおけるギミックを想像した。


「…いえ、違いました」


「違いまし…た?…原因がわかったのか?」


「はい。実に単純なものでした」


「なんだ?」


「戦闘不可なのはプレイヤーだけです。NPCには当てはまりません」


「マ、マジか……」


「はい。ウチの常連さんであるNPCに協力してもらいましたから間違いありません」


「……」


おそらくそのNPCに攻撃でもしてもらったのだろう。

実際にダメージを喰らうのかどうか。


「…ソルティキャットは何故さらわれた?」


肝心なのはそこだ。


「はい。こちらが臨戦態勢になると、騎士団も同じように武器を抜いて一触即発状態だったんです。ところが、こちらが攻撃出来ないと知るや否や、マスターを拘束しました。反乱を煽ったとかどうのこうの言って"子供"達と一緒に……」


パルムはその時のことを思い出したのか、言葉を詰まらせた。


「で、どうするんだ?…取り返しに行くのか?」


「も、もちろんですっ!!」


心外です、とでも言わんばかりの勢いだ。


「それをちょうどみなさんと話していたところだったんですが……あ!忘れてた!」


「……みなさんって?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ